安敦誌


つまらない話など
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エピローグ

産業としてのディジタル化の利点は、2値化した信号だけを扱うことによって素子を単純化・規格化し、機器の信頼性を上げたり、コストを下げたり、小型化したりすることが容易になったというところにあると思います。その一方で、なぜディジタル回路で回路規模を増やすのが有利で、アナログ回路で線形性を上げるのが不利なのかという問題は、なぜ哺乳類が地上を支配する動物になったかというのと同じく、実は進化の偶然から生じた必然というような気がしています。

歴史にifは無しと言いますが、もしディジタル処理に有利なCMOS素子が発明されていなかったら、代わりに線形性を簡単に保証できる素子が発明されていたら、理論的研究も技術開発もアナログ回路向けに発展し、今頃はアナログデバイス全盛の世の中になっていたかもしれません。

最初にネタを振っておいて拾い忘れましたが、銀塩カメラとディジタルカメラの違いのうち、アナログとディジタルの本質とは関係がない違いが、いくつもあります。1)受像器が化学メディア(フィルム)か電子メディア(CCD)か。現像が入らないというのはディジタルの利点ではありません。また、CCD自体はアナログデバイスです。デジカメではCCDが吐き出した電荷によるアナログ信号をディジタル信号に変換しています。

2)受像メディア(CCD)と記録メディア(メモリーカード)の分離。これはあまりメリットがないかもしれません。3)消去・再利用可能な記録メディア。これは便利かもしれませんが、アナログだって可能です。4)シーケンシャル・アクセス・メディアとランダム・アクセス・メディア。フィルムはテープと同じく頭から順番にしか使えませんが、モメリカードは任意の順番で記録・再生ができます。5)その場で確認できる液晶ディスプレイの搭載。消去可能なメディアが生きるにはこれが欠かせませんが、これもアナログだってできます。8mmビデオカメラでは実際やっていました。

800万画素CCD(あるいはCMOSセンサーでもいいですが)搭載、液晶でその場で確認でき、書き換え型光ディスクにパルス幅変調かパルス位相変調で記録するけど、一切ディジタル技術を使わない完全電子武装のアナログカメラとかがあったらかっこいいかもしれません。値段が思いきり高そうですが。あと見てみたいのは、銀塩フィルムにレーザーでディジタル記録するカメラ。ウェットプロセスで定着・現像しないと読み出せません。意味ないですか。

「ディジタルとアナログってなんだろう」の(3)と(4)を公開する間に「スターウォーズ シスの復讐」を見てきました。ディジタルの本質はともかく、現在のディジタル技術がもてはやされる理由は、今回あまり述べなかった「計算可能性」に尽きるような感じですね。撮影した映像の編集だけでなく、計算で映像を作り出すCG合成も一大産業になりました。MPEGなどの圧縮技術は計算によって人間が捕らえやすい情報を抽出することで、情報源エントロピーの限界を超える圧縮を実現して、2時間ほどの映画を容量10GBに満たないDVDサイズに収めています。

マイクロプロセッサの動作周波数など、従来のディジタル半導体技術がそろそろ限界を迎えつつありますが、それは同時に新たなブレークスルーが起こる前兆とも考えられ、先の展開が楽しみです。現在の電子回路は電子の統計的な性質を利用したものがほとんどですが、量子力学の世界に住む粒子そのものの性質を使って物理的にディジタル処理を行う量子情報処理の研究なども、少しずつ成果が見え始めてきました。

最近あまり聞かなくなった高温超伝導ですが、こつこつと研究は進められていて、実は高温超伝導材料が特性的にもコスト的にも実用に一歩ずつ近づいているそうです。現在は船舶モーターなどの大型構造物に適用されているようですが、半導体プロセスに使えるような高温超伝導素子が実現すれば、IBMが開発を放棄したジョセフソン素子や、電子などフェルミ粒子の量子効果を使った演算・記憶素子が、あらためて実現するかもしれません。今後の研究に期待します。

駄文に長らくお付き合い頂きありがとうございました。

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ディジタルとアナログってなんだろう(1)
ディジタルとアナログってなんだろう(2)
ディジタルとアナログってなんだろう(3)
ディジタルとアナログってなんだろう(4)
エピローグ
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by antonin | 2005-07-20 00:28 | Trackback | Comments(0)
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