安敦誌


つまらない話など
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残酷な天使のテーゼ

なかなか面白い言葉だと思う。これは「エヴァンゲリオン」というアニメの主題歌なのだという。私はそのアニメを一度も見た事がないし、主題歌もまともに聞いたことがないので、その意味するところは知らない。けれども、この一文を見ているといろいろと面白いことを考えてしまう。

テーゼ"These"というのはカントさんやヘーゲルさんが使っていた言葉で、ある命題が正しいと主張することだという。命題というのは、「現代の日本の状況ならば、増税して社会保障を厚くすると住みやすくなる」というような、理屈の部品を組み立てた単位を言う。これが正しいと主張するのがテーゼだ。

これに対してアンチテーゼ"Antithese"というのが出てくる。別に固有名詞ではないが、ドイツ語では名詞を他の品詞と区別するために、全て大文字で始めるというルールがある。アンチテーゼというのは、簡単に言うと反論である。上記のテーゼを否定して、「現代の日本の状況ならば、減税して経済活動を刺激すると住みやすくなる」という命題を主張する。

ヘーゲルさんによれば、これを少し高みに立って、どちらにも矛盾しないで、なおかつどちらの主張も汲むような結論を人間の理性により導く事ができて、それで人間社会はどんどんと進歩していくというような理想があるらしい。これには是非とも同意したいところだ。

「残酷な天使のテーゼ」と言った場合、残酷なのは天使なのかテーゼなのかというのは少し気になるところだが、とりあえず天使ではなくテーゼが残酷なのだとしよう。天使は良かれと思って社会保障を厚くすべきというテーゼを主張しているが、それは増税という残酷さを伴っている。天使は純真無垢であるがゆえに、自分の主張にある残酷さに気付かない。一方の悪魔は、自分に入ってくる利益に対する貪欲さから小さな政府を主張しているのだが、それは減税という慈悲深さを伴っている。

残酷な天使のテーゼに対して、慈悲深い悪魔のアンチテーゼが提出される。理性の究極であり、我こそは唯一神であると主張するヤハウェであれば、ここで一発アウフヘーベンして見せ、立派なジンテーゼを愚かなる人間に下賜してやらなくてはならないところだ。いや、神は試したらいけないんだっけ。

「余裕のあるところから税をとり、余裕のないところに回すという基本に忠実に、増やすべき税は増やして下げるべき税は下げる。役割を終えた支出は減らし、これから必要になる支出は増やす」という、ちょっと高い所に視点を持ち上げたご高説を考えてみた。私は神ならぬ人間なのでこの程度しか思いつかないが、まぁジンテーゼといえないこともないだろう。清濁を超越した神のジンテーゼは、いったいどのようになるのだろうか。

まぁあんまり実のある話をしようと思ったのではないのでこのあたりで終わりにするけれども、もう少し国家レベルの高い水準で考えて税制を設計できるような、優れたアーキテクトはいないものか。優れた税制の設計図を、アーキテクチャレベルと矛盾しないように省庁事業単位の詳細レベルまで適切に落としこめるような、優れたコンパイラはいないものか。詳細なレベルを、正しく実行できるオペレータなら日本にはたくさんいるはずだ。

自分で出来ればそれが一番なのだが、それはさすがに無理だろう。ただ天才の出現を期待するしかない無力感というのは、情けないものがある。
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by antonin | 2008-08-23 14:27 | Trackback | Comments(0)
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