安敦誌


つまらない話など
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デフレの終わりの始まり

最近なんとなく、長かったデフレの時代の終わりが近づいている感じがする。

まず、円がドルやユーロに対してジリジリと値を下げている。この要因は日銀への追加緩和圧力だとか自民党政権への期待だとかで説明されているが、そのあたりの心理的要素がいまさら効いてくるとは、どうも思えない。もっと単純に、日本の構造的な貿易黒字体質が消えつつあるのが原因としてもいいように思う。

東日本大震災の影響で福島第一原発が盛大に爆発し、そして民意も盛大に爆発し、すでに燃料棒に仕込んである燃料を電気エネルギーに変換することを暗に禁じられている。しかも、この傾向は原子力エネルギーの縮小方向へと向かっている。とすると、メタンハイドレートなどの国内燃料の開発が十分に進むまでの期間、天然ガスなどの輸入を大幅に拡大していくことが必至になる。そうすると電力価格も上昇し、いくらエコとはいえ、発電所にエネルギー転換を依存する電気自動車の普及にもブレーキが掛かるだろう。そうすると、当面は原油の国内需要も高止まりを続けることになる。

今後、日本はもっぱらエネルギー資源の輸入によって貿易赤字体質が慢性的に続いていく。ある程度円安に振れると、そこで輸出額も増大するだろうけれども、なにしろ産業の血液である電力価格がかなり高騰するはずなので、工業的な産品のコストは、円安の効果を打ち消す方向に働いてしまうだろう。ソフト製品であれば、そういう問題は軽減されるにしても。

日本のデフレの最大の要因はプラザ合意によってドル追従型の為替が禁止された影響だと思うけれど、ここまで長引いてしまった要因というのは、どうしても隣国に抱えた「世界の工場」からの、安い労働力を背景にした馬鹿みたいに安い工業製品がもたらした価格破壊だろう。そして今、その中国の労働力も相当に高コストになっており、ある程度自由のきく企業は、より賃金水準の低いタイ、ベトナム、ミャンマーなどの東南アジア各国へとシフトを続けている。しかし、こちらも工場の流入と貿易黒字が累積してくると、近い将来にコストメリットが飽和してくるだろう。

その先にはインドが世界の工場を担う時代が来るとは思うけれども、上海あたりから日本海を渡るだけで日本市場を直撃していた頃に比べると、インドというのはやや距離がある。マラッカ海峡よりあちらに工場が移れば、日本もいくらかその影響から解放されてくるだろう。先進国でこれほどデフレを続けているのは日本だけだ、なんていう指摘もあるが、中国との地理的な貿易距離がこれほど近い先進国は世界でも日本だけだ。まあ韓国もあるけれど、あちらの国内市場というのはちょっとアレなので、分けて考えてもいいと思う。韓国も近いうちに人口ボーナス期間が終わるので、その時にどうなるのかというのは少し心配があるが。

そういうあたりを考えると、アジア由来の産品の価格破壊力が、かつての猛威に比べて徐々にマイルドになってくるのだろう。牛丼の安値競争も一息ついたし、マクドナルドもセットメニューへの回帰を急速に進めていて、ユニクロの商品も今ひとつお値打ち感がない。デフレの牽引役であったような大量消費財が少しずつ値を上げ始めているのを、私のような貧乏人は肌で実感している。

今年は1.58ショック世代がそろそろ大学を卒業するというタイミングだったが、本格化した少子化のために学生バイトが集まりにくくなっていたりして、学生バイトの時給水準はジリジリと上昇を始めている。高齢アルバイトの供給力が急激に拡大しているので、こういう圧力が全体的な給与水準にまでフィードバックしてくるのにはまだ時間がかかるだろうが、消費者物価の裾野では、少しずつインフレ圧力が高まってきているのを感じる。このあたり、鮮度のいいデータがあるといいのだけれど。

でもまあ、いざデフレが終わったら、俺達が金融緩和を指示したからなんだと、立法府のお歴々が自慢げに語り出すのだろう。で、次には国債の金利爆発をどう処理するかという段階に入り、また侃々諤々の議論が再開するのだろう。

まあ、なんとかなるだろう。
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by antonin | 2012-12-18 21:11 | Trackback | Comments(0)
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