安敦誌


つまらない話など
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情報教宣言

早く寝なきゃ、早く寝なきゃ。

--

安敦誌 : 時間論とか

ここらで書いたとおり、私は世界の根源は情報であると思っている。危険率15%程度の水準で、「世界の根源は情報だけではない」という仮説を棄却できる程度の信頼度でこれを信じている。って、別に統計的仮説検定をしたわけではないのだけれども、85%程度の確率で信じているという感じ。

もちろん、カネの本質は情報である。熱力学的エントロピーの本質もまた、ある系について観測者が失った情報量である。つまり、その本質的単位はエントロピー・ユニットなどではなく、ビットである。古典的実験によって観測可能な物理量、温度や圧力や質量は全て統計量であり、各分子原資の運動量と位置、電子状態、原子核の内部状態まで、詳細な個別情報を観測者が得られれば、物理状態は全く変わらずとも、系のエントロピーは下がる。そして、時間の経過と共に観測者が持つ情報と物理法則から計算される推定値と、実際の系の常態の乖離が進むに従い、系のエントロピーは増加する。この間、観測される系と観測者を含めた統合系のエントロピーは短調に増加している。

全ては情報である。世界の本質は情報である。確率とは、系が持つ情報のうち、一部の情報だけを観測者が有している場合に、残りの情報を含めた系全体の挙動を推定する相互情報量の表現である。

ここに面白い記事がある。

皆殺しの天使 : 乱雑さの芽について考えてみた
本質的に計算不可能な数列を、乱数列と呼ぶのかもしれませんね。


うはははは。本質的に計算不可能な数列などありうると思うかね? あるのは、「現実的に」計算不可能な数列だけだ。どのような美しい規則に従った「かのように見える」数列も、漸化式ではなくあくまで数字の羅列として観測したとき、果たしてそれが本当に「ランダムではない」と証明することができると思うかね? 無限の長さにわたって続く数列が全ての計算モデルに合致しないと証明するためには、「全ての計算モデルについて」「無限の長さにわたって」比較する必要がある。このテストをパスできた数列だけが、真にランダムな数列と呼ぶことができる。うはははは。

私が考えるところでは、「乱雑さ」とは、「予測不可能性」を言い換えたものでしかない。予測に必要な完全情報が与えられている数列は、たとえどんなに入り組んで「めちゃくちゃな」数列であろうとも、それはランダムではない。静的な数列である。しかし、どんなに単純な数列であっても、予測に必要な完全情報を有しない系は、徐々に予測の精度が下がっていき、完全な予測が不可能になってくる。その精度低下が緩やかな系もあれば、わずかな情報損失でも急激に予測困難になる系もある。

メルセンヌ・ツイスタ(MT)は、当然に計算可能な数列である。しかし、MTが擬似乱数列計算に利用している変数の値そのものは数列の利用者に開示されない。MTが出力している数列は、内部で利用している「真の数列」のうち、内部情報の推測が困難な程度に情報を削ったものになっている。もちろん、MTのアルゴリズムは公開されているため、プログラムを解析して変数を吐かせれば、ある時点以降のすべての数列を予測可能である。しかしあえてこの情報に目隠しをして、MTが出力する数列を素直にカイ2乗検定などの統計検定にかければ、それがかなり高度に一様乱数の性質を満たしているという結果が出る。だが、最長周期がバカに長いとはいえ、MTも結局は有限の周期を持つ循環数列なのである。

私は情報教信者なので、アインシュタインのように「神は賽を振り給わず」と信じている。つまり、不確定性原理の向こう側には、必ず「隠れたパラメータ」が潜んでいると信じている。局在化パラメータの存在はEPR相関やベルの不等式などによって否定されたが、4次元を超える時空の位相構造や、あるいはもっと乱暴に非局在パラメータなどを想定することで、シュレディンガーの波動関数が統計量を表現する関数となるような、「個別情報」が存在すると信じている。ただし、それがこの時空に物質として存在する我々人間から観測可能である、というところまでは楽観視していない。あくまで、数理モデル化が可能だろうと推定している程度だ。

安敦誌 : 一市民の宇宙論

ある、美しい数理モデルが成立する。それで全てを「説明」することが可能になる。しかし、それが「実用」になるかどうかはまた別の話だ。理学は説明だけで満足できるが、実用にはあまり興味がない。工学は実用だけで満足できるが、説明にはあまり興味がない。相補的な両者が車の両輪となって、科学は進歩してきた。

「彼」は、C大の生物に、説明も実用も存在しないことに苛立っているのだろう。実は、私が今年度の始めに新人研修で指導した後輩も、C大生物のマスター卒だったりする。彼はプログラマーとして配属されたが、実はif文もまともに扱えないほどロジックに弱かった。決して頭が悪いというわけではないのに、である。嗜好作物の根がゴニョゴニョとか言えば通じるのだろうか。

ともかく、乱雑さとは予測の手がかりの少なさであり、予測の手がかりの少なさは、次の二つの要因の影響を受ける。ひとつは、予測に必要な情報をどれだけ持っているかということ。もうひとつは、予測に必要な情報をかなり持っているとして、その予測精度がどこまで継続するかということ。どんなに単純な系であっても、予測に必要な情報が足りなければ、予測は困難である。

1,2,3,1,2,3,.....

という数列がある。この100桁目の数字はいくつか。どうだろう。1だろうか。不正解。正解は、12です。この数列は、

1,2,3,1,2,3,4,1,2,3,4,5,1,2,3,4,5,6,....

というように続く数列だったのです。

頓智のようだが、これはあくまで単純な例でしかない。この例では、予測に必要な情報の欠落の意味を説明するだけの力を持っていないかもしれないが、それでも上記の6個の数字配列に続く無限長の数列の可能性は、無限に存在する。10の23乗個の数列を完璧に説明できた数式も、10の23乗+1を完全予測できるとは限らない。推測に必要な完全情報があれば完全な予測は可能だが、完全情報を持たなければ、上のような有限の数列は皆、乱数列と呼びうる。

一方で、完全情報を持っていても現実的には予測不可能という系も存在する。1兆桁の円周率の数列も、10のアレフ0乗という順列組み合わせを、10の1兆乗で割った組み合わせ数まで減じたに過ぎない。アレフ1を有限の整数で割ったところで、それは相も変わらずアレフ1のままだろう。円周率の1グーゴル・プレックス桁目を求めることは、今のところ現実的ではない。計算量理論の仮説検証次第では、我々の宇宙が熱平衡という死を迎えるまでに計算を終えることは不可能、という結論が出るかもしれない。

円周率の1グーゴル・プレックス桁目を求める計算に必要なエントロピーと、宇宙全体が熱平衡に至るまでに増加可能なエントロピーを比較すれば、「現実的な」計算可能性というものが判断可能になるだろう。もっとも、熱平衡付近で宇宙が再び「インフレーション」を起こし、新しい散逸構造が生まれるなんていう可能性も、無きにしもあらず、ではあるのだけれども。

ともかく、リベラル・アーツに限らず、この世界の森羅万象を記述せんとする学問は全て、情報学の個別適応化に過ぎないと、私は85%くらいの確率で信じている。生物学も化学も物理学も、おそらく神の眼から見れば五十歩百歩に違いない。

世界を記述せよ! 全ての物理量の単位はビットだ! そうでないならば、なぜラジアンが、レイノルズ数が、それら無次元量が物理的意味を持つのだろう!

--

そう叫ぶと、Antoninは恍惚の表情を見せながら意識を失った。
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by antonin | 2008-12-18 02:34 | Trackback(1) | Comments(5)
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Tracked from 安敦誌 at 2009-02-25 12:12
タイトル : 情報教の福音書
安敦誌 : ぽろりぽろりと井戸の水 私は基本的に上の記事のような考え方を持っていて、自分の意見などというものは所詮、今の時代の、ある地層の情報が自分の口(ないし指)を通じて流れ出ているだけのものなのだろうと思っている。 そして、こういう妄想を書いた。 安敦誌 : 情報教宣言 こちらのほうも、やはり当然のように源流が存在していた。それはいつものように、自分の考えたことを、自分よりも先に、そして自分よりはるかに洗練されたやりかたで済ませているというものだった。そして今回もそういう源...... more
Commented by kawazukiyoshi at 2008-12-19 18:03
だいぶ読みましたか。
ランダムの定義はそう簡単ではありません。
でも、考えることは大事です。
今日もスマイル
Commented by antonin at 2008-12-19 20:30
kawazukiyoshi様

コメントありがとうございます。
今後も引き続き考えていくことにします。
今日もスマイル♪
Commented by fazero at 2008-12-21 06:21 x
yeah, smile !! ^^ w
Commented by antonin at 2008-12-22 01:28
どもども。ご無沙汰しとりやす。
セカンドライフ、楽しそうだねぇ。だいたいああいうのって、ちょっと人気(ひとけ)が減ってからが面白いんだよなぁ。
Commented by fazero at 2008-12-22 17:08
^^
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