安敦誌


つまらない話など
by antonin
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
検索
最新の記事
酔論
at 2017-08-22 01:23
婦人画報創刊号
at 2017-07-07 01:36
アキレスと亀
at 2017-05-02 15:44
受想行識亦復如是
at 2017-05-02 03:26
仲介したことはあまりないが
at 2017-04-29 03:36
サンセット・セレナード
at 2017-04-12 23:17
水分子と日本人は似ている
at 2016-06-04 01:49
ほげ
at 2015-06-05 03:46
フリーランチハンター
at 2015-04-17 01:48
アメリカのプロテスタント的な部分
at 2015-04-08 02:23
記事ランキング
タグ
(296)
(148)
(122)
(95)
(76)
(65)
(59)
(54)
(45)
(41)
(40)
(39)
(33)
(31)
(28)
(27)
(25)
(24)
(22)
(15)
最新のコメント
>>通りすがり ソ..
by Appleは超絶ブラック企業 at 01:30
>デスクトップ級スマート..
by 通りすがり at 03:27
7年前に書いた駄文が、今..
by antonin at 02:20
助かりました。古典文学の..
by サボり気味の学生さん at 19:45
Appleから金でも貰っ..
by デスクトップ級スマートフォン at 22:10
以前の記事

有理進法の研究(3)

前回までに3/2進法のVersion.1, 2.0, 2.1の3種類を定義しましたが、今回は第4の定義を導入したいと思います。その前に、Version.2.1を使って、小数表記をするとどうなるのかを試してみたいと思います。

通常のn進法でも、小数の表記は定義されています。これは、自然数には-k乗という演算も定義されているからです。具体的には、

n-k = 1/(nk)

というように、逆数で定義されています。これは掛け算をしたときの指数部の性質から自然に導かれたものです。これを使って3/2進法Version.2.1による小数表記を試してみます。

(0)3/2 = 0
(0.2)3/2 = 2/2 x (3/2)-1 = 0.6~
(0.1)3/2 = 1/2 x (3/2)-1 = 0.3~
(0.02)3/2 = 2/2 x (3/2)-2 = 0.4~
(0.01)3/2 = 1/2 x (3/2)-2 = 0.2~
(0.002)3/2 = 2/2 x (3/2)-3 = 0.~296~
(0.001)3/2 = 1/2 x (3/2)-3 = 0.~148~


ここで、'~'は循環小数の繰り返しを示す記号とします。0.3~ = 0.3333...を、0.~123~ = 0.123123123...をそれぞれ表しています。

ここでも桁下がりの部分で数値が大きくなる逆転現象が起きています。しかも、この表記における0.22は1を超えますので、小数も含んだ3/2進法Version.2.1の大小比較は非常に難しくなります。ただ、同じ記号('2'とか)であれば、一応桁が右へ移るほど小さい数字になるというルールは保持されていますし、1212を基数である3/2で割ってやると、一桁右にシフトして121.2になるという算術上の規則の一部は保たれています。これは基数というよりも、位数の定義から導かれる定理ということになります。

さて、この「増えたり減ったり」という性質をうまく利用して遊ぶ方法を見つけてしまいました。しかも、3/2という中途半端な基数を生かすのにも適しています。これはWikipediaの「位取り記数法」という、最初に参照したページからアイデアを借用したものです。そこには、「平衡三進法」というものが紹介されていますが、これを表現するためには、記号数、位数、計数単位という3つの用語のほかに、もう一つの用語を定義してやる必要があります。それは次のようなものです。

底数(base of figure)

これは、各桁の記号が作る等差数列の、最初の項と考えることができます。これは通常のn進法やVersion.2.1までの3/2進法では全て0でした。これが平衡三進法では-1になっています。他の3つの数字と合わせて平衡三進法を表現すると次のとおりになります。

記号数 = 3
位数 = 3
計数単位 = 1
底数 = -1

これはなかなか変わった記数法です。Wikipediaの説明にもありますが、正負の数を符号を使わずに表現することができます。Wikipediaの説明では'0', '1'、それに'1'にバーを付けた記号を使っているので、このバーが符号に見えますが、混乱さえしなければ'0', '1', '2'を使っても、あるいは'A', 'B', 'C'を使っても、定義さえしっかりとしていれば問題ないわけです。

ここで、この底数の変更というテクニックを我らが3/2進法にも適用してみましょう。平衡3/2進法と言えるようなものを定義したいと思います。ここで、底数以外の定義はVersion.2.1のものを流用することにして、次のように新しい記法を定義してみることにします。

記号数 = 3
位数 = 3/2
計数単位 = 1/2
底数 = -1/2

記号数と計数単位、それに底数の組み合わせが重要です。なぜなら、最小値を表す記号と最大値を表す記号の数値が、ちょうど-1倍になっていなければ、「平衡」とは言えないからです。ここでは、3つの記号が0を挟んで対称になるように、底数を=-1/2としました。

各桁の記号についてはWikipediaにあるものを借用することにします。ただし、HTMLではトップバーを表せないので、アンダーバーで代用することにします。

では早速試してみましょう。

(111)3/2 = -2.375
(110)3/2 = -1.875
(111)3/2 = -1.375
(101)3/2 = -1.625
(100)3/2 = -1.125
(101)3/2 = -0.625
(111)3/2 = -0.875
(110)3/2 = -0.375
(111)3/2 = 0.125
(011)3/2 = -1.25
(010)3/2 = -0.75
(011)3/2 = -0.25
(001)3/2 = -0.5
(000)3/2 = 0
(001)3/2 = 0.5
(011)3/2 = 0.25
(010)3/2 = 0.75
(011)3/2 = 1.25
(111)3/2 = -0.125
(110)3/2 = 0.375
(111)3/2 = 0.875
(101)3/2 = 0.625
(100)3/2 = 1.125
(101)3/2 = 1.625
(111)3/2 = 1.375
(110)3/2 = 1.875
(111)3/2 = 2.375


どうでしょうか。相変わらず増えたり減ったりですが、対称性が美しくなっています。これを3/2進法Version.3.0と名付けましょう。この記法の性格をよく調べると、桁数('0'ではない記号が現れる最も左の桁)が、数値の大小ではなく数値の精度を表しています。そして、ここではスペースの問題でリストアップしませんが、桁数を増やして計算していくと、この記法が抱える問題点、あるいは不思議な性質が浮かび上がってきます。

それは、「0以外の整数が有限の桁で表現できない」というものです。ちょっとExcelを走らせて試してみたのですが、1以上、あるいは-1以下の整数は特異点のようなものになっているらしく、この数字を表現しようとするといくらでも桁数が増えてしまいます。形式的な証明はしていないのですが、どうやら3/2進法Version.3.0を使うと、0以外の整数は左方向に無限の桁を費やさないと表記できないようです。右に向かって無限桁を必要とする数値を「循環小数」と呼ぶならば、この現象は「循環整数」とでも呼んだらいいのでしょうか。不思議な現象です。

もちろん、この表記にも小数表現は可能ですが、すでに説明したとおり、位数が3/2の記法で小数表現をした場合は、1/3の累乗が出てきてしまい、小数点の左側の誤差をぴったりと埋めるような表現はできません。ここで、有理進法Version.3.0に若干の修正を加えてみます。

記号数 = 5
位数 = 3/2
計数単位 = 1/2
底数 = -1

こうすると、確かに「循環整数」を使わずに整数表現は可能になるのですが、今度は1を表す表記が2種類出てくるという重複が発生してしまいます。これはちょっと問題が大きいので、この表記法にVersion.3.1の名前を与えるのはやめておきましょう。

さて、ようやく面白い3/2進法の記法が得られましたが、これで最終版という気がしないのもまた事実です。3/2進法を検討しただけでは、「有理進法」の研究としては不十分で、できればn/m進法にルールを一般化したいものです。各桁の数列を等差数列から等比数列にするというのは実数進法へと進化できる、なかなか良いアイデアだと思うのですが、私の知恵ではそれを具体化することができませんでした。一連の3/2進法を叩き台にした面白いアイデアがありましたら、ぜひご一報ください。また余裕ができたら取り掛かってみたいと思います。

Index
有理進法の研究(序)
有理進法の研究(1)
有理進法の研究(2)
有理進法の研究(3)
[PR]
by antonin | 2007-09-29 02:32 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://antonin.exblog.jp/tb/7507659
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
<< 15周年 有理進法の研究(2) >>


フォロー中のブログ
外部リンク
外部リンク
ライフログ
ブログパーツ
Notesを使いこなす
ブログジャンル