安敦誌


つまらない話など
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地雷を踏んでも生きる

「地雷を踏んだらサヨウナラ」という表題があったが、多くの場合、地雷を踏んだ程度では人は死なない。もちろん、匍匐前進などをしていれば頭部を損傷して即死する場合もあるが、普通に歩いていて地雷を踏んだ場合には、多くは膝下が吹き飛ぶ程度で、正しく処置すれば命には別状がない。実際、この表題で描かれたカメラマンの死因にしても、銃殺であったとされている。対人地雷とは、そういう兵器である。

現代日本は、と書きたくなるけれども、おそらくは古今東西問わず多くの人間社会は、精神的な地雷原である。その地雷を踏んで、日本では年間3万人が死んでいく。しかし、地雷をひとつ踏んだからといって、その場で即死するほど人間はヤワにはできていない。そこで心の一部を吹き飛ばされながらも、なんとか傷を癒し、また人間社会を生き抜いていかなくてはならない。傷は痛む。吹き飛ばされた何かを失ったことで自由が利かない。が、それでも人は生きる。これがつらい。古今東西の悲話とは概ねこの地雷を踏む話なのだろうと思う。

世界が完全に思考停止する前に (角川文庫)

森 達也 / 角川書店



愚者の道 (角川文庫)

中村 うさぎ / 角川書店



こういう本を買ってしまったわけだが、この森さんと中村さんの壮絶な記述を読んで、その痛さに目眩がする。要するにイタいという語感ではあるのだけれども、それを他者への揶揄としてはこれっぽっちも意味しない、気味の悪い共感としての、イタさ。

イタい、イタすぎる。

子供の頃から「常識を疑え」という言説に近しいものを感じてきたのだけれども、これは宿命でないのだとしたら、間違った事だった。常識を疑ってはならない。疑うとしても、一時の気の迷いとしてでなくてはならない。人は山野あるいは平原あるいは海原で自活する自信がなければ、決して常識を疑ってはならない。信じる者は、救われる。信じないものは、傷つけられる。傷つくことに耐えられないのであれば、常識を疑ってはならない。人として当然のマナーを守りましょう。

しかし、それが宿命に近いものだとすると、どうしても地雷を踏むことになる。あとは、地雷に吹き飛ばされつつも生き続ける術を学ぶ必要がある。これは、心が満たされている人間からは、決して学ぶことができない。どこかで、一部を吹き飛ばしてしまった人間だけが、その解答を模索する必要に迫られるのであり、必要に迫られなければ、解答も見つからない。解答が見つからなければ、死んでいく。死なないためには、生きる術を学ぶ必要がある。地雷に吹き飛ばされた傷口の治療法を知らなければならない。残念ながら、抗うつ剤は大した役には立たない。

中村さんの説によれば、「普通に生きられない」というのは、要は自己コントロールの甘さであって、それを「卑金属すら貴金属に変える賢者の石」の対極である、「貴金属すら卑金属に変える愚者の石」と呼ぶ。おうおう、タイプは少し違うけど、私も持ってますよ、その「愚者の石」とやらを。それを持った者はどうなるのか。「『表現者』になるか『犯罪者』になるか『廃人』になるしかない」らしい。まぁ、そうだろう。私はここである種の表現をして気を紛らわしてはいるものの、いずれは廃人になるような気もしている。

森さんはまた別の宿命を持っていて、それを「鈍さ」と表現する。今で言う、KYである。常識を疑ううちに、場に存在すべき常識を察知できなくなったのかもしれない。これも当てはまりますよ。常識を察知できる人間が、その能力に頼りすぎてはならないという意味で発せられた「常識を疑え」という警句を、常識を察知できない人間が得意げに「常識を疑う」などとやっているうちに、単に非常識な人として社会から浮き上がってしまう。乳化されない油滴のように。

なんだ、私は2発も踏んだのか、地雷を。痛ぇよぅ。痛ぇよぅ。でも、残ってる部分があるんで。まだまだしばらく生きて行きますよ。

傷口を観察すると、壊死し始めているのがわかる。が、傷口が徐々に小さくなっているのもまた、わかる。ときどき傷口をぶつけて血を流すが、普段はじくじくと血漿を滲ませる程度だ。ひどく痛むが、死にはしない。が、放置すればいずれ死んでしまうだろう。なんとか治療しなくてはならない。火で焼かなくてはならないかもしれない。死なないために。
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by antonin | 2009-06-01 03:04 | Trackback(1) | Comments(2)
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Tracked from うつ病のチェック at 2009-06-23 08:49
タイトル : うつ病のチェック
社会がどんどん複雑になっていくにつれ、心の病気にかかる人が恐ろしい勢いで増えつつあります。その筆頭に挙げられているのが「うつ病」です。 ... more
Commented by NAF at 2009-06-02 21:28 x
くだらなくてすみません・・・
タイトルを見て、どこぞの婿殿のことかと
一瞬ですが思っちゃいました☆
(いや、婿殿の場合は自爆か!)
Commented by antonin at 2009-06-04 22:52
毎度です。

なんですよ、たとえくだらなくても、この記事だけにコメントしてしまうあたりが、アレでソレでゴニョゴニョっすよ。(ちゅどーーーん!!)
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