by antonin
検索
最新の記事
記事ランキング
タグ
雑感(302)
雑談(151) 妄想(126) ニュース(96) 散財(77) web(65) おバカ(59) 検索(54) 親バカ(45) 日本語(41) PC(40) 季節(39) 昔話(35) 信仰(31) 政治経済(29) イベント(27) 言語(25) 音楽(24) 言い訳(22) ビール(15) 以前の記事
最新のコメント
ライフログ
ブログパーツ
ブログジャンル
|
会社帰りに、また例のショッピングモールに立ち寄った。 食べ物も飲み物もストックが増えてしまったので、買い物は控えて、今日の目当てはお茶屋だけである。お茶の供に1冊軽めの本を買おうと書店を見る。 杉浦日向子さんの「江戸アルキ帖」という文庫本を見つけ、購入。¥820(税込)也。全編にわたって、見開き右ページに文章、左ページにはイラストという形式になっている。ちょっと冒頭文を引用してみる。 マリコは海に凝っている。休日ごとに夫婦で潜るんだそうだ。勝手にサラセ。サトコは買ったばかりの新車に夢中だ。用もないのにやたら遠っ走りをしている。 といった具合で、免許制度で管理されたタイムトラベルシステムで日曜ごとに江戸を散歩しては絵日記を描くという設定である。タイムトラベルだからSFと言えなくもないが、タイムトラベルは現代女性のヒナコが江戸を歩いた感想を述べるための唐繰りでしかないから、読んでいてSFという感じは全くしない。免許に四級から一級まであるという設定には少しニヤリとする。 イラストを見れば誰でも楽しめるのだが、知っていればより楽しめる素養が2つほどあって、ひとつは江戸の成れの果てである東京の地理。日本橋と上野や浅草までの距離感とか、御茶ノ水あたりでずいぶんと深いところを川が流れている風景なんかを知っていると、イラストに無い描写も頭に思い浮かべて楽しめる。 もうひとつは、江戸期の年号を聞いて大体いつごろなのかとわかる感覚。これは私には備わっていないのだが、左ページのイラストの下にはスナップ写真よろしく西暦の年と旧暦の月日が記入されているので、江戸開闢が1600年あたりで、大政奉還が1867年あたりだという程度のことを覚えておけば、ある程度の見通しは付く。イラストを全部パラパラとめくってみたところでは、遅くは大政奉還の年まで出てくるが、早くは18世紀中ごろまでで、江戸でも後期ばかりのようである。元禄時代などは現れてこない。 NHK総合テレビで、まだ名子役然としていた えなりかずき氏が出演していて、最後になると杉浦さんが解説をしていた頃の「お江戸でござる」なんかは楽しくてよく見ていた。杉浦さんはてっきり小説家だと思っていたのだが、デビュー当時のカテゴリーとしては漫画家なのだそうだ。今日初めて知った。 楽しい本を仕入れたので上機嫌でお茶屋に向かう。一度入った店ではあるのだが、モールがバカデカいので、まだ場所が覚えられない。案内板を見たが「矢島園」という店が見つからない。案内のお嬢さんに尋ねると、「はぁ ふぅ ほっ」という凝った名前が、実は付いていたらしい。改めて案内板を見ると、確かにそう書いてある。無事店に着くと、今日も喫茶コーナーに客はいない。お茶を飲みながら店先を眺めていても、お茶を買っていく客も多くはない。永く続いて下さいよ、お願いしますよ。 今日は先日の狭山茶とは違う種類の煎茶を飲む。狭山茶に比べると甘みが少なく、苦味が目立つが、少し濃く入れたためかもしれない。帰りに量り売りの茶葉のサンプルをいろいろ嗅いで回った。お湯で出すといろいろと性質の違うお茶も、茶葉で嗅ぐと3種類くらいの香りに収束しているようで面白い。中国緑茶の銘茶「西湖龍井」も置いてあって、茶葉を嗅ぐと華やかな香りがあって魅力的だったが、50gで1,300円くらいして、冷めやすい私の懐には厳しい価格であった。喫茶での価格は1杯450円だったかと思うが、なんにしても手ごろな価格だったので、今度そちらで試してみたい。 ところで日本茶の香りは、揉んだ茶を炒るときの香りだとか、茶筒を開けたときの香りだとか、急須から湯飲みに注いだときの湯気の香りだとか、あるいはゴクリと飲んだあとに鼻に抜ける香りだとか、そんな楽しみ方だと思うが、中国河南の青茶(いわゆる烏龍茶)では、お猪口ほどの小ぶりの茶器にお茶を入れて、飲み干したあとの器の香りを嗅ぐという。今日は煎茶でもそんな真似事をしてみたのだけれど、アツアツのお茶とは違った香りが、確かにした。現代喫茶の席で湯飲みを鼻に当てている姿というのは、無作法というより間抜けな姿ではあるが。 お茶に満足したあと、もう一度書店に立ち寄った。今度は単行本の棚をなめていく。またしても草思社の本で面白いものがあった。 「身近な雑草のゆかいな生き方」 稲垣 栄洋 (著), 三上 修 (絵) 職場には広大な空き地と豊富な植栽があって、それなりに草刈りは行われているのだけれど、それでも季節ごとの雑草が絶えない。そうした、よく見る雑草の生態が並べられていて楽しい。雑草といってもマニアックなものではなく、タンポポからセイタカアワダチソウ、小さくてせいぜいオオイヌフグリなどといった身近なものが紹介されている。 他にも面白い本がたくさんあったのだが、ハードカバーは値段も高いし嵩も張るので、あまり買い集めるとあとでひどいことになる。図書館で借りるとか、買ったあとは古書店に売るなどすればいいのだが、どうもこういう本は手許に置きたい性分なので困る。面白い本を読んでも、3年ほどすると内容の95%は忘れてしまっていて、あの本にはこんなことが書いてあったなぁ、という断片だけが残っているから、気が向いたときに読み返すと、またまた面白い。本を所有しているだけで、そこにある知識も所有しているような錯覚に陥っているだけかもしれない。だから、知識欲ではなくて物欲なのである。 物欲の対象に上った本を列挙しておく。いくつかはそのうち手に入れたい。 「四色問題」 ロビン・ウィルソン (著), 茂木 健一郎 (翻訳) 「スノーボール・アース」 ガブリエル・ウォーカー (著), 渡会 圭子 (翻訳) 「スウェーデンはなぜ生活大国になれたのか」 竹崎 孜 (著) 「はじめてのアラビア語 講談社現代新書」 宮本 雅行 (著) 「NHK100語でスタート!英会話 コーパス練習帳」 投野 由紀夫 (著) 脈絡が無いですね。しかもどれも仕事に関係しない。社会に貢献しない知識の予感。
by antonin
| 2005-06-06 22:48
|
Trackback
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||