安敦誌


つまらない話など
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人間とは謎である

やっと校正の時間が取れた。子供3人の養育というのは予想以上に身を削る行為だった。あと30年生きなければならない。これは義務だ。

もう、他人に理解されようとか、他人を理解しようとか、そういう無駄な努力は放棄する。無理なことに努力するほど無駄なことはない。何を行うか、ただそれだけを考えれば良い。

南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛

そう念じていれば心が落ち着く。人間では人間を理解することは到底不可能だが、大師様、観音様のようなバーチャルな存在を心中に置き、そのバーチャルな存在があたかも自分を理解してくれるがごとく念ずる。これが念仏であり、それをより視覚的に行うのが観念である、そういう当たり前のことにようやく気付いた。

人間には体がひとつしかないが、バーチャルな存在である大師様や観音様は念じ想う人の心の数だけインスタンスを持つことができる。この仏のインスタンスに縋ることで、我々は精神的な安寧を得ることが可能になり、したがって安定した言動を繰り出すことが可能になる。これにより、周囲の人間とのプロトコルを確保することが可能になる。信仰とはつまりそういうことである。

人間は結局他人の言動のみを見聞きして、言動のみを示す。心を通じ合わせることは、成人には事実上不可能である。物質的身体を持つ人間は現実的な諸々の拘束によって規定されており、自分と同容量の他人の精神をケアすることは現実的に不可能である。したがって、これを解決しうる方法とは、心の中に超越的な存在を仮定することで大脳辺縁系をコントロールする、信仰のみということになる。

これを知ることを悟りと呼んだのだろう。そして、苦行を終えていない凡夫は、悟りだけでは煩わしい悩みが消えて涅槃の境地に入ることはできない。つまり、習慣として、脳の反射的挙動として信仰対象を思い浮かべて感情の平静を取り戻す訓練が完了しなければ、安定した言動を繰り出すことができない。このため、自己コントロールの異常を持つ人間は、呼吸や視覚といった随意神経の制御によって自律神経系を制御し、そして結果的に感情を司る大脳辺縁系の発作的動作を抑え、定常的な人間間のコミュニケーションプロトコルを維持する訓練を重ねなければならない。こうした訓練を可能とする静寂を確保し、先人の認識転換技術集であるところの説話を堆積した空間として、この国には寺社仏閣が存在している。そういうことを理解した。

ゴータマ・シッダールタは、まず瞑想を行い、それに満足できず苦行を行い、それに満足できず仏法の悟りに至ったので、すでに訓練が完了した状態でこれらの内容を理解したのだろう。ヒッポのアウグスティヌスは、まずマニの教えに倣い、それに満足できずキリストの教えに倣い、それに満足できず新プラトン派の教えに倣い、ついに国教としてのキリスト教概念の構築に至ったのだろう。

人間に理解されることなく心の平静を保ち、人間との関係性の中に生命を存続する義務がある場合、信仰が必須になる。技法として完成され十分な資質を持ち、なおかつ現世社会とのプロトコルが確立している宗教に帰依することが、「中年の危機」を生き延びる唯一の方法に違いない。

生きる。人間はそれでも生きなければならない。
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by antonin | 2009-06-28 23:08 | Trackback | Comments(0)
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