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読了。内容については、2002年の直木賞受賞作ということらしいので、いまさらここで書評っぽいことをする必要もないでしょう。で、さすが直木賞というか、面白いですよ。内容も濃いし、そういう濃さを忘れさせるエンターテイメントも満載。が、それはそれとして。 人に勧められて本を読むことはたまにあるし、それがベストセラーだったり文学賞受賞作だったりすると、自分では絶対に手に取らないけれども、読んでみるとさすがに面白かったりする。そういう場合もたいていは自分で買ったり図書館で借りたりするのだけれど、今回は薦めた本人から借りた本で、しかもしばらく書棚に積んだ挙句にようやく読んだものだった。 で、これ、まっすぐだけど不器用な家族愛の物語なんだけれど、その家族構成はというと、我が家のそれになぞらえて読むことができなくもないという程度に似ている。で、その本を貸してくれた人というのが、義理に母であったりして、このリアル世界の、印刷された文字の手前側の物語がなんとなく文字の向こう側の物語とリンクしていたりして、「はてしない物語」化しているこの状況をどうしましょう、みたいなことになっている。 作中の物語に負けず劣らずの軋轢が生じている家庭ではあるけれども、それぞれの根の正直さというのはそれぞれに知れていて、それを物語として読んでいる分にはいいのだけれど、自身の生活に反照してくるこの状況というのは参った。どうしましょう。 -- リンク先は書籍版だが、実際に購入したのはKindle版の方。もう書棚は飽和状態なので、本を買うときは価格とともに体積の方も気になる。150cc超えるとちょっと躊躇してしまうな、みたいなことはある。で、こちらは体積ゼロで、価格も書籍版よりちょっと安くてお得な気分になる。両手でないと持てないハードカバーでもないので通勤電車でも手軽に読める。 内容はまだ上巻の半分程度しか読んでいないのだが、6割の「知ってた」と4割の「へぇ」で構成されていて、まずまず良い感じ。程よいイングリッシュジョークが随所に散りばめられているのだが、訳文はお堅い論文調。まあ、それがいいのかもしれないけれど。 知らない間に自分でAmazonのカートに放り込んでいたのだが、どこでこの本を知ったのか覚えていない。たぶん、脳とか認知とか心理とか、そういう関係の本を購入したときに関連商品か何かで出てきたのだろう。しばらくカートで腐っていたのだが、Kindle化を契機に購入してしまった。しばらくはこういうことが続くのかもしれない。 本書では、脳の働きに直感を司るシステム1と、論理思考を司るシステム2があること、そしてそれぞれの長所と短所を様々な研究事例とともに説明してくれる。個人的にはシステム0とかシステム-1とか、もっと低位のレイヤーがあると思っているし、そのあたりは著者も知っていると思うけれど、啓蒙書だから話はシンプルにした方がいいのだろう。人間の知能というのは、理性という主人が感情という馬にまたがっているようなものだと常々思っていたのだけれど、それを客観的なデータで裏付ける研究事例がいくつも紹介されていて楽しい。 本書に書かれた話題を少し離れるけれど、駄馬に至高の人格が乗っているように、筆は走るが実務ではボロボロというような人もあれば、名馬に愚者がまたがっているようで、主人は落馬しないようにしがみついて、あとは馬の走るに任せていれば万事そこそこ順調というような人もある。世の中いろいろあって面白い。 -- 一度書籍化されたものを電子化されると、それを割安だと思って購入するのだけれど、はじめから電子化するのが当たり前の世界になると、それはよくデザインされたサイトの連載記事と、いったいどの程度違うのだろう、という気もする。アプリケーションソフトウェアがアプリと呼ばれて消耗品になったのと同じように、文字主体の書籍も、85円から600円くらいなら購入してもいいけど、なんていうところまで相場は落ちていくのかもしれない。 月々定額で読み放題というような雑誌スタイルのほうが、案外ネットとは相性がいいのかもしれない。あとは、立ち読みとか店頭平積みとかの誘引システムをどう継承していくか、とかいう問題はあるだろうけれども。 パソコン通信時代から、ソフトコピーはスクロール(巻物)形式に慣れ親しんできたので、ページという内容と関係のない区切り単位が電子書籍に引き継がれているというのが、目下の不満。ハードコピーではこういう不満は感じなかったので、不思議なものだと思う。電子書籍上でも「ページ」という紙っぽい仕組みをエミュレートするモードがあってもいいけれど、章単位のデータを継ぎ目なく素直にスクロールしてくれるモードも備えるようになってくれると嬉しい。縦書き横書きは、別にどちらでも構わない。 ただまあ、無用の用というか、そういう今となっては無用の儀式を守らないと、それこそ一気に値崩れしてしまうのかな、という気もしないでもない。「これは本ではない」と消費者が気づく契機になってしまうと、それはそれで面白くないことになるのかもしれない。 -- 震災前は「Apple嫌いのカラクリ」が人気記事だったけれども、「NGワード」認定のためか、あれ以来アクセスがめっきり減った。まあ、食人ネタ書いてからこの傾向は全般的に続いているわけではあるけれども。googleによるフィルタリングは概ねありがたいのだけれど、いくらか世の中をつまらなくしているのかもしれないな、と思うことはある。陰謀論というのとは違うのだけれど、認知の閾値の下に沈んでしまった情報というのも多々あるのだろうな、という。
by antonin
| 2013-03-21 02:33
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