安敦誌


つまらない話など
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時間軸の距離感

2010年。後ろを振り返り、25年ほど先に、1985年が見える。バブル華やかかりし頃で、それも爛熟期の退廃ではなく、まだ今後に対する期待の大きかった、上り坂の最大斜度という辺り。

筑波で科学万博が行われていて、当時リアル中二だった私は夏休み最大のイベントとして現地に乗り込んだものの、農協ツアーの老人力に恃んだ長蛇の列に跳ね返されて、十分満足できるほどには見物できなかったという思い出がある。

嘱託というシステムによって2007年問題を遅延させた団塊の世代から見る1985年というのは、まだ40歳くらいだった自分たちの黄金時代として輝いて見える光景なのだろう。

1985年に立って後ろを振り返り、やはり25年先を見ると、1960年が見える。1964年の東京オリンピック開催を控え、東海道新幹線、首都高速が建設中で、東京タワーは一足先の1958年に完成したばかり。国産車が時速100キロ走行可能な品質をそろそろ身に付け、特急こだまが狭軌における最高時速163キロを実現する、そういうスピード感。

1985年というのは、そういう高度経済成長の黄金期に壮年期を過ごした老人が権力の中枢に座る中で、夢よもう一度という具合で権力を発動したのだから、あのような経済になるのはある意味当然だったのかもしれない。そういう流れに乗った壮年は企業戦士として果敢に戦ったし、流れに抗った壮年は「マルサの女」や「風の谷のナウシカ」という作品で時流に抗議した。

自民党は正統派企業戦士のための政党だったから、当然に企業幹部との連帯感を持っている。一方で、「でも・しか」教師や、似たような記者・ライター業に身をやつしていたかつての革命戦士も、長い雌伏の時から目を覚まして民主党に圧倒的な支持を送っている。

2010年現在、日本中がそういう戦いに巻き込まれているような状況になっている。かつての巨人阪神戦のようなもので、今の壮年の中には自民・民主両チームの熱心なファンが多い。一方でそれが所詮エンターテイメントとしての戦いであることも、たいていの人が理解している。理解した上で、大声を張り上げての応援合戦を楽しんでいる。

2020年になるとどういう日本になっているだろうか。2020年に立って後ろを振り向き、25年先を眺めると、見えてくるのは1995年だ。日本は「失われた十年」がまさに失われつつある最中で、グズグズと崩れ落ちる経済に足元をすくわれている。年頭のニュースは、都市から炎と煙が上がり高架道路が横倒しになる異様な風景だった。住宅地や地下鉄には猛毒がばらまかれる。

そういう緩慢な撤退戦を現場で戦っているのは、団塊世代に振り回された「しらけ世代」の先輩と、高度経済成長の盛りに生まれた「新人類」の後輩。またしても勢いだけで動く上の世代の後始末を任され、バブル景気に入社した部下を動かしながら、絶望的な戦いをしている。

そういう世代が老境に差しかかって権力を手にしている2020年。彼らが対応している主要な政治問題は、やはり団塊世代の置き土産である、コントロール停止寸前の累積債務と機能停止寸前の年金と消滅寸前の教育環境。彼らは誰もが最善を尽しているが、それが明るい成長のためではなく衰退を悲劇にしないための殿戦(しんがりいくさ)であることを、これまでの経験から肌身で知っている。

現場を切り盛りしている現役世代は、バブル期に入社した50代リーダーと、就職間氷期に入社した30代サブリーダーたち。ここから25年先を眺めると、80歳近辺の元老と60歳近辺のエグゼクティブが日本を動かしているのか、あるいは氷河期世代が最後の復讐を果たしているのか、そこまでは見えてこない。見えているのは、団塊の世代は100歳近いおばあちゃん軍団として元気闊達としているのと、60代後半になった団塊ジュニアは愚痴ばかり多い困った老人として若い世代に疎まれているという、そういうことだけ。

安政の大獄から明治政府初代内閣発足まで約25年。日露戦争終結から満州事変勃発まで約25年。時代の空気が循環するサイクルがあるとすれば、人間の寿命と年齢ごとの役割からしておおよそこの程度の周期になるのではないかという気がする。

日本史の中の2010年を考えると、人口減少問題なしと見る攘夷派と、労働力の移入は避けられないと見る開国派の均衡が動き始める時期に当たるように見える。定住外国人の権利を尊重するのが民主党、批判するのが自民党だと見てもいいのだけれども、明治以来の薩長土肥利権と都市住民の対立であるとか、アメリカと中国の両帝国による大陸東岸諸国の取り合いであるとか、そういう内外の綱引きもおそらく重なっていて、話はもっと面白いことになっている。

まあどちらにしても山の上の雲をつかむような話なので、せいぜい観戦を楽しむことにしたい。
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by antonin | 2010-02-22 13:42 | Trackback | Comments(0)
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