安敦誌


つまらない話など
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雑草をめぐる冒険

現在の住まいは、育児環境を優先してヨメの実家に近い位置にある。ときどき実家からお義母さんが来て家事育児を手伝ってくれるのだけれど、お義母さんは看護師として現役勤務しているので、シフト勤務の合間を縫っての来訪ということになる。その職は若い頃から一貫していて、ヨメが子供の頃も状況は同じようだった。そこでヨメの面倒を見ていたのは、ヨメの父方のお祖母さんだった。

そのあばあちゃん、コドモたちから見るとひいおばあちゃんになる人が、やはり近所に住んでいる。今年で満九十になったがカクシャクとしていて、家が取り壊しになってしばらくは娘の家に居候したりしていたが、いろいろと窮屈で先日から一人暮らしを再開した。居候していたころは車で45分くらいの距離だったのが、一人暮らしのアパートは車で10分、自転車でも30分くらいの距離になった。

そのアパートは江戸川の土手に程近い場所で、この夏になってから、コドモたちの花火あそびの場所を借りるのも兼ねて何度か訪ねていた。自宅の近所だと駐車場の隅や花火禁止の宅地公園や路地裏で強行するしかなく何かと面倒だったので、広々とした土手沿いで遠慮なく花火ができるようになったのは助かった。川沿いは風の通りがいいので、着火が少し難しいのが困るが、それでも住宅密集地で煙の行き先を心配しながら遊ぶよりはずいぶんとマシになった。

先日もムスコ1号をおばあちゃんの家に預けていて、夕方に自転車で迎えに行った。そこで適当に話を聞きながら家に帰る準備をしていたら、ちょっとアルバイトを引き受けて欲しいと言われた。人に小遣いを渡すのが好きな人なので、その口実に過ぎないのだが、アパートの駐輪場の脇にある、小さな植え込みの雑草を抜くというだけの作業だった。

夏至から一月しか経過していないので外は明るかったが、それでも夕方の6時は過ぎていたので、雑草を引き抜くとその影に潜んでいた蚊の群れが飛び出して、肌を露出している私やムスコ1号の周りをブンブンと飛び始めた。あわてて、ムスコには風の通るところで走りまわっていろと命令したが、それでも数ヶ所は刺されてしまった。その辺りの蚊は毒が強くて、刺されると数日腫れあがるので厄介なのだ。その後は雑草半分、蚊を払うのが半分というような作業状況になってしまった。

そういう具合で蚊の方も恐ろしい状況だったのだが、事前に伝えられていた言葉よりは平穏な結果だったので良かった。作業の準備中におばあちゃんが言うには、「雑草抜くっても、猫の死体くらいしかないからさぁ」ということだったので、そういうものを発見せずに済んだだけいいだろう。

というのはまぁ冗談で、勘の良い人にはわかるだろうが、この話にはオチがある。宮城と岩手の境あたりにある港町唐桑出身のおばあちゃんの言葉はときどきそちらの方言が混ざるのだが、基本的に東京の言葉になっている。東京の言葉と言っても、おばあちゃんが上京した戦前のこの辺りの言葉は、放送仕様の標準語でも山手言葉でもなく、下町の江戸言葉だった。そういう具合で、「猫のシタイ」というのは「猫の額(ひたい)」の意味だった。偶然そのアパートの周囲には野良猫が多く、一瞬ギョッとしたのは確かだが、さすがに作業前には意味が理解できた。

江戸っ子にかかると美しき青きドナウも「ドナウはシロイ(広い)なぁ」となるようだが、「猫のシタイ」には参った。ちなみにオホーツク沿岸の枝幸という町の出身のお義母さんも、上京して覚えたのがやはり下町言葉で、ときどき「ヒ」が「シ」に化ける。ムスコ1号もそういう親戚筋にかかると、「シロちゃん」などと犬のように呼ばれたりする。ちなみにヨメも子供の頃にはそうした言葉を話していたらしく、中学に上がって"he"と"she"の発音に苦労したと言っていた。

蛇足だが、金沢の方に「猫シタイ」という地名があるらしい。今回の一件と何か関係があるのだろうか。

石川県金沢市大桑町三小牛町猫シタイとは - 住所・郵便番号 Weblio辞書
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by antonin | 2010-07-21 22:42 | Trackback | Comments(2)
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Commented by dankkochiku at 2010-07-23 21:18
東京言葉は標準語と自惚れている東京人、相変わらずヒとシは苦手。7対0は、ヒチ対ゼロ。冷やし中華はシヤシ中華。 方言は地元民の人柄を現すといいますから、大事にしたい気もしますが‥。
Commented by antonin at 2010-07-25 01:01
コメントありがとうございます。

私は東京言葉を話すんですが、言葉を覚えた頃は早稲田の辺りに住んでいたので特段特徴のない言葉しか話せず、何でもいいから出自を体現するような特徴のある言葉を持っている人は羨ましく思います。
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