安敦誌


つまらない話など
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にゃ

既得権益というと、それをあまり明確に持たない我が身としては実に妬ましいところではあるのだけれども、歴史をざっと眺めてみると、一生にわたって生存の安全が確約されている既得権益のバックアップによって多くの文化芸術が産み出されてきたという事実にちょっとだけ怯む。

文明とは既得権益を破壊して利益を大衆に拡散し、そしてそこから利益を回収するシステムを開発することによって新規権益を確立していく営みなのだけれども、新規権益が既得権益として固定化するまでの過程、つまり「熱い社会」では、文明が発展する一方で文化というのはズタズタになるまで消費されつくしていく。

文明が文化を消費しつくしてしまう頃には新規権益が成熟して安定期に入り、既得権益となって特定の人間の一生を賄う程度の装置として機能するようになる。そうなると権益装置を維持発展する方向ではなく、それを依存し消費する方向に意欲を働かせて、権益装置が機能低下する一方で後世にまで残るような優れた文化遺産を残す「お大尽」が一定比率で現れる。

既得権益から生じる富が独創的な文化を生み出す一方で、メンテナンスされなくなった権益システムがすっかり機能低下してくると、文明の外側に勃興した貪欲で活動的な集団が発生して既存の権益システムの弱点を破壊にかかる。すると文化は衰退するが、一方で既得権益の破壊と新規権益の創造という過程を経て新しい文明が成長していく。

こういう循環は有史以来飽きることなく繰り返されてきているのだけれども、日本史の少しだけ面白いところは、新しく勃興した文明が古い文明を完全に否定しきらずに、旧文明が無害な程度に衰弱すればその後は旧来の文明に一定の敬意を払っていくというような結末を好むように見えるところだろう。

大和朝廷は西日本を平定してエゾから土地を奪い続けたが、案外にアズマの文化には寛容だったし、蘇我氏が物部氏を打ち倒して仏教を国教としたあとも、先祖崇拝や自然崇拝には寛容であり続けた。仏教勢力の干渉に嫌気が差して南都を捨てた平安朝も仏教そのものへの排斥はしなかったし、平安朝の機能低下に嫌気して事実上の支配権を簒奪した幕府にしても、朝廷そのものを殲滅しようとはしなかった。鎌倉以降の幕府が示した源氏に対する扱いも似たようなものだし、明治政府が賊軍とした幕臣に対する扱いにしても似たようなものだった。

明治政府も大東亜戦争で壊滅したし、自由党と民主党の保守連合で生まれた自民党政治も民主党と自由党のよくわからない連合で生まれた民主党に負けて、ひとまず歴史上の役割を終えた。ただ今回は「次の体制」のあるべき姿が見えていないので、どちらかというと平安末期や室町末期のような乱れ方をするのかもしれない。

今回も列強の興味関心は中国やアフリカのような大陸が焦点になるだろうから、島国日本の状況など適当に「パッシング」してくれるだろう。国内で気が済むまで対立が進めば、80年後ぐらいにはいい感じの国家安康に落ち着くんじゃないだろうか。アメリカ伝来の自由主義も含めた重層的既存文化の尊重を飲ませた上で、華南あたりの勢力に統治を任せてみてもいいかもしれない。日本には「水・塩・森」という、生存には不可欠だがそれ自体は競争力にもならないという具合の資源が豊富で、領土として奪取するほどの魅力はないが、無人島とするには惜しいくらいの魅力にはあふれている。

スーパーコンピューターの価値も、国力の源泉とかそういう説得力に欠けるところに根拠を求めるのではなく、「道楽であり、ロマンである」ということをもっと正直に訴えてみればよかったのではないだろうか。個人的には京速なんかよりもWinnyみたいな「責任の所在が曖昧な情報処理システム」の理論研究みたいなものを進めたほうが日本的でよろしかったんじゃないかとも思うけれども。

とはいえ航空戦の時代が見え始めていたのに世界最大かつ最高性能の戦艦を作ってしまうのが日本人の粋であるのもまた確かなので、プルサーマル炉で発生した電力をすべて突っ込んで地球最大の演算能力を発揮する完全液冷式HPCシステムなんかを九州の沿岸地域に作っても面白かったかもしれない。データ伝送距離を最小化するのが集中型HPCシステムのキモなんだから、ついでに発電機も併設して電力伝送ロスも最小化してしまえばいいのだ。CO2発生量だけは少ないのが自慢の原子力発電だから、FLOPS/Wの電力比性能などクソクラエの素晴らしいシステムになるだろう。

カミオカンデだって最初はその理念が認められなくて、微小予算で無理やり作ったのがあとになって成功したのだから、スパコンだって同じようなことができないはずがない。国内より先に国際的評価が高まれば、予算はあとからついてくる。だってそういう国だもの。
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by antonin | 2009-11-21 11:42 | Trackback | Comments(0)
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