安敦誌


つまらない話など
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必要悪としての正義

暴走トロッコの議論なんかがあって、正義が論じられる。個人的に、正義というのは主観的なものであって、客観的に答えが出る性質のものではないと思っている。だからこそ主観的に決着するための議論が必要になってくるのだけれども。実は、数学的論理でさえ、ある種の主観の延長なんだと思っているが、それはまた別の話なので省略。

歳を取ると、言い訳が多くなる。多くなるだけではなくて、言い訳が上手になって、あからさまな破綻を見せることが少なくなる。子供の言い訳というのは見え透いていて、教育の義務を負った大人たちにその言い訳を指弾されるのだけれど、大人の言い訳というのは大人を超える超越的な知性によって見透かされる機会というのは少なくて、どちらかというとお互い様という空気の中で消極的に承認されていく。

自分の弱さに言い訳をするのは感じの悪い態度ではあるのだけれども、言い訳もできずに自責の念に苛まれて暴れてくれるよりは、適度な言い訳で自分をごまかしてくれる方がずっと扱いやすいという事情があって、まあ、どちらかというと必要なものなのだろう。こういうものを必要悪と呼べるとすると、国民が遍く守るべき正義というのは、国家が強権を以って人の生活や財産や生命を支配するための、うまい言い訳であり、それもまた必要悪だと呼べることになる。

国家に正義がなければ、国家権力を執行する人間は自責の念に苛まれ職務を遂行する意欲を失い、組織は自律を失う。国家が自律を失えば、結局別の国家によって支配されたり、あるいは小さな権力が乱立したりして、社会は乱れる。ミクロな視点で言えば正義というのは個人を支配するための言い訳なのだけれども、マクロ的に言えば、社会の秩序を守り国民の生活の基盤を守る原動力になる。

正義に論理的解を見出す根拠というのはおそらくなくて、必要なのは説得力だけということになる。感情を揺り動かす力が最大にして唯一の力ということになる。もちろん、マクロな秩序を守るという大目的に反してもいけないが、それは説得力の前にはもはや二次的なものでしかない。ただ結果として、ある正義がマクロな秩序を明らかに乱したとすれば、それが説得力に欠ける主張として人々に記憶される。

合衆国のケネディ大統領が暗殺されたのと、古王国のクフ王の歴史的痕跡が抹消されたのには、いくらかの共通点があるような気がしている。彼らは説得力のある正義を唱えて、それは国民の共感によって人類史に残る偉業を達成したのだけれど、その成功によって正義の暴走を招き、結局は正義に共感した国民に後悔の念を引き起こしたというのが、だいたいの事情なのではないかと思っている。

どのような正義にも三分の理があって、どのような正義も純度を高めすぎれば毒になる。純度の高まりすぎた正義を薄めるための補色のようなものが、その時代に求められる正義ということになる。選挙が近いというけれども、なんとなく気分が乗らないのは困ったことだと思う。短期的に、何か鋭い正義を処方する必要があるのかもしれない。
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by antonin | 2012-11-20 00:51 | Trackback | Comments(0)
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