安敦誌


つまらない話など
by antonin
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
検索
最新の記事
アキレスと亀
at 2017-05-02 15:44
受想行識亦復如是
at 2017-05-02 03:26
仲介したことはあまりないが
at 2017-04-29 03:36
サンセット・セレナード
at 2017-04-12 23:17
水分子と日本人は似ている
at 2016-06-04 01:49
ほげ
at 2015-06-05 03:46
フリーランチハンター
at 2015-04-17 01:48
アメリカのプロテスタント的な部分
at 2015-04-08 02:23
卯月惚け
at 2015-04-01 02:22
光は本当に量子なのか
at 2015-03-17 23:48
記事ランキング
タグ
(295)
(146)
(122)
(95)
(76)
(65)
(59)
(54)
(45)
(40)
(40)
(39)
(32)
(31)
(28)
(27)
(25)
(24)
(22)
(15)
最新のコメント
>>通りすがり ソ..
by Appleは超絶ブラック企業 at 01:30
>デスクトップ級スマート..
by 通りすがり at 03:27
7年前に書いた駄文が、今..
by antonin at 02:20
助かりました。古典文学の..
by サボり気味の学生さん at 19:45
Appleから金でも貰っ..
by デスクトップ級スマートフォン at 22:10
以前の記事

労働力不足の原因

最近のアルバイト不足現象は、少子化の影響なんかじゃなくて単に好景気が理由だよバカ、みたいなツイートが出回っていたので、本当なのかどうか調べてみた。情報源はこちら。税金で作られたデータはありがたく利用させてもらおう。

統計局ホームページ/労働力調査(基本集計) 平成26年(2014年)5月分結果

で、調べてみると、だいたい予想通りで、好景気による人手不足が主効果で、それに加えて、アルバイトなどの「安価な労働力」について限定すると、確かに供給も細っているというデータが出てきた。つまり、少子化が100%原因と考えるのも、好景気が100%原因と考えるのも、どちらも単純化しすぎのバカという結論になって安心した。

まずは労働力人口の推移。ここ1年で労働力人口は80万人減少しているが、失業者の雇用でこのあたりは吸収されていて、就業者数は57万人増加しており、労働力供給としては十分な水準。年齢階級別に見ると、25~34歳は29万人減、65歳以上は48万人増。その他の年齢層は団塊世代や団塊ジュニアの移動などがあって増減はあるが、トータルでは概ね横ばい。グロスの世代人口で見ると、25~34歳は34万人減、65歳以上は108万人増。25~64歳の「現役世代」が107万人減なので、65歳以上の人口増と拮抗する形。その中で25~64歳の労働力人口が26万人減で済み、就業者数は逆に9万人増なので、景気はかなり上向いている。

ちなみに65歳以上の労働人口は48万人増で、就業者数は46万人増。この年代の場合、本気の求職者ばかりではなく、リタイア後に求職活動をして、失業保険を満期受給してから年金生活に移行するというマイルドリタイアの人も統計に紛れ込んでいるだろうから、世代人口から就業者数を引いた62万人あたりをリタイア人口と見ていいのだろう。

年齢を考慮しない場合、労働人口はほぼ横ばいで、就業者数は増えているので、「労働力不足の主要因は景気回復」と結論付けることができる。しかし、25歳から64歳に世代を限定すると、労働力人口-26万人に対して就業者数+9万人なので、差し引き+35万人が景気要因で、人口減少要因は世代人口減少の-107万人ということになる。もちろん、主婦などの雇用されない労働力の率などもあるので、107万人の世代人口減少がそのまま労働力供給の減少に直結するわけではないけれども、「景気回復による労働需要の高まりが労働力不足の主要因」とは言い切れない数字になっている。

特に、世間を騒がせているアルバイト形態の労働力推移では、もっと明らかな数字が出ている。

b0004933_23595063.png
この表だと、雇用者総数は前年比で32万人増加しているが、正社員は1万人増と微増で、特に主力の男性労働者では2万人減で、女性の正社員化が主な増加要因になっている。一方、雇用者増の主要因はパートと契約社員で、ともに18万人前後の高い伸び率になっている。しかし、アルバイトは2万人増と微増で、特に男性アルバイトは6万人減となっている。これはアルバイトよりは好待遇な契約社員などの雇用形態へシフトしている好景気の影響と見て取れるが、ともかく景気の波を吸収しやすい非正規雇用の中では、アルバイト人口の伸び悩みが顕著に出ている。

アルバイト形態の場合、若年層が主力になると思われるので、全年齢層の統計には表れにくい若年層の人口減少が直撃する分野と推定できる。このため、就業者数全体では景気回復による労働力不足が主要因だとしても、「アルバイトが集まらない」という現象については、世代人口減少の効果が無視できない。特に、労働力人口の統計に表れない学生アルバイトなども含めると、世代人口減少がより直接的に表れるだろう。また、この手の統計には表れてこない外国人の短期労働者なども、円安の影響などでかなり減少しているものと考えられる。そういった部分まで考えると、アルバイト市場での労働力不足は、「労働需要の高まり」だけではなく「労働供給の低下」の影響がかなり強いだろうと思う。

景気回復局面では、不況期に生産性の低さを給与水準の引き下げでカバーしてきた企業が淘汰されるが、景気が飽和した後も、人口推移や為替の影響などで労働力不足が長期化して、雇用問題が起点となって産業構造の大きな変化を要求される時期が10~15年先くらいにあるんじゃないかと思う。

それから、非正規社員の推移で、男性の嘱託がかなり減少している。雇用の2007年問題の先送りに成功した嘱託制度も、そこから7年を経過して終わりを迎え始めているのが見て取れる。団塊世代もいよいよ本格的なリタイアが始まっている。そこからは、年金と医療と介護をどう支えるかの勝負が正念場に入る。外国人看護師の導入なども、保守的な資格制度のために半ば失敗に終わっているようだし、東京オリンピックが開催される頃には色々とその手の地獄が見られるようになっているかもしれない。

「全て円で発行しているから大丈夫」という国債も、ちょっとした刺激で信用に傷がつき、安定経営の銀行に取り付け騒ぎが起こるようなメカニズムで暴落する可能性も残っている。それが通貨の暴落にまで飛び火してハイパーインフレになる可能性は少ないけれども、年金や郵貯など、リタイア世代の生活を握る機関投資家の金融資産が燃え上がる可能性はいくらかある。そういう時代に、そろそろ権力の中枢に達している団塊ジュニア世代が親世代を経済的に切り捨てにかかる可能性も、いくらかはある。資産には相続があるし、投票権に定年はないので、あまり無茶なことにはならないと思うけれども。

政治家のわかりやすい煽りコメントに感じた違和感を、ある程度までデータを読みながら裏付けられたので、いくぶんすっきりとした。まあ、なんだかんだで海と言語の壁に守られた日本列島ではあるので、周辺文明にあまり強く蹂躙されることはなく、優雅に衰退して鎌倉時代末期と同程度の混乱で乗り切ることができるんじゃないかという気はしている。チベットあたりに遊んで新仏教を興すにはちょうどいい時代、という民衆心理にはなるのかもしれないけれど。

[PR]
by antonin | 2014-07-02 00:45 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://antonin.exblog.jp/tb/22876483
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
<< web 3.0へ 「レイシズム」について >>


フォロー中のブログ
外部リンク
外部リンク
ライフログ
ブログパーツ
Notesを使いこなす
ブログジャンル