安敦誌


つまらない話など
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巨大数への冒険

徹夜明けで頭がおかしい。勢いで、久しぶりに理数系ネタを。

2+2=4
2+2+2=6
2+2+2+2=8

このように同じ数を繰り返し加算するのを省略して書くと、

2x2=4
2x3=6
2x4=8

という具合に乗算になる。

2x2=4
2x2x2=8
2x2x2x2=16

このように同じ数を繰り返し乗算するのを省略して書くと、

22=4
23=8
24=16

という具合に指数関数になる。こうやって数学には新しい関数が追加されていくのだけれど、大きな数を扱うのにはだいたい指数関数で用が足りるらしく、それ以上の関数というのは滅多にお目に掛からない。しかしそういう関数が存在しないのかというともちろんそんなことはなく、素人が思いつく程度の関数はすでに用意されている。

テトレーション - Wikipedia

指数関数を自然数回繰り返した関数を、tetrationと呼ぶらしい。Wikipediaの記述によれば特に意訳はなくてテトレーションと音訳で呼ぶらしいが、tetra-はギリシャ語で4の意味なので、漢訳すると「四算」とか「丁算」という具合になるだろう(「丁」は甲乙丙丁の4番目)。ただしあまり実用的な関心は寄せられていないらしく、数学的記号法も統一されていない。

tetrationが出てくれば次は当然tetrationをn回繰り返したpentation的なものも考えられる。となると、このように繰返し演算の繰り返しで次の演算を作り出すというステップ自体を、自然数回繰り返して得られる演算という一般化を考えたくなる。そういうものにもちゃんと名前が付けられていて、Wikipediaによると「ハイパー演算」と呼ぶらしい。

ハイパー演算子 - Wikipedia

指数関数や階乗計算などは独立変数の定義域が複素数域まで拡張されていて、それぞれ超越関数としての指数関数やガンマ関数が用意されている。同じような具合で、自然数から自然数への写像であるハイパー演算そのものはどれも初等関数になるけれども、可能性としてはおそらく指数関数と同様に実数域や複素数域への拡張ができるのだろう。

ただ、テトレーションでも既に十進表記を諦めたくなるような勢いで猛烈に増加する関数なので、それ以上のハイパー関数を人間の想像力が扱えるのかという疑問はある。ただし、楕円関数と有理数の関係のように何かの証明に利用できるなどという話になれば、プロの手にかかって猛烈な勢いで関数の性質が暴かれていくような気もする。

折角なので、2のpentationで3というのを計算してみることにする。Wikipediaにあるハイパー関数の記法を利用すると、

hyper(2,5,3)

という表記になる。まずはこれをテトレーションまで落としてみる。元の数はあくまで2で、これをテトレーションするという演算を3回繰り返すわけだが、テトレーション2なのかテトレーション3なのか、あるいはテトレーション1なのか。分からなくなってきたので加算と乗算の関係をハイパー演算記法で書いてみる。

2x3
= hyper(2,2,3)
= 2+2+2
= hyper(2,1,1) + hyper(2,1,1) + hyper(2,1,1)
= hyper(2,1,1) + hyper(2,1, hyper(2,1,1) )
= hyper(2,1, hyper(2,1, hyper(2,1,1) ) )

この方法だと乗算と指数関数の関係もうまく書ける。面倒なので書かないけど。これに従うと、2 pentation 3は次のようにテトレーションに落とせる。

2 pentation 3
= hyper(2,5,3)
= 2 tetration 2 tetration 2
= hyper(2,4, hyper(2,4, hyper(2,4,1) ) )

次に、これを指数関数に落とす。繰り返しが1回というのは演算は一度も行わないということなので、

hyper(a,n,1) = hyper(a,n-1,1) = hyper(a,1,1) = a

ということになる。2の1乗は2だし、2x1も2だし、(0+)2も2になる。よって、

hyper(2,4, hyper(2,4, hyper(2,4,1) ) )
= hyper(2,4, hyper(2,4,2) )

まず内側のテトレーションから片付けると、hyper(2,4,2)というのは2の肩に指数を乗せて2段積みにするいう意味なので、普通に22になる。これは2x2に落とせて4になる。よって

hyper(2,4, hyper(2,4,2) )
= hyper(2,4,4)

これも同様に、2の肩に2が3つ乗って、全部で4段積みになっている。これをHTMLでうまく表現できるかわからないが、強引に記述すると2222となる。あとは上から順に指数計算をしていく。

hyper(2,4,4)
= 2222
= 224
= 216
= 65536

おや、思ったほど巨大数にはならなかったな。折角だから2 pentation 4を計算してみるか。今度は上記プロセスを一気にやってみる。

hyper(2,5,4)
= hyper(2,4, hyper(2,4, hyper(2,4, hyper(2,4,1) ) ) )
= hyper(2,4, hyper(2,4, hyper(2,4,2) ) )
= hyper(2,4, hyper(2,4,4) )
= hyper(2,4,65536)

...うげっ、2の65536段積み指数関数? もはやHTMLで書こうという気すら失せますね、こりゃ。一応^記号を使って指数表記すると、

2^2^2^2^2^......^2^2^2^2^2

という形になって、この2が全部で65536個あるという。おそらくこれはグーゴルプレックスよりはるかに大きな数字になるんでしょう。あ、pentationの説明と計算例がWikipedia英語版に載ってるよ…。まぁ、計算合ってたらからいいか。

Pentation - Wikipedia, the free encyclopedia

ちなみにこのハイパー演算にも指数関数に対する階乗関数のような姉妹演算があって、アッカーマン関数というのが定義されているようです。

アッカーマン関数 - Wikipedia

Wikipediaの記述にある表を見ると、

hyper(2,5,4) = A(5,1) + 3

になるみたいです。この大きさの数で差が3というのがなんとも微妙で面白いですが。量子コンピュータが実用化される時代の暗号化理論などでは、ひょっとするとこういう鬼のような関数が乱れ飛んでいるかもしれません。太陽質量のフェルミ粒子を全て計算につぎ込んでも宇宙年齢程度の時間を要する計算安全性とか、そういう恐ろしい話。

関連ページを読むと他にも色々と面白いネタが転がってますね、この周辺には。

グラハム数 - Wikipedia
不可説不可説転 - Wikipedia
巨大数 - Wikipedia

このあたりになると宇宙スケールの数字が小さすぎて話にならないとか、そういう世界になるらしい。数学恐るべし。日本の塵劫記の巨大数記述が日本人の自慢ですが、「恒河沙(ガンジス川の砂粒の数)」とか「阿僧祇(数えきれない)」とか「不可思議(考えつかない)」とかいう仏典由来の言葉を引いて順序付けただけみたいです。

那由他 - Wikipedia

tetrationとかpentationを、無限級数なんかを使って複素数域まで拡張してみるとなかなか面白いことになりそうですが、そういう能力はないのでこれにて結。

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本日の異口同音:「きのえねランド」(3件)

漢字で書くと「甲子園」。
甲子園 - Wikipedia
一帯は、その中核である大運動場が1924年に開設され、その年が干支でいう甲子の年であったことから「甲子園」と名付けられた。
だそうで。ちなみに今年2010年は「庚寅(かのえとら/こういん)」だそうです。(2010年の干支より)

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(続編)
続・巨大数への冒険 : 安敦誌
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by antonin | 2010-08-10 11:51 | Trackback | Comments(0)
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