安敦誌


つまらない話など
by antonin
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
検索
最新の記事
アキレスと亀
at 2017-05-02 15:44
受想行識亦復如是
at 2017-05-02 03:26
仲介したことはあまりないが
at 2017-04-29 03:36
サンセット・セレナード
at 2017-04-12 23:17
水分子と日本人は似ている
at 2016-06-04 01:49
ほげ
at 2015-06-05 03:46
フリーランチハンター
at 2015-04-17 01:48
アメリカのプロテスタント的な部分
at 2015-04-08 02:23
卯月惚け
at 2015-04-01 02:22
光は本当に量子なのか
at 2015-03-17 23:48
記事ランキング
タグ
(295)
(146)
(122)
(95)
(76)
(65)
(59)
(54)
(45)
(40)
(40)
(39)
(32)
(31)
(28)
(27)
(25)
(24)
(22)
(15)
最新のコメント
>>通りすがり ソ..
by Appleは超絶ブラック企業 at 01:30
>デスクトップ級スマート..
by 通りすがり at 03:27
7年前に書いた駄文が、今..
by antonin at 02:20
助かりました。古典文学の..
by サボり気味の学生さん at 19:45
Appleから金でも貰っ..
by デスクトップ級スマートフォン at 22:10
以前の記事

経済恐慌について、個人的な感想

いろいろと雑多な情報を集めてみると、経済恐慌というものは、台風に似ているということに気付く。

「100年に一度の危機」などと言われるけれども、歴史を調べると本当に80年に一度くらいのサイクルで大規模な恐慌が繰り返し発生していることがわかる。チャップリンが風刺した異常な世界が前回の恐慌期の終わりあたりだったのだけれども、その更に先回の恐慌期の現象を詳細に分析して批判したのが、カール・マルクスだった。

ソヴィエト連邦が崩壊して中華人民共和国も市場経済化した現代では、マルクス経済学に書かれているような経済理論と同じことを言うと、それ自体が恥ずかしいことだというような扱いを受けることが多い。けれども、マルクス自身が労働者たちに向けて書いた簡単な解説書を読むと、その分析と批判がそっくりそのまま現在の日本で起こっている現象を的確に説明していることに驚く。

その批判の先に、資本家により支配された状況を覆すにはプロレタリアート革命しかない、という「解決案」の提示が続く。この解決案が教条主義的に信奉された結果として、資本家を完全排除した共産国家が誕生したのだが、最終的にそれは崩壊してしまった。結局、分析と批判までは優れていたのに、解決策、あるいは「対案」のほうはいまひとつだった、というように考えることができるだろう。

一般に、人間は過去の分析に関しては緻密に実行することが可能だが、これから実行すべき計画というものは、どうしても仮説的、実験的にならざるを得ない。それが唯一普遍の真理と信じてしまえば、たいていどこかで破綻する。マルクスは科学的にやれと言ったのに、科学的に経済を運営するだけの実力を持った人物が粛清され、共産革命はそこで死んだのだろう。

実際のところ、ケインズにしてもマルサスにしても、その分析は相当程度に正しかったが、対策のほうでは必ずしも完全な効果を挙げていない。けれども、それぞれの手法が一定の効果をあらわした場面もまたあって、つまりはそれらが「緊急対策」といった性質のものだったからなのだろう。

そして、緊急事態が終わってしまえば次第に平時の施策へと戻るべきなのに、いつまでも緊急対策を延々と続けてしまったことが原因と言える経済混乱というものを、やはり歴史の中でいくつも見つけることができる。戦後経済の回復のために作られた、年金、道路財政などの特別会計が、既得権益となり一般会計を何倍も上回る規模になってしまって自分の首を絞めているという、今の日本の状況もまさにそれに当たる。

こうした経済危機の発生というのは、おおまかなメカニズムもわかっているし、どのような被害のあり方があるかというパターンもいくつか知られている。そして、機能不全に陥って収拾がつかなくなった経済システムをどのように破壊して、新システムをどのようにして立ち上げるかという方法も、何通りか知られている。

ちょうどそれは、夏の太陽に照らされて海面温度が上昇すると、回帰線付近の大洋上に大規模な上昇気流が発生し、台風、サイクロン、ハリケーンといった大型熱帯低気圧が発生しやすくなる、という話に似ている。そしてある程度成長した台風などが、その後どういう進路を取るかという予測も、ある程度可能になっている。そこでどのような被害のパターンがあるかというと、上陸による強風や高潮の被害という風害のパターン、前線を巻き込んで大量降雨が続くことで土砂災害や洪水が発生するという水害のパターンなど、災害の性質も知られている。そしていずれはどのような台風も必ず過ぎ去って、台風一過の晴天がおとずれるということも知っている。

台風シーズンのサイクルが1年に1回というペースなのに対して、経済恐慌のサイクルは数十年単位だから、多くの人は生まれて初めての経済恐慌を体験することになる。しかし、経済活動に精通している人々というのは、あえて多くは語らないけれども、恐慌がどのような経過をたどり、どのような被害が出るかということについて、ある程度の予測と対策が可能な程度の知識を持っている。

ただここで間違えてはならないのは、いくら台風に関する知識が豊富でも、台風を消し去ったり、台風の進路を変えたり、台風被害をゼロに押さえ込むというようなことはできない、という点にある。可能なのは、災害を最小にするための事前準備をすることだけだが、これをするとしないとでは、その後の被害状況が大きく変わってくることも知っている。台風は必ずいつか去っていき、そのあとには晴天がやってくるということが確かに信じられるということも、秋が終わりになれば台風シーズンは終わるということも知っている。

だから、経済危機になったのは政府や日銀の無能なのだと今頃になって騒いでも仕方がないし、頑張れば今すぐにでも過去の栄光を取り戻せると考えるのも無謀だということがわかる。重要なのは、既知の恐慌の経過について知識を学ぶことであったり、大恐慌が不発に終わったり進みが遅かったりする可能性はあっても、一度発生した経済危機はある程度の被害をもたらす可能性が高いのだと割り切って、経済混乱のピークを安全に乗り切る準備をすることにある。

そして、恐慌後の災害復旧を少しでも早く実行するための体制を予め整えておくことで、その後の展開が大きく違ってくる。復旧作業の開始は一般的に早ければ早いほど良く、逐次的ではなく集中的にやったほうが良い傾向がある。敗戦後の日本は強烈に経済成長をとげたが、敗戦後の復興処理が非常に優れたものであった証拠だと考えられるだろう。

そういう流れを知っていると、できることが限られる個人とはいっても、ある程度の備えというものが可能になってくる。簡単に言うと、現金貯蓄は長期的にはあてにならないということ。それは国家規模の借金に化けているから、システムの解体時に大部分を踏み倒される可能性が高い。不動産などの資産は法制度の改革などによる長期的な目減りリスクがあるものの、混乱時に路頭に迷わないための助けになるということ。そして、どのような経済混乱も乗り越えることができる唯一の財産は、人と人が助け合うことによる信頼関係であるということ。

このあたりを外さなければ、おそらくは個人でも経済混乱による被害を最小限に抑えることができるだろう。逆にこの状況で弱者を責め立てて被害をしわ寄せした人物というのは、回復期の混乱に乗じてそれなりの復讐を受けることになるだろう。同胞同士の復讐劇というものは陰惨なものがあるが、これも例を探せばいくらでも出てくる。

苦あれば楽あり、涙のあとには虹も出る。苦しいときこそ助け合って乗り切りましょう。
[PR]
by antonin | 2009-02-07 00:01 | Trackback | Comments(7)
トラックバックURL : http://antonin.exblog.jp/tb/10312066
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by fazero at 2009-02-07 15:25
やはし きん やと おもいまふ
1/3 お きん に して、 1/3 お おさつ に して、 どこか に かくして おくある(ぜーきん のがれ)
のこり わ おうち お こーて、 ひと に かして、
じぶん わ そこの だいどこ で ねる ある。 うふふ
Commented by NAF at 2009-02-07 17:03 x
あんと&ふぁぜコメントによると
わたくしは、鼻の頭が金のブロンズ像なので
それで乗り切ってみたいです☆
Commented by antonin at 2009-02-07 22:22
>ふぁぜろ

やっぱり金だよね。これだけ円高なのに、かなりの高値で推移しているし、同じ事を考えている人が多いのかもねぇ。
それに金を購入しても業者に委託保管している状態では投資としての意味はあってもリスク回避の意味は全くないし、自宅に文字どおりの「金庫」を用意しないといけなかったりして、また別の面倒があるしなぁ。

>なふん

「金」は色だけで、材質はあくまで青銅なので、それ自体に資産価値はありません。でも、めでたさというのはそれ自体が価値なので、そのピカピカで不況を乗り切ってください☆
Commented by antonin at 2009-02-07 22:24
「1/3 お おさつ に して、 どこか に かくして おくある」

そいや、先日こんなニュースが。

庭に埋めた3億6千万円盗難 「40年かけためた」 - 47NEWS(よんななニュース)
http://www.47news.jp/CN/200901/CN2009012801000643.html
Commented by fazero at 2009-02-08 02:23
antonin@ わわー やはし そーいう ひと おるんや
nafn@ なふん の はな が びかり と ひかる とき、 せかい が かわる じゃじゃじゃ じゃ~ん (こーけー が あたま に うかぶ と こわなったので、 もー ねまふ)
Commented by antonin at 2009-02-08 22:54
「な、なんですって~~
 ギラ~ン☆」

な展開ですね・・・

もうねまふ
Commented by NAF at 2009-02-09 01:36 x
↑あなたがたは、いつから某どらむこ殿の役割を
担うようになったのでしょう???

あ、むこどのがいないからですね?!
<< 出る杭について スイーツ(笑) >>


フォロー中のブログ
外部リンク
外部リンク
ライフログ
ブログパーツ
Notesを使いこなす
ブログジャンル