安敦誌


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生命に関する試論 (3)

また長い話になってしまいました。
もうすぐ終わると思います。



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ひとまず、人間の思考プロセス、それも「感じる」と呼べる思考プロセスまでモデル化できれば、言い換えると、人間の意識の階層と神経組織の階層の間を結ぶためのプロトコルが守られていれば、人間の意識と同じものを電子デバイスの上にも実装可能ではないかという話をしました。いわゆる人工知能です。

ここで、人工知能に人間の脳にない機能をひとつだけ付加できるとすれば、やはり誤差の少ない自己複製能力を選ぶと思います。十分に学習を積んだ人工知能を幅広く利用するために、あるデバイスに蓄積されているソフトウェアとしての意識を、別の互換デバイスにコピーできれば便利でしょう。

それは現在のコンピューターのように演算回路と記憶回路が別に用意されていれば簡単ですが、人間の脳のように同一デバイスに分散している場合、必ずしも容易ではありません。しかしながら、ロジックデバイスにおけるJTAG技術のように、ある瞬間のノードの状態を記録できるレジスタをはじめに用意し、人工知能デバイスの外側から、同期したレジスタの情報を読み出す命令を実装しておけば、ある瞬間の人工知能デバイスの状態を一意に決定可能な情報を出力させることは可能でしょう。

これを別の互換デバイスに書き込めば、ある人工知能における意識を複製することができます。この場合、DNAのように転写時に一定確率で誤差を混入させなくても、知能は学習を通して自己修正するという、ダーウィン的ではなく、むしろラマルク説的な変化とその複製が可能になるので、転写時に確率的誤差がなくても進化の枝分かれが可能になります。これをミームという微視的な命題の話に還元すれば、遺伝的アルゴリズムというダーウィン的進化が適用可能かもしれませんが、人間の思考を単純に模倣したシステムでは、そういう仕組みを明示的に与える必要は、おそらくありません。

そして、この複製プロセスが人間による完全な制御の手にあるうちは、複数の人工知能デバイスがネットワークで接続された人工知能界(Artificial Intelligence Sphere)それ自身が、自律的に進化を遂げることはできません。ここで、自己複製命令が個別デバイス上の人工知能に対して開放されたときに、初めて人工知能の自律進化が発生します。そこで有限の計算資源を奪い合う競争原理が導入されれば、ラマルク説的進歩を遂げる知能同士のダーウィン説的淘汰による知能の進化が始まります。

上記条件では個別のデバイス資源は固定要因ですが、たとえば人工知能群がデバイスを物理的に生産する生産ラインや、それをネットワーク上に追加するための物流から工事にいたるまでの物理的過程を制御できる機能へのアクセスを許可すれば、人工知能が載っているデバイス資源そのものを拡張できるようになり、より進化の自由度は高まります。ちなみのこの場合、生存環境資源の獲得競争相手に人間が含まれるようになることも簡単に予想できます。

ここまで到達すると、映画"Ghost in the shell"に現れた世界に対して多少の説明が可能かとも思えます。映画の中で「人形遣い」という、おそらく人工知能的な意識階層のユニットであると思われるキャラクターが登場します。その「人形遣い」が、ネットワークとの接続は可能であるけれども本来的に人間の脳に載った意識階層のユニットである草薙素子の意識との間に、何らかの結合を試みる場面があります。

これは、おそらく細胞体生命における減数分裂したDNAを有する配偶子の交換に相当するプロセスをミームのレベルで行い、未知の可能性を持ったいくつかの意識階層のユニットを再構成し、意識の階層において人間と人工知能のハイブリッドを生成する試みと見ることも可能ではあります。つまり、ミームが遺伝子同様の積極的な組み合わせ拡大戦略を導入する瞬間と見ることも可能ではないでしょうか。

--

映画に刺激された生命論はここまで。
次回はちょっと話が膨らみすぎておなかいっぱいになります。


安敦誌 : 生命に関する試論 (1)
安敦誌 : 生命に関する試論 (2)
安敦誌 : 生命に関する試論 (3)
安敦誌 : 生命に関する余談
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by antonin | 2006-11-20 00:12 | Trackback | Comments(0)
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