安敦誌


つまらない話など
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ひとりブレイン・ストーミング状態

いろいろと書いた。

5月のはじめくらいから火がつき、面倒な文章をたくさん書いてしまった。最近ようやく少し下火になってきた。夜はやはり寝るべきである。

個人の限界を超える創発的な発想法のひとつに、ブレインストーミングがある。実際はいくつかの過程を踏むアイデア・プロセッシングのうちの、最初のほうの段階を担当する技術ということになっている。検索するとこういうルールになっている。
1. 批判は行わない。提出されたアイデアに対する批判や判断、意見はブレスト中は排除する

2. 奔放なアイデアを歓迎する。つまらないアイデア、乱暴なアイデア、見当違いなアイデアを歓迎する

3. アイデアの量を求める。アイデアは多いほどよい

4. 他人のアイデアを修正、改善、発展、結合する。出されたアイデアの改善案や組み合わせなども歓迎する

引用元:「ブレーンストーミング - @IT情報マネジメント用語事典

これは、ある問題意識を共有している関係者でありながら、問題を観察する視点が異なるようなメンバーが集まって実行すると効果が高い。これら立体的な視点を無理なく引き出すためのテクニックが上記のルールである。互いの意見の違いを触媒にして、自分でも思ってもみなかったようなアイデアを出しながら、可能性の枝を接いでいく。可能性の木の枝ぶりを良くするのが目的であって、枝を刈り込んで使い物にならない枝を捨てていくという批判的な作業の場は、あとで別に設けることになっている。なので、この段階ではひたすら肯定的にアイデアを濫造していく。その過程で、意外な最適解が見つかるかもしれない、という技法である。

そしてこの1ヶ月あまり、私の頭の中は「ひとりブレイン・ストーミング状態」にあった。ソフトウェア開発者と、電子工学出身者と、工業化学出身者と、数理と物理と生理と経済と政治と歴史と哲学と宗教に下手の横好き的関心を持っている、それぞれのアカデミズム趣味おやじと、ワーキングプアということもないけれども低所得に転落した元中流市民と、団塊世代の叩かれ具合を微妙な気持ちで見守る団塊ジュニア世代の一員と、未就学児を育てる父親などが脳内に集まり、「世の中はどうなっているんだろう、どうなっていくんだろう」という興味本位の共通問題について、互いの意見をぶつけ合いながら雑多なアイデアを濫造してきた。

もちろん基本は自分に甘い私の心理がリーダーシップを取っているので、自己批判によってストーム(嵐)が止んでしまうことはない。そのために一ヶ月あまりの期間にわたって大変な嵐が吹き荒れた。現実世界のブレイン・ストーミングでは、この嵐の中で生み出されたアイデアの山の中からゴミをはじいて、宝を探す選別作業が続く。優れた意見、平凡な意見、誤った意見などが玉石混ざって出たと思うが、どれがどれというのは未検証ということになる。しかし私の脳内セッションの場合、アイデアを出して楽しむことそのものが目的だから、自己批判をして優れたアイデアを抽出したり、それにしたがってより良い明日を目指そう、などという予定はない。

ただまぁ、勤め先での新人さん教育なんかにはいくらか役立ってはいるかもしれない。ロジックに弱くてソフトウェア開発にはからっきし向いてないんです、この人。でも大きく育って欲しい。10年経ったらぱっと花が咲くかもしれない。そういう生き方があってもいいじゃないか。目先の課題について厳しく突っ込みを入れるということと、将来について決して絶望しないように希望を持たせる、ということを指導の両輪として心掛けるようにしている。新人の不手際が自分の業務を直撃するOJTではなく、あくまで純粋な研修なので、このあたりは自由裁量が利いて楽だ。

良い会社に拾ってもらったと思う。泥首状態だったときに比べると、雲の上のようだ。この環境を楽しみたい。

--

今日の漂着地:「Lifehacking.jp

昨今流行の「ライフハック」だけれども、"Hacker"か"Cracker"かという議論があったように、ちょっと誤解の生じやすいテーマではあると思う。社会生活を送っていく上で、社会ルールや人間心理に潜む弱点を巧妙に突いて不正な利益を上げるという、「ライフ・クラッキング」の技術論であると思われているような側面もあるように思う。

真のライフ・ハッキングがあるとすれば、結局それは社会システムや心理学に潜む詳細な仕組みや挙動を知り尽くし、そこで有用になる技法を貪欲に身に付け、場合によっては何だってできるし興味はあるけれども、実際には誠実に社会や人間のためにその技術を活かすことができるのが、クラッカーではないライフ・ハッカーなのだと思う。

どの世界でもそうなのだけれども、一つの技法に頼り切ってしまうと却って全体的な効率は落ちてしまう。いくつもの技法を知っていなければならないし、それらを場面に応じて適切に使い分ける知恵も必要になる。レコーディング・ダイエットが性格に合う人はそれでダイエットすればいいし、合わない人は別の技法を調べて試してみれば、そのうちいいものが見つかるかもしれない。

ただ、「自分ハック」というのは案外に厄介だ。ライフハック技術を身に付けて役立てている人というのは、技術を身に付けることによって自分自身が向上していくことに無上の喜びを見出している人であって、そこには既に正のスパイラルが発生している。負のスパイラルに陥っている人が、その泥首状態から自力で抜け出すことは難しい。その機会は、本人の努力よりもちょっとした幸運をきっかけとして訪れることが多い。

叱咤激励は心のエンジンへの燃料噴射である。仕事量はエンジンの回転数である。笑顔と遊びはエンジンへの空気供給である。仕事術はバルブタイミング調節技術である。仕事のストレスはエンジンの出力負荷である。

過負荷で回転数が落ちているエンジンに多量の燃料を噴射すると、空燃比が狂ってエンジンがストールしてしまう。回転数が上がりすぎているエンジンに燃料を供給すれば、エンジンは焼け付いて故障してしまう。前者は、シフトダウンして負荷を下げ、スロットルを少し絞り、回転数の上昇によるトルクアップを待つのが正しい。後者は、シフトアップして回転数を下げ、負荷は軽いが繁忙な仕事ではなく、より次元の高い仕事をさせるのが正しい。

ストールしたエンジンに燃料を噴射しても何も起こらない。再始動のためには何らかの補助動力が必要だ。バルブタイミング調節による出力アップや燃費向上は、それからの話だ。つまりライフハックによる自助努力は誰かの手助けによって仕事がある程度軌道に乗ってからの話なのだけれども、なかなかそういう意見が認められるような甘い世の中ではないのがつらい。私には幸運が訪れたのだけれども、そういう補助をしてくれた人々に感謝したい。
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by antonin | 2008-06-06 01:17 | Trackback | Comments(0)
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