安敦誌


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Generation Invisible

「ロスト・ジェネレーション」という言葉が、ときどき使われている。これが、「失われた世代」になるのか、はたまた「負けた世代」になるのか、よく知らない。

バブル景気 - Wikipedia

このあたりを読むと、日経平均が4万円弱という過激な値をつけた1989年末あたりをピークとして、景気動向指数が底を打ったという1993年末あたりまでの「バブル崩壊」を挟んだ前後を境として、それ以前に社会へ出た世代を「バブル世代」と呼び、それ以降に社会に出た世代を「就職氷河期世代」と呼ぶらしい。「ロスト・ジェネレーション」というのも、この後者を指すものらしい。

ただ、1997年に山一證券が自主廃業したり1998年に長銀が国有化されるまでの時期というのは、狂乱的な好景気が後退したというだけであって、主に不動産を担保としていた多額の債権焦げ付きによる金融危機が、健全な実業界にまで波及するという状況ではなかった。いわゆる「財テク」に走った企業が、言わば自己責任で苦しんでいたことはあっても、まだ国家的な構造不況というほどにまでは景気が落ち込んでいない時期が、いくらか継続していた。

まぁ、その後の状況は言うまでもないのだけれども、「団塊の世代」が相次いで定年を迎える「2007年問題」というものがあり、また法人を最優先で救うという竹中改革によって大企業を中心に企業収益が上向いてきたこともあり、2006年あたりを境に「就職氷河期」は終わったことになっている。

統計調査別公表データ

労働統計が全てExcel形式というあたりが厚生労働省クオリティを感じさせて芳しいが、この「第2-1表」あたりを見ると、最終的な就職率に変化はないものの、早期に就職内定を得る学生の率が、やはり1999年あたりから急激に低落している。

典型的な「就職氷河期世代」では、国立大卒でも大企業の内定は取れないだとか、大学新卒で人材派遣会社に就職するだとか、そういう現象が見られた。一方の典型的な「バブル就職世代」では、早期に「内内定」が出され、また内定者をつなぎとめるために、ほぼ娯楽旅行のような「合宿研修」が催されてみたり、大学の先輩リクルータによる学生への接待攻勢なども話題になった。

そういった典型的な世代が存在する一方で、バブル景気から就職氷河期へと遷移していく時代に就職した世代があった。いわゆる、「団塊ジュニア」というやつである。とかく若者世代の「口撃」対象となっている「団塊の世代」の存在感に比べ、ジュニアたちのそれは非常に希薄であるように思える。

「団塊の世代」たちは、敗戦直後の食糧難の中で生まれたものの、日本の戦後高度成長期に自身の成長期がぴったりと重なり、彼ら「戦争を知らない子供たち」は「現代っ子」と呼ばれた。1970年の大阪万博では従来の日本人の常識を覆すような旺盛な消費傾向を見せ、この前後には「ヤング」という言葉が流行したという。

そして、ニクソン・ショックから2度の石油ショックが発生した時期に生まれたのが、いわゆる「団塊ジュニア」になる。この時期にはまだ団塊の世代の出産はピークに達しておらず、実際には戦中生まれ世代などの子供たちが多いので、「ニセ団塊ジュニア」などとも呼ばれるらしい。

そしてこの世代が高校を卒業するのが1990年から1992年。このころはまだバブル絶頂期の余韻が残る時代である。その先頭が4年制大学を卒業する1994年から、末尾が2浪で大学院前期課程を卒業する2000年にかけてが、大学で学んだ団塊ジュニアが社会へ出た時期となる。真っ先に高卒で就職した人はバブルの盛りで、最後に大学院を出た人は就職氷河期の底である。この世代内グラデーションが、団塊ジュニア世代への単純なレッテル貼りを難しくしている。

本来は人口ボリュームを誇る世代であり、時代の指標となっても良さそうなものなのだが、実はこの世代を一口で言い表すことは難しく、結果として団塊ジュニア世代は、もはや言及すらされない「見えない世代」となってしまった。ときには1960年代生まれ以上の世代に若者として揶揄され、ときには1980年代生まれ以降の世代にバブル世代として罵倒される。が、「バブル景気」から「失われた10年」への遷移期に思春期と青春期を過ごしたこの世代は、そのどちらでも代表することができないが、またそのどちらも含み持っているのである。

出来事も多かった。男の子は恐竜ブームや宇宙探査ブームの中で自我に目覚め、インベーダーゲームやスーパーカーに物欲の原体験を覚えた。ガンダムなどもこの系列に入るのだろう。女の子はサンリオなどのキャラクター商品に囲まれ、丸文字で書いたメモを教室で回したりしていた。そして小学校高学年となった1983年には、ファミリー・コンピューターの発売と東京ディズニーランドの開園という大イベントが発生した。この時期にはまだ、団塊ジュニアには子供市場という存在価値があった。

思春期にはバブル景気が到来し、「財テク」や「地上げ」などという言葉が流行した。テレビで金銭欲に踊らされる不様な大人たちを眺めながら育った。そして、莫大な資産価値を持つようになった都市部の土地を明け渡して郊外に移転した大学に入学すると、バブル経済が徐々に崩壊する。当時はまだ「もつ鍋」をつつきながら不景気を楽しむ余裕があった。が、卒業・就職の頃ともなると金融危機が顕在化し、就職にあたって派手な接待を受けた先輩の話とはかなり違った就職戦線を渡ることになった。一方で、選り好みせず通常の就職活動をしていれば、正社員への道は確保されていた。しかし、博士後期課程へ進んだうちの幾人かは、学内で身を投げたり、中退して細々と福祉系のNPOへ転進したりもした。

そしてこれに重なる時期に、1995年の阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件を経験する。神戸大出身の同期は、友人を一人失ったと話した。私も旅行で震災前の三宮を歩いたことがあり、あの通りのビルが前のめりになって道路向かいのビルにもたれかかる映像に衝撃を受けた。サリン事件の当日、たまたま私は銀座で彼女(現ヨメ)とデートをしていて、救急車が何台も走り去るのを目にした。それがあの大惨事によるものだと知るのは、帰宅後にテレビニュースを見てからのことだった。その頃は電子工学に転向していたが、工業化学を卒業した身として、化学テロの恐怖とマスコミによる冤罪報道の恐怖を体感した。

日本という国はおかしい。それが、社会人として世に出た当時の印象だった。そして、職場には5年間後輩が配属されず、したがって5年間の「新人」生活を送った。この間、職場の先輩が皆欠席する社員旅行の幹事なども続けた。年上の部下を付けられたり、派遣社員の部下を付けられたりと、まぁ、いろいろあった。どの世代にもいろいろとあっただろう。そして、我々も浮き沈みを経験した。ただそれだけだ。

さて、そんな「われわれ」団塊ジュニアは、いったいどういう世代なのだろう。別に素敵なステレオタイプが欲しいわけではないが、端境期というのは、なんとも目立たないものだと思う。

ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ

そういう者に私たちはなってしまったわけであるが、はて、いかがなものか。
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by antonin | 2009-01-07 03:47 | Trackback | Comments(2)
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Commented by 1973年生まれ at 2009-01-31 01:21 x
1960年代生まれくたばれ!!バブル世代!
Commented by antonin at 2009-02-01 23:43
>1973年生まれ さん

まぁ、あと10年もしたら我々もクタバレ言われてそうではありますが。
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