安敦誌


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美しすぎる国、日本

家族で長野旅行だったり、単身部屋の転居だったり、いろいろと疲れた。が、心地よい疲れの部類だったので良かった。単身部屋はまだちょっと荒れ気味。もう少し整頓しないとな。

--

「美人すぎる××」というのを一時期よく目にした。で、いつも、この手の言葉が含み持つ悪意に苦笑してしまう。この「美人すぎる××」という表現を、もう少し噛み砕いて書くと、「××にしては美人すぎる人がいるぞ」となる。つまり、絶対評価として取り立てて美人というわけではないのだけれど、「××」と「美人」というのは感覚的に合わないのに、でもその人はそこそこ美人であって違和感がある。そういうときに使われるニュースタイトルが、「美人すぎる××」となる。

「代議士」なんかは功成り名を遂げた老人が立候補したり、セックスアピールで幸せを得られなかった女性が人間としての尊厳を取り返すために立候補したりするものであって、若くて美しい女性の出る幕ではない。そういう先入観があって、そこに売れないタレント程度の外見を持った人が現れると、それはもう「美しすぎる代議士」となってしまう。「海女」なんて伝統的で高齢化が進んだ職業などもそういう先入観に支配された領域だし、美しさよりパワーと技術が優先されるスポーツの世界も同様である。

「犬が人を噛んでもニュースにならないが、人が犬を噛むとニュースになる」という格言があって、「美しすぎる××」というのも、そういう意外性がニュースバリューになっている。これはまぁ、大衆の本質みたいなところなので仕方がない。そういうニュースネタに対して、「美人すぎるってほど美人じゃないだろ」みたいなツッコミは、ネタにマジレスというか、無粋なのだろうと思う。

同じように考えて、欧米からの旅行者が日本を指して「清潔で快適」と評価しているのを聞いて日本人が喜んでいるのを見ると、ちょっと違うんじゃないかと思う。つまり、欧米からの旅行者は、よっぽどの日本愛好者でもない限り、アジアの中の一国として日本を訪れる。日本人旅行者がヨーロッパの中でたまたまロンドンを訪れるのと同じような感覚で、アジアの中でたまたま東京を訪れる。

そういう旅行者が東京を見て「清潔で快適」と言うのは、「(アジアの都市にしては)清潔で快適」という但し書きが暗黙のうちに入っていると思ったほうがいいのではないか。私は合衆国を訪れたことはないが、イタリアの観光地は見たことがあって、そこには電線なども張られていないし、都市のすぐ外には美しい自然が広がっているし、日本の都市よりはるかに美しい。そういうヨーロッパの都市を知っている旅行者が東京を「清潔」と評したのだと喜ぶよりは、所詮東京も「アジアの一都市」に過ぎず、ニューデリーや北京と同等の扱いを受けているのだと、冷静に考えたほうがいいのだろう。

まぁ健全な自信というのは大切なもので、自虐的だったり卑屈であるよりは美しい心の持ちようではあるのだけれども、思い上がりよりは謙虚を美徳とするのが日本人の矜持だとすれば、一見ポジティブな評価に対して、あんまり舞い上がらない方が良いのではないかとも思う。

沖縄などで基地から出てきた軍人が犯罪を起こすと、米軍から日本の警察に身柄が引き渡されないと言って騒いだりするのだけれど、国際的に見ると日本の警察の取り調べというのは「拷問」の範疇に入る前近代的なものとみなされていたりして、そういう野蛮な国の警察に自国民である兵士をみすみす渡したりしないというのは、理性的な近代国家として当然の国民保護責任の遂行に過ぎない。米兵の散発的な犯罪行為が良いとは言わないが、なぜ米軍が日本の警察に捜査権を委ねられないのかという事情なんかも省みる必要がある。

「美しい国」を目指すのは美しい心掛けなのだけれど、「美しすぎる国」と呼ばれてしまったら、ちょっと怒ってみるくらいの傲慢さがあってもいいのだろうと思う。「脱亜入欧」を是とも思わないのだけれども、「(アジアにしては)優れた国家」という褒め言葉の中の、カッコ書きの部分に関する感受性みたいなものは持ち続けている必用があるのだろうと思う。
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by antonin | 2012-08-19 20:12 | Trackback | Comments(0)
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