安敦誌


つまらない話など
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にほんごであそぼ

<携帯電話>20代の8割、漢字調べに利用 文化庁調査 | エキサイトニュース

昔は同様の調査結果を報じても「日本語を誤用している人がこんなにいる!」という調子でセンセーショナルに書かれていたが、最近はやっと落ち着いてきたようだ。だいたい我々はれっきとした日本語の「ネイティヴ・スピーカー」なのだから、我々の過半数が辞書と違う言葉の使用法をしているならば、間違っているのは我々ではなく辞書のほうだと考えるのがそもそも妥当だと思う。辞書が「転じて」と断った上で、時代に合った新しい意味を載せるべきである。

それはそれで、「昔はこんな意味だったのか!!」というのを知るのもまた新しい発見があって面白い。下にある「日本語」タグをつつくと、いろいろとそういう話を書いてきたので、暇な人は読んでください。

最近電子辞書を買って、その膨大な情報量に舌を巻きつついろいろと読み漁っているのだけれども、その中の英和辞典の項目冒頭には英単語の語源が載っていて、それなどを見ると中期フランス語の誤用や転訛など全く珍しいことではない。言葉とは生き物なんであって、それくらいの動きがあったほうがずっと面白い。

最近注目している言い回しが、「耳ざわりの良い言葉」というものだ。これは、聞く(読む)人によっては非常に微妙な気分になる言葉だが、開き直るとこれほど面白い言葉はない。

一応先に答えを出しておくと、「耳障り」とは、不快な音を聞いて気に障った様子を示す形容動詞句であり、「耳障りだ」とか「耳障りな音だ」などと使う。一方で、「手触り」「肌触り」などは、触覚での感触を示す名詞句で、「手触りが良い」とか「心地よい肌触り」などという。「耳ざわりが良い」というと、愉快なのか不愉快なのか判断がつかず、聞く人は非常に微妙な気持ちにさせられる。

が、そもそもヤマトコトバとしての「さはり」という言葉には、「触り」と「障り」という意味が渾然となっていたらしく、例えば「触らぬ神に祟りなし」といえば、「神に障る」というニュアンスもいくらか前提にあったようである。

そして我らがカルチャー・リーダーが発する「耳ざわりの良い」という表現にも、こうした意味の多重性、微妙な違和感を巧妙に突いてくる高度な用法が見られるのだ。例えば次のようなものだ。「耳ざわりのよい言葉を聞かせるばかりで、その実やっていることは実にひどい」というようなものだ。単に「耳に心地よい言葉」という意味で使うのではなく、「行動の醜悪さと裏腹な甘言の巧みさ」というような、まさに微妙なニュアンスを持つべき文脈で使われるのだ。ブラヴォー。

このように、「耳障り」という言葉は、形容動詞句という文法的縛りを越え、日本語を新しい世界へと導くのだ。というわけで導かれてしまったので、ここはぜひ、日本語の新世界で自由に遊んでみたい。にほんごであそぼ。

選挙期間中、普段なら庶民に見向きもしない代議士が、握手を求めてくる。なんとなく握手に応じてしまったが、その白い手袋はなんだ。議席のためにこうやって平身低頭を演じているが、俺はお前ら庶民とは別格の人間なのだという自意識が透けて見えるぞ、そう感じるだけで、その安っぽい綿手袋の手触りが癪に障るぜ。そういうときはおもむろにこう叫ぶのだ。











「手障りだっ!!」

相手の点になった眼が目に浮かぶ。

もっとお上品に使って若者のハートを鷲掴みにするのもいいだろう。ヨーロッパの高級車の写真を、上質なグラビア印刷をふんだんに使った紙面で紹介する記事が、次のように書くのである。
北ドイツ生まれのこの車両は、本質的にオフロードを走ることを目的としていない。もちろん、雪にまみれ、それがかつて道路であったと信じがたい場所を通過する場合であっても、確実なコースを維持するために十分なサスペンションは用意しているし、そうした場面でも、かの国の厳しい消費者団体が突きつける安全性評価と、実際にこのクラスを手にするうるさがたが見せる乗り心地への執着を、高い水準で両立する設計が施されている。その一翼を担うのがこの総革張りのシートであり、乗員を確実に車両へと抱き寄せるベッドであるのと同時に、サスペンションが不快な振動を取り去った残滓である心地良い揺らぎを乗員へとフィードバックするための最適なマンマシンインターフェイスとなっているのである。しかし、あえて苦言を呈するとすれば、高温多湿なモンスーン気候の国にあっては、若干透湿性が不足するのか、長時間のドライブのあとなどではやや肌障りに感じられる。

などと、それとなく刷り込んでいくと自然で良いのではなかろうか。

どんどんいこう。「耳障り」と双璧をなす言葉といえば、当然「目障り」である。「耳ざわりのよい言葉」のように微妙なニュアンスを投げかけるのにうってつけの言葉ではあるが、ここは逆に屈託なく、聞いているほうが硬直してしまうくらい素直に使ってみるのも面白いだろう。
長く、暗いトンネルを抜けると、そこに突然、世にも目ざわりの良い、心奪われるような絶景が広がっていた。

こうまで言われると、もうぐうの音も出ない。芥川賞が取れるくらいの文章力を持った人に、さりげなく一箇所だけこういうのを混ぜてもらえると、20年後には確実に国語辞典に用例として採録されるに違いない。そうした気骨あふれる作家の登場に期待したい。21世紀なんだし、それくらいの大志を抱いてもいいじゃないか。

古い名文を子供が口に出して、「声に出して読みたい日本語」と嘯くのもいいが、こういう攻めの姿勢も忘れないようにしたい。

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今日の漂着地:「一斗茶太的日常

惨事に遭いましょう」(271件)を検索していて漂着。
これは異口同音のネタ探しだったんですが、この人は毎日その手のネタを繰り出している。そして毎日それをやっているのにもかかわらず、そのクオリティーの高さはなんだ。すごい人もいるものです。
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by antonin | 2007-09-11 23:00 | Trackback | Comments(8)
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Commented by ▽・(◎◎)・▽ at 2007-09-14 11:03 x
あしうらざわり よろし
いぼいぼ けんこー さんだる はいてみた
Commented by antonin at 2007-09-15 03:16
足裏ざわりww
いぼいぼ健康サンダルは、コドモはくすぐったがります。
Commented by ▽・(◎◎)・▽ at 2007-09-18 11:42 x
はきなれん と あかん あるね あれわ
3 ぽ あるいたら こけた
Commented by antonin at 2007-09-19 22:44
あら大変。
小豆粒に我三歩歩まず。
Commented by ▽・(◎◎)・▽ at 2007-09-20 10:11 x
そーかー
あずき て よむん や (しらべる のに じかん が かかった)
そんな かんじ

なんか どこかで よんだよーな ふれーず 「3ぽ」
うー

たわむれに ちち お せおいて あまりの おもさに
あし まがり われ 3ぽ すすまず

だれか TVで たわむれ に ゆーてたよーな

Commented by antonin at 2007-09-20 22:34
えー、私もどっかで聞いただけです。誰の言葉だろう。
「さんぽ あゆまず」
Commented by ▽・(◎◎)・▽ at 2007-09-21 10:32 x
なぞ や
Commented by antonin at 2007-09-21 22:00
調べると、石川啄木らしいですねぃ。
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