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帰宅途中、産経新聞のアプリにアラートがあって、「村上春樹」「ノーベル賞」だかっていうキーワードがあり、「へぇ、そんなことないだろうと思ってたけど、本当にあるもんなんだな」とか思った。で、アプリを開くと、紙面が出ない。なんだそれ、と思って調べると、どうやら誤報、というか、事前作成していた記事が誤って送信されてしまったものらしい。号外ってこういう作り方してるのねん。面白いものを見た。でもまあ、富士山も文化遺産ということでなんとか世界遺産にねじ込んだし、韓国ロビイストがノーベル財団を怒らせたりしたら、案外に村上さんの受賞なんてこともあるのかもしれない。 で、今回のノーベル・プライズの目玉と言ったら、なんと言ってもあのヒッグス先生の受賞だろう。ヒッグス先生はNambu先生以上に理論物理学界隈では知らない人のいない存在だったようなのだけれども、工学者であったノーベルさんが設立したノーベル賞の伝統として、理論学者が受賞するには理論の実験的実証が必須、という条件がある。アインシュタインさんが相対性理論ではなく光量子理論の方で受賞したのも、光電効果の測定による実証データが蓄積されていたからだった。 で、今年になってスイス・フランス国境のLHCでヒッグス粒子の生成が確認されて、めでたくヒッグス先生のノーベル賞受賞となった。齢80歳。そもそも、あの馬鹿でかい高性能装置が建設されることで観測可能になる事象はいくらでも予想されていたのに、理論上はほぼ存在が確実視されていて、実在の確認によって新たな情報が得られる可能性の少ないヒッグス粒子の検出が、なぜ最優先で進められたかといえば、そもそもそれは稀代の理論物理学者であらせられるヒッグス先生のご存命中にノーベル賞を捧げるためのプロジェクトだったから、というのが大方の解釈だった。今年の物理学賞でヒッグス先生に授賞しなかったら、それはノーベル賞の恥でもあった。まあ、小林・益川両先生の時もそんなことが一部で言われていたけれども。 そういうお祭りって、物理屋さんの中でもあるもんなんだな、ということで、ちょっと和んだ覚えがある。無事達成できてご同慶の至りである。 -- なんだか最近ヘリウムが不足しているらしくて、ディズニーランドから風船販売が消えた、なんていうニュースもあったが、最近どうなっているんだろう。 アメリカ議会、ヘリウム販売の延長を可決 | スラッシュドット・ジャパン へぇ。備蓄を切り崩してるんだ。でもなんで冷戦が終わるとヘリウムが余ったんだろう。今度調べてみよう。で、ヘリウムは天然ガスから採取されるらしい。なんでだ、と考えてみると、比較的単純な仕組みがわかった。 地球の大気中には、重たいアルゴンみたいな希ガスは含まれているけれども、水素やヘリウムのような軽いガスはほとんど存在しない。水素はまあ、放っておくと酸化されて水になってしまうというのもあるけれども、基本的には軽い分子は大気の上層まで押し上げられて、大気圏の外層に集まる。そうすると、太陽風に吹かれて太陽圏の外側に向かって流れ出してしまう。だから、地球に存在するヘリウムは、岩石中に閉じ込められた天然ガスなんかと一緒にしか存在できない。 ただ、そんな軽いガスがいくら地中とはいえ、地球創世からそんなに大量に残っているとも思えない。で、ヘリウムの出どころを考えると、それは減速されて電子をまとったアルファ粒子なのだろうという結論になった。地殻の天然鉱物の中にも放射性同位体はそこそこ含まれていて、そのうちの一部はアルファ崩壊をする。そうすると、アルファ崩壊によって放出されたアルファ粒子は、近くの原子に激突しながら、しかし核融合を起こすほどのエネルギーもなく、減速していく。最終的に十分減速すると、第1作のターミネーターばりに周囲の原子から電子を奪って、ヘリウム4の単原子分子としてその場に留まるようになる。 そういうふうにしてできたヘリウムが、地質学的な時間で地層の中に蓄積されると、天然ガス中のヘリウム、という形で採取可能になるのだろう。だからまあ、ヘリウムが欲しければ、アルファ崩壊性の放射性同位体(RI)を集めて封じておけばいい。よほど大量にRIを集めないと実用になるほどの量のヘリウムは採取できないだろうけれども。 昔々の学生実験で、溶液中から溶存ガスを除去するのにヘリウムパージなんかをやっていたけれども、今はそのパージしたヘリウムをちゃんと回収しないと怒られてしまうらしい。世知辛い世の中である。個人というのは、貧乏には耐えられても貧乏臭いのには耐えられないものだが、組織というのは貧乏臭いのには耐えられても貧乏には耐えられないものだから、勢いそういうことになるのだろう。 -- 最後にweb logなど。 Meteorites 「隕鉄 シュテーテン」で検索。 以前、「ウッドマン・シュテーテン模様」という言葉で何か書いたが、本当は「ウィドマンシュテッテン模様」というらしい。あらまあ。ナカ点すらないのか。 それはともかく。上記サイトによると、現存太陽系の1世代前にあった原始太陽系の生き残りみたいな物質が、稀に隕石として落ちてくるらしい。地球にある各種元素ができるには恒星内部での核融合反応が必要で、それが恒星爆発により一度ぶちまけられて、その一部が再凝集して再び恒星になったのが今の太陽で、カスを集めたのが地球のような惑星だという。特に鉄より重いような重元素の合成には超新星爆発の強烈な圧縮が必要で、地球表面にもウランなんかがザラに分布しているのも、先代の太陽が派手に爆発した証拠となるようだ。 その前のビッグバンの温度シミュレーションから、宇宙の晴れ上がり後に生成された元素は、水素が3に対してヘリウムが1くらいの割合で、それより重い元素は全て恒星反応によるものらしい。そういう歴史をいろいろと抱えながら隕石が落ちてくるというのは面白い。隕鉄の出どころは火星と木星の間に分布する小惑星帯で、小惑星帯の出どころが昔あった中規模の惑星の衝突による崩壊だったりすると、いろいろと想像が湧いて、これも面白い。 iStone 鉱物と隕石と地球深部の石の博物館からカーボナタイト - iStone ここに出てくる、「熱した墨汁のような溶岩」というのも、一度見てみたい。赤くなくても、触るとやけどすることには変わりない。 地球に大陸と大洋がある理由は、ジャイアントインパクトがあった時に原地球にぶつかった方の天体(テイア)の表層を形成する岩石層が、半分は飛び散って月になり、半分は地球に落下して大陸になったのではないかと思っているのだが、どんなもんなんだろう。マントル対流があるから、そういう事情がなくても大陸は出来るのかもしれないけれど。 -- さて、寝よう。もう4時か。
by antonin
| 2013-10-11 04:01
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