安敦誌


つまらない話など
by antonin
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CQ CQ seek you

日本語には「反りが合う」という言葉がある。木の板を組み合わせて何かを作ったとき、木が乾燥していくにつれて板は反っていくのだけれども、木目をよく読んで性質の近い板を組み合わせると、同じように反っていって、変形しつつも製品は機能を維持していく。こういう板の組み合わせを反りが合うと言ったらしい。反対に板の反りが合わないと、隙間は徐々に広がっていき、製品はガタついて使い物にならなくなる。反りが合うとか合わないとかいう言い回しは、そういう意味での相性の良さを示す比喩だった。今では木工製品を日常使う機会も格段に減り、比喩表現のほうだけが残った。

こちらは輸入語だと思うのだけれども、「波長が合う」という言葉もある。今では周波数という言葉を使うけれども、電波にはそれぞれ振動数があって、秒速30万キロという電波の速度をこの振動数で割ると、波長が求まる。この波長の大体半分くらいの長さの電線を用意すると、そこで電波が共鳴する。そういうアンテナの片側を省略して、長さをさらに半分にしたのが一昔前の携帯電話についていたアンテナで、そういう携帯電話が使っていた電波の波長は、あのアンテナの長さの大体4倍くらいということになる。

最近ではそういうアンテナも無くなってしまい、高誘電率の誘電体に描いた銅箔パターンで作られた小型内蔵アンテナになってしまったので、日常生活で電波の波長を意識できる機会というのは少なくなった。しかしラジオが普及を始めた20世紀の前半には、複数の電波が混ざり合った中から波長を頼りに目的の信号を選び取るというプロセスが、時代の最先端を感じさせる技術だったのだろう。アンテナで大まかに選別された信号は、共振回路に入ってさらに精度よく選別される。コイルの鉄心やコンデンサの電極をダイヤルで動かしてラジオの選局をしながら、一般市民も電波の性質の一端を体感していただろう。

おそらくそういう時代に生まれた言い回しが"in tune with"というものであり、それが翻訳されて日本に入ってきたのが「波長が合う」という表現だったのだろう。最近の若い人達はラジオの存在を知らなかったりするらしいから、「波長が合う」という言い回しも技術的な背景が薄れて表現だけが残り、「反りが合う」という言葉に似た位置に移りつつあるのだろう。

iTunesなどというサイトもあるが、英語圏の人達はこの名前からどの程度まで"in tune"の語感を感じ取っているのだろう。この手のサイトに限らず、ネット上にはありとあらゆる雑多な情報があって、そういう情報の海の中から、自分に固有の感覚に「共鳴」する情報だけを上手に選び取りながら、情報の洪水を防がなくてはならない。情報が乏しかった時代には、どれだけ大量の情報に接することができるかという面が強みになったが、情報過剰の現代では、どこまで上手に情報を選別し、受け止める情報をいかに限定していくかという、まさに"tuning"技術の優劣が重要になってきている。

ひところまではgoogleがそういう役割を果たしていたが、最近ではソーシャルメディアがその手の役割を担っている。まず人間を選別し、選別した人間たちが選別した情報を中心に受け取ることで、結果的に自分の感覚に合った情報をtuningするというような仕組みが一般的らしい。

まあそうらしいのだけれど、個人的な話をすると、どうも自分の感覚と波長の合う人物というのは流行のソーシャルメディアに飛びつく率が低いらしく、その手のメディア上で人間の選別をする段階で、サンプルの不足という障害に直面してしまう。探し方が悪い、という面はもちろんあるのだろうけれども、ややSETIに似た不毛さを感じることもある。ありふれたラベルを自分に貼れば良いのだろうけれども、それではやはり、どこかtuneしないのだよな。
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by antonin | 2011-05-14 18:54 | Trackback | Comments(6)
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Commented by tel at 2011-05-16 15:52 x
全然関係ないけど、次回、これ解説して下さい。
http://chaos2ch.com/archives/2700119.html
Commented by antonin at 2011-05-17 02:17
ゲーム理論か。まともな計算をするには条件設定がもう少し必要になるのかな。

ゲームは1回っきりなのか、それとも複数回で賞金を積み上げていくのか。
複数回なら回数は一定回数なのか、あるいは何かの条件を満たすまで続くのか。
相手は同じなのか、毎回変わるのか。
毎回変わるなら、相手の過去の手を知ることができるのか(相手の戦略情報を得られるのか)。
あとは、目的として自分の獲得金額だけを気にする(大金が得られなくても手ぶらで帰るわけにはいかない)のか、他者の獲得金額との優劣を気にする(上位しか賞金持ち帰れないから上を狙うしかない)のか、とかも。

そのあたりのルールが固まれば計算できるかもしれない。あんまりそういうの得意じゃないけど。
Commented by antonin at 2011-05-19 23:40
簡単なケースを計算してみた。

勝負が1回っきりで、プレーヤーが完全に合理的で心理的バイアスがないとすると、チョキを出す確率が90.09%、パーを出す確率が9.009%、グーを出す確率が0.9009%で期待値が均衡する。このときの期待値はどの手でも90,090円。

プレーヤーに一攫千金志向とか安全確実志向とか嫉妬深さなどの非合理的な心理的バイアスがあると、その影響で均衡点は移動する。

複数回の順位を争うようになると、相手に1000万取らせるのは致命傷になるからグーを出す確率は更に下がって、プレーヤーの期待値はより一層下がり、1ゲームあたりの胴元の損失はより一層低下する。(チョキ同士の引き分けが増える)
Commented by antonin at 2011-05-20 00:28
上記均衡点は完全競争市場のようなゲーム。

協力プレーが許されるなら逆にチョキという選択肢はなくなって、プレーヤーはグーかパーを50%ずつの割合で出し、期待値は250万円。ただしこのとき相手が裏切ってチョキとパーを50%ずつ出すと期待値は300万円になるので、協力協定なしでは均衡点にならない。業界内談合はこのタイプのゲーム。

山分けが許されるならもちろんグーパー固定で500万円ずつ得るのが最高利得になる。公共事業を特定事業者に高額で発注してバックマージンを取るのはこのタイプのゲーム。一方的に搾取される「胴元」は納税者。

最高賞金を極端に高額にして、合理的確率計算から利益の上がる参加料金を設定し、心理的バイアスから参加者に利得があるように見せるゲームが宝くじや保険商品。
Commented by tel at 2011-05-21 15:54 x
ども。

チョキが出る確率が90.09%
パーが出る確率が9.009%
グーが出る確率が0.9009%

・・・というようなコンピュータプログラムを作って、そのプログラムに何を出すか決めてもらうのが一番合理的ってこと?
Commented by antonin at 2011-05-21 17:18
ども。

プログラムに決めてもらうのが一番合理的っていうよりも、人間が簡単に行動を予測できるような、確率計算で一番良さそうな手を出すプレーヤーだけでゲームが進むと仮定すると、自然とそういう比率に落ち着きますよ、という話。

実際この期待値に収束するのって「無限回の」ジャンケンをしたときだし。相手の行動を読むことが出来るような相手の行動を読みながら数回のジャンケンをするような現実的な状況だと、計算で求まるような簡単な答えはないから、勘と運のいい奴が勝つ。それだけ。

どうしても知恵を絞って勝ちたかったら、談合なり癒着なりをしてルールを適度に破るとか新ルールを導入するとかメタな戦略を使うこと、というのが結論。
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