安敦誌


つまらない話など
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熟練

ロウソクに火を灯す。その火を使って線香に火をつける。たったそれだけのことなのだけれども、長く続けていると何かしらのノウハウが身に付く。人間というのは妙なものだと思った。

線香に火をつけるときには、最初に炎にかざして火を移さなければいけない。そうすると、普通は線香の先に炎が移る。その炎とは、線香の香りの成分を含む煙を完全燃焼させてしまうものなので、香りを発するためには炎を消さなくてはならない。この時に、大陸の方ではどうなのかは知らないが、我が国ではいろいろと作法がある。息を吹きかけて吹き消すなどというのはもってのほかで、線香を振って炎を消すのが幾分マシで、手扇であおいで消すのが一番行儀が良いとされている。

私は天邪鬼な性格なので、どうも作法通りに炎を消すのが癪に障る。そこで、そもそも線香に炎が移らいような火のつけ方を試してみた。ロウソクの炎の温度が一番高いのは、炎の一番明るい部分ではなく、炎の先端だということは知識として知っていた。炎の明かりの消えかけた部分が一番高温なのだとすれば、そのさらに先の方も相当温度が高いはずだということがわかる。そこで、線香の先をロウソクの炎の先端から少しずつ離してかざしてみる。

いろいろと試してみた結果、ロウソクの炎の先端から4~5センチほど離したところに、5秒前後、線香の先をかざしていると、だんだん煙が出てきて、ついには先端が赤く灯ることがわかった。気が急いでロウソクの炎に近づけてしまうと、炎の先端からは4センチほど離れていても、線香の煙は突然発火して炎に変わってしまう。

そういう事を何度か繰り返しているうちに、だいたいは炎を出すことなく線香に点火できるようになってくる。そういう事ができたとして、あくまで炎を移してからそれを消すというのが作法なのだから、炎を出さずに線香に火をつけるということは結局のところ無作法でしかない。そうなのだけれども、そういう無駄なことにまで人間は熟練してしまう生き物なのだということを感じて、少しだけ感心した。

人間の社会というものは、そこに生きる個々人が持っている知識と熟練によって動いているのだけれども、そのうちのかなりの部分が、実はどちらかというとどうでもいいような、しょーもない種類の知識や熟練によって構成されているんじゃないかという気がしてきた。そして、そういうしょーもない熟練も、実は重要な種類の熟練の下支えをしていて、下らないからと言って取り除いてしまうと、案外社会が回らなくなるような、そういう性質のものでもあるんじゃないかという気もしている。

子供は真面目な勉強よりも遊びを好むものだが、それというのも、しょーもない熟練をいろいろと試してみるための準備期間なのだろうと思って、楽しみながら眺めている。
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by antonin | 2011-04-06 01:19 | Trackback | Comments(0)
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