安敦誌


つまらない話など
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読書状況

先日、読みたい本などをずらずらと挙げたけれども、あまり計画通りに進んでいない。一部は読み進めているものの、読み終わったものはない。文藝春秋の6月号が面白くてまだ読んでいるのだけれども、気が付いたら7月号が発売されている。読めないほどの勢いで文章が書かれるというのは恐ろしい事態だ。いや、まあ、ここだって読むのが面倒くさいくらいの勢いで書かれているのだけれども。でもなんというか、「昭和が懐かしいなぁ」というような特集の号以外は、文春って読み応えがあるんだよなぁ。困るなぁ。

溝口敦さんの池田大作本を半分くらい読み進めたのだけれども、池田大作と創価学会の物語よりも、ときおり挿入される溝口さん自身の言葉に、えもいわれぬ深い感銘を受けることがある。この人はヤクザ社会なんかを得意とするジャーナリストなのだけれども、単なる下世話な記事を書くのでも、ヒステリックな批判をするのでもなく、美しいものも醜いものもありのままに淡々と描くところがあって、そういう描写ができるに至った溝口さん自身の生きてきた道というものに、むしろ興味が湧き始めている。

家に帰ると、子供が寝てから、本棚にしまってあった「ガリレオの指」なんかをパラパラとめくりながら読んでいる。理学の代表的なトピックを10個集めて論じてある。専門分化が進んだ現代の学術界では、まったく別と言えるほどの幅広い分野について書かれているのに、そのどれもが非常にわかりやすく整理されている。それも、Newton誌のような、イラストレーションと簡単な解説というようなものではなく、かといってどこかの教科書を丸写しにしたような術語と数式の嵐でもなく、多くの重要な概念が平易な言葉で書かれている。

それを読むだけでも楽しく、そして一仕事なのだけれども、こういうのを書ける人というのは、それらのトピックを深く理解して、そしてそれらの有機的な関係を見渡せる思考ができているのだろう。ピーター・アトキンスさんの頭の中には、一体どのような世界が見えているのだろうか。2万円くらいのツアーで、一日見学させてもらえないだろうか。

しかし、こんなとてつもない本が月給の1%とかそういうスケールの額で買えてしまうとは、日本はいい国だなぁ。あとはこれが電子化されて、音声で読み上げたり、文字サイズを自由に変えられたりできれば、さらにいいだろう。この国ならできるような気がする。音楽や映像には著作権シンジケートがあってなかなか自由にならないのだけれども、文章ならアナログホールも開きにくいし、それほどハードルは高くないんじゃないか。

あと、この手の良質な本は、実は翻訳も良質なのだということに気付く。コンピュータ関係では、専門技術への理解が深くなかったり、コンピュータサイエンスの歴史を知らなかったり、場合によっては著者の住む国の文化に理解がなかったり、あるいは日本語自体に難があったりする翻訳者が書いた邦文を読む機会が増えている。そういうのを読むにつれ、日本人が書いた本より感銘を受けてしまうような名著を、存在感を消しながら適切に訳してくれた翻訳者が、本当に偉大に見えてくる。

Effective C++の第3版も偉大な本なのだけれども、"convention"なら「慣習」とか「お決まり」とか「約束」とか、そういう文脈に応じた適切な訳ができるはずなのに、全部「コンベンション」で通してしまう訳文に強い違和感を覚えた。技術用語みたいに従来とは全く違った概念の固有名詞なら、日常語と意味が混ざる危険の少ないカタカナ言葉を導入するのにも便利な一面を感じることがある。けれどもこれは多分、スコット・メイヤーズさんは英語話者なら自然に理解できる一般用語として使っている。

しかしまぁ、批判するのは簡単なことなのであり、じゃあ原書で読めといわれたら、時間が掛かりすぎて実用的ではない。ということで、とにかく日本語で読めることに感謝。あと、さりげなく良訳してくれている翻訳者の方には、もっと感謝。ちなみに「ガリレオの指」の訳者は斉藤隆央さんという、私と同じ工業化学出の方だ。(もっとも斉藤さんは東大卒なのだけれども)

んー、「西遊記」とか「項羽と劉邦」なんかも読みたいのだけれども、なかなか手に取る余裕がない。戦艦大和の生産工程管理術なんかの話も面白そうだし、いろいろと興味は尽きないのだけれども、人生は短く(あるいは脳味噌はトロく)、コドモたちはみるみる成長していく。一日が30000時間くらいあったらいいのに。
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by antonin | 2008-06-14 00:15 | Trackback | Comments(0)
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