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エレキな雑談(2)

エレキな雑談(1)のつづき。

その、日経エレクトロニクス誌の記者さんたちが交番で記述するblogがある。

直流給電に対する17年前の思いこみ - 日経エレクトロニクス - Tech-On!

実は私も、直流給電に対する思い込みというか、入れ込みがある。中学に上がった頃なので、1984年あたりかと思うけれども、初めてヘッドホン・ステレオというものを買ってもらった。SONYの製品ではなかったので、「ウォークマン」ではない。それは単三電池2本を使う、ヘッドホン・ステレオにしては巨大なものであったが、ラジオやテレビ音声が受信できたりした上に安価で、とても気に入って使っていた。

夜になるとオールナイト・ニッポンを聞きながら布団に入ったりしたのだが、そういうことをしていると乾電池がどんどん無くなっていく。あまりの非効率にイラついていた頃、秋葉原を徘徊していて面白いものを見つけた。単三型のニッケル・カドミウム電池2本と、それを充電するための折りたたみ型太陽電池のセットだった。昼のうちに陽の差す窓辺にそれを置いて学校に行くと、日が沈むまでには充電が完了していた。これで電池切れを気にすることなく深夜放送を楽しむことができるようになった。

それ以来の二次電池(繰り返し充放電可能な電池)好きは過去にも書いたと思うが、ニッケル・カドミウム電池、ニッケル・水素電池、シールド鉛電池など、大小さまざまな二次電池を買い揃え、それらを電源としてキャンプの照明係を務めたようなこともあった。当時からインバータ回路を内蔵した電池式の蛍光灯ランタンは安く売られていたし、自動車店を巡れば12ボルトで点灯する電球が非常に多種にわたって手に入った。個人的には、乗用車のナンバープレート用照明球を2個並列に接続した、自作の簡易照明装置が好きだった。

本来これは、雨などに強い自動車用電球の特性を生かした、屋外作業用の照明器具だったのだけれども(そして実際に川原でキャンプをしていて雨に見舞われたときにも目論見どおり動作してくれたのだけれども)、その淡い光が好きで、自室の蛍光灯照明を全部消して、その電球照明を天井から吊るしてムード照明のようなことをしてみたこともあった。

当時、秋葉原の秋月あたりで6Vのシールド鉛電池が安く手に入ったので、これを2個直列接続して12Vの電源として利用していた。手持ちの単三電池4本で駆動する蛍光灯ランタンに外部電源端子が付いていて、その電圧が6Vだったということもあって、せっかくの6V電池なので6Vでも出力できるような小細工を施した。2連6端子の、安全ストッパー付きトグルスイッチを買ってきて、これを切り替えることで2個の鉛電池を直列接続と並列接続に切り替えることができるような配線にした。

2個の鉛電池を接着剤で張り合わせ、その上にトグルスイッチを固定するための操作ボックスをアクリル板で作って乗せた。そこに電源アダプター用のコネクタも設け、移動型直流コンセントとして利用した。照明器具だけでなく、無線機やらラジオやらその他諸々の機器を、このコネクタを解して接続できるようにコード類を用意し、6Vまたは12Vに対応した汎用電源として利用できるようにした。さっきの2連電球を12Vで点灯させてもなかなかに雰囲気のある照明となったが、これを6Vに切り替えると、さらに味わいのある橙黄色のムード照明になった。

こうした具合だったので、電子レンジやオーブンのような大電力を要する系は別として、2Aくらいまでの容量で済む電子機器や照明器具を、全て直流で給電するような部屋を構築してみたいと思うようになった。そして、ニッケル・カドミウム電池と同じように、大型の太陽電池パネルを設置して、自家発電した電力で夜間の照明を賄えたら、それは相当に楽しいだろうな、などと夢想した。が、そろそろ大学入試も近いということで、夢想は夢のまま終わった。


また個人的な話になってしまったが、少なくとも遊びレベルでは直流給電システムを実際に利用していた体験があるわけで、そういう奇人としての立場から、日経エレクトロニクスの記事にちょっとだけ反応してみたい。

直流給電と聞いて真っ先に思い出すのが、ニコラ・テスラの名前だろう。自動車の黎明期に既に電気自動車が登場していたのと同じように、商用電力の黎明期にも、既に直流給電は存在していた。その直流発電および送電システムを開発したのが、あのトマス・エディソンであり、そのエディソンの研究所から独立して交流発電および送電システムを開発したのが、あのニコラ・テスラだった。歴史の証明するとおり、勝利を収めたのはテスラの交流システムのほうだった。

交流システムの勝因はなんといっても、変電システムの存在だった。当時の電気製品というのは、電球、モーター、電熱ヒーターくらいなもので、確か真空管さえ存在していなかったと思う。そういう具合なので、電力は全て強電分野に使われていた。そういう電力というのは、最低でも数十ワット、下手をするとキロワット単位になる。これを賄うだけの電力を長距離送電すると、電流値に比例する銅損が無視できない。ということで、同じ電力を供給するのに少ない電流で済む、高圧送電が必要になる。

直流、交流とも、水力で駆動する巨大な発電機が存在しており、高圧を発生すること自体は可能だった。問題は、それを末端の器具で利用できる電圧まで降圧する作業だった。直流では、昔の電車がそうであったように、電源と器具の間に抵抗器を直列に挿入し、その抵抗値を変化させることで供給電圧を調整する、シリーズ・レギュレータしか存在しなかった。これでは、せっかく高圧給電で節約した電力が、末端の抵抗器で熱に化けてしまい、全く効率が悪かった。

一方の交流方式では、鉄心コイルによる高効率の変圧器(トランス)が存在し、そしてそれは発電機やモーターとほぼ同じ技術で作ることのできる物だった。今様に言えば、AC-ACコンバータということになる。これによって、交流給電システムではその送電電圧をキロボルト単位の極端な高圧にすることも可能で、またそれを数ボルトの低圧まで落とすことも容易だった。また、コイルでの銅損や鉄心での鉄損があったとはいえ、抵抗器で無駄遣いすることに比べれば、はるかに高効率な電圧変換が可能であった。これによって、エディソンは商用電力事業を諦める羽目になってしまった。

そういうわけで今日まで商用電力といえば交流給電なのだけれども、最近になって少し事情が変わった。何が変わったのかというと、2点ある。

ひとつは、直流にも高効率のコンバータが登場したこと。電子回路によってキロヘルツやメガヘルツ単位の発振やスイッチングが簡単に可能になり、これによって直流から直流への電力変換が、トランスと同等かそれ以上の効率で行えるようになった。もうひとつは、直流電力源が登場したこと。ここで言う直流電力源とは、太陽電池と、二次電池である。これは、交流にしろといっても交流にできない、本質的に直流に適した装置である。

日経エレクトロニクス本誌の記事では、直流給電のメリットとして変換効率の向上しか書かれていなかった。しかし、クラウドのバックエンド・サーバー・コンテナのような商用設備ならいざ知らず、家庭で直流給電が効果を発揮するといえば、なんといってもこれら直流電力装置との相性の良さに尽きると思う。確かにAC-DCコンバータの効率は限られるが、本誌の説明図にはDC-DCコンバータの存在が全く記されていなかった。DC-DCコンバータとはいえ、その効率にも限りがあるだろう。両者が消費者市場の量産規模で開発を尽くした場合、それほど致命的な差が付くとは思えない。

一方で、次世代の分散型電力源として期待されるのが、太陽電池と二次電池を組み合わせた電源システムだ。この場合、電圧は余り高く取る必要がない。というのも、電源と機器の距離が短いため、銅損の影響が小さいからだ。また、距離が短いということを利用して、極太配線や厚めの銅板を使った配線なども可能になる。これであれば、数百Aの電流を流しても、さほどの効率低下はない。スイッチングは電子制御されたレギュレータに任せるべきで、機械的に接点を切ってオン・オフするのは緊急遮断時などに限るべきだ。

また、太陽電池からの電力供給は、一定電力がだらだらと流れ続けるような時間分布となり、機器の消費パターンとは異なる。これを利用し、二次電池を機器に近い位置に分散配置し、消費電力の変動は二次電池が吸収する。太陽電池から二次電池までの比較的長距離の配線を流れる電流は、太陽電池などの発電デバイスに由来するフラットな電流に限るようにする。こうすれば、それほどの配線容量を必要としないだろう。この配置は、12Vで一定の電源容量を確保し、短時間の消費電力増減はキャパシタや小型のレギュレータを電力消費点近くに分散配置することで吸収する、PCのマザーボードなどの電源設計に似ている。

このように、室内に露出した通常のコンセントについては、そのコンセントの電力容量に応じたDC-ACインバータが配置されており、従来の商用電源と同じ交流電圧をオンデマンドで供給するのが、互換性の面でも電力効率の面でも良好だろう。壊れたら電気工事士を読んでユニット交換してもらうというようにすれば、ここがダメなら他で一時しのぎ、という使い方もできるようになり、信頼性コストも下げられるだろう。

ただし、掃除機やヘアドライヤーのような電力を食う機器や、携帯電話のように極端に消費電力の小さい機器のためには、それぞれ専用の直流ジャックを用意したほうがいいだろう。そして、徐々に交流から直流へのマイグレーションを図る。

この場合、ジャックには簡単なセレクタ端子が付いていて、機器の要求に応じて供給電圧を制御できるようにしておくほうが、汎用性が高くて使いやすいだろう。マイコンを使うような制御プロトコルを決めてもいいが、弱電用端子であれば、単に特定のセレクタ端子間をショートしておくだけで5Vや12Vが得られるようなオプションがあったほうが、何かと楽しいように思う。大電力用ジャックは銅損や安全性の問題があるので、最大200Vくらい供給できるような仕様にしておき、機器側から正常な制御信号を受信した時点で初めて直流電圧を供給するようにしておくといいだろう。

ジャック近くにコンバータを配置するシステムなら、ジャックに接続する機器によって供給電圧が違うなどということをやっても、それほど追加コストを必要としないだろう。電流容量や電圧値など機器側の要求仕様を満たせない場合には、電源ジャック側が警告音を鳴らして電力供給を拒否する、などということも可能になるかもしれない。

こういうインテリジェントな電源ジャックが配置されていると、消費者市場に製品を流せるほど厳密に規定すべきなのはジャックの表面側であって、その裏側の直流配線に関して言えば、電圧などの規定は複数あっても構わない。TCP/IPが実装できれば、その下位層が100BASE-TXだろうがIEEE 802.11gだろうが、何でも構わないのと同じだ。もちろん、統一されれば確かに器具コストは下がるかもしれないが、建物のサイズや消費電力などの個別用途に最適化するためには、複数の方式が選べるようにしておいたほうが良いように思う。こうしておくと、一部のみ交流配電などということも可能になる。配線側はプロの領域であるわけだし。


とまぁ、技術の詳細を知らない部外者っていうのは言い放題だから気分がいいな。誰か標準規格案を取りまとめて開発してくれないかな、こういうの。
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by antonin | 2009-01-08 00:41 | Trackback(1) | Comments(0)
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