安敦誌


つまらない話など
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いろいろ混ぜすぎ

昔、まだ化け学屋の勉強をしていた頃、ポーラログラフィーというのを実験でやらされたことがあった。水銀滴下電極ってのを使うので、現代的にはちょっとアレな実験法なのだけれど、水銀表面で還元されたイオンは水銀の液滴表面に溶け込んで、表面積の増大する液滴はそれをドンドンと飲み込んでいき、飲み切ると液滴は落下して、新しい水銀表面が作られる。面白い手法だった。

で、酸化還元電位を徐々に上げながら、グラフを描いていく。ギザギザとノイズの多い波形から、還元電位の開始電圧と終了電圧の点に向かって包絡線を引いていく。で、溶液中に複数のイオンが溶け込んでいたりすると、波形は多段になる。波形がギザギザになる領域というのは、あるイオン種にとってクリティカルな領域を示していて、それより下でも、それより上でも、質的に異なる領域ということになる。

値域の広い法則というのは、万有引力の法則みたいに純粋に普遍的(に近い)法則もあれば、実は局所的な法則が幾つか連結して出来上がっているというものもある。大域的にほぼ一つの経験則に従うのだけれど、微視的に見ると、実は各レンジごとに起こっている現象が個々別々のものである、という場合もある。それを分析的に見ることもできるし、敢えて無視することもできる。

最近、国内の電器各社が「4Kテレビ」を発売し始めた。個人的に、「4Kテレビ」ってのはあんまり筋が良くないけれども、「4Kディスプレイ」ってのは十分に受け入れられるものだと思う。SDTVの解像度が640x480程度だとして、画素数で言うと30万画素になる。ごく初期のデジタルカメラ程度ということになる。1440x720のハイビジョンで100万画素くらい、1920x1080のフルハイビジョンで200万画素くらいという計算になる。4Kはこれが1600万画素になる。デジタルカメラの発展を見てきた感覚でいうと、それぞれの位置づけがだいたい分かる。

30万画素が200万画素になるまでのストーリーは、パブリカの700cc, 28馬力のエンジンが、スープラの3000ccターボ, 230馬力のエンジンに成長していくような位置付けであって、デジカメの場合は実際には非常に短期間だったけれども、成長前後の性能の違いというのはやはり歴然だった。自動車の場合、その後に最大1600馬力のエンジンが開発されたとしても、それはトレーラーのエンジンですか、という具合になってしまう。カメラの場合は1600万画素のコンパクトカメラというのもそれなりに普及はしているものの、付加価値というほどのものにはなっていない。

ただまあ、ハードディスクみたいに恐ろしい成長を続けていく分野もあって、液晶ディスプレイというデバイスがどこまで伸びていくのか、はっきりしたことはわからない。けれども、Win95の頃は200MBのハードディスクでそこそこ動いていたのが、XP末期には200GB程度は必須という具合になってくると、そこから先は正常進化の3.5インチ3TBハードディスクという方向もあれば、16GBのフラッシュメモリでポータブルデバイス、という方向もあって、進化は枝分かれして拡散していく。

車も、高級セダンもあれば大型ワンボックスも軽自動車もトライクもいろいろという具合に拡散している。液晶ディスプレイも同様なのだろう。小型ディスプレイではあるが、画素ピッチを上げてそこそこの解像度を確保するようなデバイスは既に普及しているし、フルハイビジョンでも不足するような正常進化の65インチ超テレビという方向も、アメリカの広い家相手には十分商売になるだろう。ただまあ、ヨーロッパとかアジアを含めた世界の主流は、30インチから40インチとその周辺という物理サイズで、フルハイビジョン程度までの動画をウィンドウ表示するような余裕の持たせ方という方向へ移っていくだろう。

折角の4Kディスプレイだから全画面を使って4Kのコンテンツを流すぞ、という気合の入った用途は、主流にはならないだろう。それが「可能」というのは良い特徴にはなると思うけれども。Retinaディスプレイというやつは300ppiを超えてくるらしいが、あれは手元の距離での視野角を基準にしたものだから、家庭用テレビのように3メートル前後の距離を確保できるなら、100ppi程度でRetina状態になる。であれば、フルハイビジョンだと20インチくらいにしかならないが、4Kなら40インチまでこの分解能で引っ張れる。これは価値が有るだろう。PC的な使い方をするなら、4Kディスプレイなら20インチくらいまで網膜解像度で表示できる。

だからまあ、テレビ放送の周りにネット由来のデータを表示するとARIB規格違反だとか言ってたらまた技術は死滅するが、メインチャネルの周りにデータ放送やらネットアプリやらサブチャネル番組映像などがフロート表示されるようなディスプレイシステムなら、十分に未来はある。今回も「第4の権力」がゴチャゴチャとうるさいが、古典3権がその辺りを正しく掣肘してくれるんなら、まあ景気も良くなろうという気はする。

Winnyの角を矯めることもできなかった割には、牛は殺した。競馬にアルゴリズム取引を持ち込んだ新進気鋭のギャンブラーには、負け券費用を経費と認めないという荒業でその芽を摘んだ。日本は法治国家ではないので、こういう風に文化庁や農林水産省といった省庁の利権にエグい食い込み方をすると、超法規的なエグい報復を食らう。堀江さんが臭い飯を食って特別な役務についたのは旧郵政省の利権に食い込んでしまったからで、ドサクサに紛れて死ななかっただけマシという具合でもある。孫正義さんなんかは対立権力あたりを使って相当うまいことをやっているのだろう。

凶悪犯罪の未遂事件が「民事不介入」で放置される中で、犯罪予告だけが過敏に検挙されて実名報道されたのは、それが警視庁及び警察庁に対する直接的な威力業務妨害であり、それに対する組織防衛と報復が必要だったからだ。省庁からの報復という視点で見ると、ニュースにはそういう毛色のものが溢れている。植草さんの事件も、陰謀論的に見るとそういう報復劇の一幕であると言われている。

自民党というのは日本で最も生臭い政党ではあるので、ストレートには応援しにくい面はあるものの、日本国の悪性腫瘍化してしまった省庁利権に対して唯一国民の側に立って対抗しうる勢力が国会議員なのだとすると、国民としてもそれなりに応援していく義務はあるのだろうと思う。

で、敵は官僚なのだとして、反原発派の人達のように対立相手を悪の権化であるような詰り方をするのも、きっと具合が悪い。もっとスマートに、エレガントに、官僚たちが本来持ち合わせている強烈な矜持に訴えかけるような、狡猾なほほ笑みでこれに対処するというのが、「代替不可能な」戦術なのだろう。日本の現状を最も苦々しく見ているのもまた、当の官僚たち自身なのだろうし。

量的に大きな変化というものは、一定の幅のある領域を境として、質的な変化となって現れる。かつて無視できていたものが、もはや無視できなくなる。かつて無視できなかったものが、無視できるようにもなる。この参院選を済ませてから3年間の国政というのもそういうものであり、何かが質的に変化している。もはや流れは止められないものと見て、急流下りに見合った体重移動のようなものを、船員である国民も求められて来るのだろうと思う。転覆沈没するか、再び緩い流れを捉えるのか、結果はわからないけれども、まあなんとかなるんじゃないかと思う。


今回も死に票を投じてきましたので、ちょっと感想を。
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by antonin | 2013-07-24 02:50 | Trackback | Comments(0)
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