安敦誌


つまらない話など
by antonin
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
検索
最新の記事
婦人画報創刊号
at 2017-07-07 01:36
アキレスと亀
at 2017-05-02 15:44
受想行識亦復如是
at 2017-05-02 03:26
仲介したことはあまりないが
at 2017-04-29 03:36
サンセット・セレナード
at 2017-04-12 23:17
水分子と日本人は似ている
at 2016-06-04 01:49
ほげ
at 2015-06-05 03:46
フリーランチハンター
at 2015-04-17 01:48
アメリカのプロテスタント的な部分
at 2015-04-08 02:23
卯月惚け
at 2015-04-01 02:22
記事ランキング
タグ
(295)
(147)
(122)
(95)
(76)
(65)
(59)
(54)
(45)
(41)
(40)
(39)
(33)
(31)
(28)
(27)
(25)
(24)
(22)
(15)
最新のコメント
>>通りすがり ソ..
by Appleは超絶ブラック企業 at 01:30
>デスクトップ級スマート..
by 通りすがり at 03:27
7年前に書いた駄文が、今..
by antonin at 02:20
助かりました。古典文学の..
by サボり気味の学生さん at 19:45
Appleから金でも貰っ..
by デスクトップ級スマートフォン at 22:10
以前の記事

自治体マークの不思議

小学生の頃、夏休みの自由研究として、区章の一覧を作った事がある。プリントゴッコでシートを印刷し、電話帳から東京23区各区のマークを書き写した。その横に区のデータなどを調べて併記するのだが、当時はwebなどもなく、小学生が自力で各種データを収集するのは難しかった。そこで図書館で調べ物をしたり、24の区庁舎や郷土資料館などを訪れて各区の特徴などを足で調べたりすれば、非常に優れた自由研究になっただろう。けれども私はそんな立派な子供ではちっともなかったので、適当に区章の由来などをデッチ上げて学校に提出した。

当時私は板橋区に住んでいたので、区から配布される冊子などを読んで、板橋区の区章だけは正確な由来を知る事ができた。

板橋区の紋章・コミュニケーションマーク | 板橋区

中央の野球のボールのような模様がカタカナの「イ」と「タ」をあしらったもので、その周りにやはりカタカナの「ハ」が4つ配置されて、「イタハ四」で「いたばし」という具合になっている。「本区の限りない発展を象徴しています」ということになっているけれども、これはまぁタテマエである。輝く四芒星くらいはイメージしているのだろう。この区章がデザインされたのと同時期に制定された区章や全国の自治体の紋章では、このように地名文字を使ったデザインが主流で、似たような文字探しの出来るマークが多い。

板橋区の前に住んでいた新宿区のマークはなかなか特徴的で、新宿の「新」の字を流し書きした形をベースにしているという。

新宿区紋章

このマークが、子供心に「ウルトラサイン」に見えたものだった。いつの時期からだったか、歴代ウルトラマンが実は家族だったというような設定になり、彼らが地球の空にサインメッセージを書くというような設定も追加された。私が幼稚園児だった当時放映されていた「ウルトラマンレオ」の胸というか腹というかそのあたりに、ウルトラサインっぽい記号が付いているのだけれども、これが新宿区章にどことなく似ていたのだった。

ウルトラマンレオ - Google イメージ検索
(適当に探してください)

現在は江戸川区に住んでいる。江戸川区のマークはデザイン的には優れているものの、文字探しという意味ではカタカナの「エ」をベースにしているだけで、特に技巧的なところはない。漢字の「江」もシンプルな文字なので、こちらをベースにしたらもっと面白かったのにな、と思うが、たぶん余計なお世話。

江戸川区 区の紹介 区の紋章

江戸川区も子育てのしにくい都区内においてはなかなか充実した環境ではあるものの、南北に広がった江戸川区の外れに住んでいるので、湾岸地区にある葛西臨海公園などはディズニーランドに遊びに行くくらいの気合を入れないと利用できない。隣接する葛飾区にも良い公営施設がたくさんあり、また特に居住地にこだわらず開放されているので、子供を連れてよく利用したりしている。

葛飾区の区章もカタカナの「カ」をベースにデザインされたもので、いやむしろ、カタカナの「カ」そのものにしか見えない。

区のデータ(葛飾区について、面積、人口・世帯数、区役所について)

これは力強い大胆なデザインで好きなのだけれども、最近までは文字探しの楽しみには適さない区章だと信じていた。上記の公式サイトにも、「伸びゆく葛飾区を象徴する意味で「カツシカ」の頭文字の「カ」と(力)(ちから)を併せた意味をもちます」と説明されている。確かに力強いデザインで、「力」(ちから)の意味を持っているというのもよくわかる。形も一緒だし。

だが、このマークを繰り返し見ているうちに、私はデザイナーの秘めたるメッセージを読み取ってしまったのだ。公式サイトにも書かれていないので勝手な想像なのだが、このマークを解釈してみたい。籠目模様の共有から日本人ユダヤ人同祖説を言い出すくらいスリリングな心境である。

まず、自明ながらこのマークは葛飾区の「カ」の字を表している。次に、このデザインを良く見ると、縦棒を無視すれば、その形はひらがなの「つ」であるようにも見える。「カ」の字の払いが大きく造られているので、それが「つ」に見えるのだ。そして最後に、この太い字に見えるデザインは、あまりにも四角い。そう、「四角」なのだ。3つのキーワードを連結してみよう。

「カ」「つ」「四角」

さぁなんと読む。驚くことに、「かつしかく」ではないか!! こんなすごい事が、あのシンプルなデザインに隠されていたとは!! そしてそれを公式説明に表さない奥ゆかしさ!! これぞまさに文字探しの上級アイテムだったのだ!!

まぁ本当かどうかわかりませんが、本当だったら面白いですね。制定が昭和26年とあるので、デザイナーさんはもう鬼籍に入られているのだろうか。この戦後5年過ぎという時期は多くの自治体紋章が制定された時期なので、頓知とグラフィックデザインのセンスを兼ね備えた優れたデザイナーであれば、全国にかなり多くの作品を残されているのではないかと思う。

こういう公共財であるデザインにデザイナーの名が添えられる機会は少ないのだが、歌には作詞作曲者の名が添えられる事が多いので、ぜひこうした優れたデザインにも作者名を添えて欲しいものだ。あるいはグラフィックデザイナーとしてはこういう税金仕事というのは必ずしも本意ではないのか。

ピョートル・チャイコフスキーは国威高揚のために作曲を依頼され、ちょっとハイテンションな「1812年」という名曲を残した。しかしあれはプロパガンダ的な作品であって、これをもってチャイコフスキー作品と評価しないで欲しい旨の感想を残しているらしい。カミーユ・サンサーンスも「動物の謝肉祭」に関して似たようなコメントを残しているというが、サンサーンスの場合はチャイコフスキーと違い、これが代表作扱いされているのがかなり気の毒。交響曲第3番オルガン付きのような大作もあるのに、「白鳥」の作者としてしか評価されないのは確かに本意ではないだろうなぁ。

ところで、世界の国旗などはもともとが船の国籍を表すという用途から発しているので、横長の布地を前提としたデザインになっている事が多い。また、細かい模様は見えないが色ならわかるという船舶信号の前提から、シンプルながらカラフルなデザインが多い。しかし一方で自治体の紋章というやつは、形状は定められているものの色は定められていないことが多い。

もちろん自治体ごとのイメージカラーのようなものはあるのだけれども、どれも単色刷りであって、多色刷りが前提の紋章というものは見たことがない。また、長方形ベースの紋章というものもなく、多くが正方形や円形などの天地左右が同寸法のデザインとなっている。デザインの基本思想としては、旗ではなくて印章なのである。こういう紋章の制定というのは、いったい誰がどういうつもりで定めたものなのだろうか。おそらくは、藩主の家紋に取って代わるべきものだったのだろう。

このテーマの自由研究で味をしめた翌年の夏は47都道府県章で同じことをやったが、適当なことを書いていたのがバレて、こちらは低評価だった。翌年は乾球と湿球を備えた温度計を買ってもらい、天気記号、温度、湿度、不快指数などを記入できるシートをプリントゴッコで印刷し、まとめた。あれは結構面白かった。夏休みに雪は降らないので、ヒョウでも降らないかと期待していたがダメだった。天気記号というのも紋章的には面白く、風向記号が付いたりするとまた趣が変わって面白い。
[PR]
by antonin | 2008-08-29 04:14 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://antonin.exblog.jp/tb/9389252
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
<< 大草原の小さな家と大都会の小さな部屋 なぜ? どうして? がおがおぶー >>


フォロー中のブログ
外部リンク
外部リンク
ライフログ
ブログパーツ
Notesを使いこなす
ブログジャンル