安敦誌


つまらない話など
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妄想メモ

躁転もピークをかなり過ぎ、緩やかに下降している。今日もムスメを連れて、夏休み最後の日曜日を楽しむ親子連れでにぎわう屋外プールで泳いできたから、体が疲れていて眠ることができそうだ。

けれども"hypergraphia"状態はまだ継続していて、書きたいことが山のように生まれ続ける。書きたいと思っているうちに書いてしまわないと情熱が過ぎてどうでもよくなってしまうので、できれば書いておきたいところではあるのだが、あまり脳を酷使しすぎると仕事にも生活にも差し支えるので、自粛する。そして例によってメモだけ書いておく。

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『袈裟という芸術』

仏教の基本思想は、人間の苦悩は全て人間の欲から生じているから、全ての欲を捨て去ることで全ての苦悩から開放されるという原則に依っている。その中には当然に金銭欲と物欲の放棄が含まれていて、衣服を所有するのも苦悩の元だから、ぼろきれを纏っていれば十分だと仏教は説く。そのぼろきれが袈裟なのだけれども、仏教は日本へ渡ってくるまでの長い旅路の中で、多くの現実的な妥協を通じて布教を進めてきた。そして日本の仏僧は世界的に見て最も壮麗優美な袈裟を纏っている。

しかしそこには「物を欲するなかれ、華美を欲するなかれ」という基本教義が残されていて、その基本思想と現実とのスリリングなせめぎあいから生まれた日本の袈裟は、実に倒錯した美を見せている。その屈折した美を理解するのは難しいが、そこには人類が到達したひとつの極致美がある。そういう話。

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『「フツーにスゴい」の現在地点』

何にでも「チョー」を付けて話す言葉が批判された時期があった。何にでも「カワイー」という評価を下すことが批判された時期があった。何を聞いても「ウソー」と反応する軽薄さが批判された時期があった。そして更に前には褒め言葉として使われる「スゴい」という言葉に対する強烈な違和感が語られる時代があった。

「すごい」を漢字訓読で書けば「凄い」となる。この字で熟語を作れば「凄惨」となる。「すごい」というのは「むごたらしい」というのと似た印象を持つ言葉であった。原爆投下地点としてのグラウンド・ゼロも、航空機自爆テロ現場としてのグラウンド・ゼロも、どちらもともに「あまりにすごい」という形容にふさわしい現場であった。

それが今では、「大変素晴らしい」あるいは「超人的である」というような意味合いとしてすっかり定着した。「すごく」という副詞形もこれに近い変化を見せている。「すごい」という言葉のすごい変化を認める日本語ってすごい。どちらの意味に読み取るかで全く違う文章になるが、どちらでも通じて面白い。そういう話。

「フツーに」のほうは言いたいことがもう書かれているので省略。
「普通においしい」 - 平野啓一郎公式ブログ

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『性同一性障害とは何か』

「性同一性障害」イコール「同性愛」という認識で、本当にいいのか。男性としての体を持ちながら女性として振舞う、いわゆる「オカマ」な人々を見るに、本当にあれが性同一性障害なのかと疑問に思う。もちろん中には女性以上に女性的な人もいて、それはおそらく「障害」と呼ぶにふさわしい遺伝的矛盾に苦しんできた人の姿を読み取るのだけれども、多くは幼児期の性的暴行による後天的な障害であったり、女性に対する性欲が昂じた果てに自分が女性の姿になることでその欲望を充足させたような人も見受ける。

性差というのは肉体だけのものでもなければ、性欲だけのものでもないだろう。同性に惚れるという現象は別に倒錯ではなく、同性であるからこそ惚れるという性質もまたある。そこで肉欲を覚えるかといえば、多くの場合そんなことはないだろう。「地図を読めない女と話を聞かない男」というような本が売れたことがあったけれども、しばしば「智に働いて角が立つ」のが男であり、しばしば「情に棹差して流される」のが女だろう。

理で考え、権力を志向する女性は、さぞ生きづらい世の中だろう。情を感じ、ささやかな生活を志向する男性は、さぞ生きづらい世の中だろう。こういう形の「性同一性障害」というものもあるのではないか。もちろんそれも不均一な性の問題の中ではごく一部ではあるだろうが、やはり同性愛者だけがこの障害を代表してしまうのは納得できない。そういう話。

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『検事と弁護士の適正距離』

裁判という制度そのものが、弁論によって正義を論じようとする西洋的な文化の結晶のような存在である。ソクラテスも、裁判で自己弁護したが敗れ、悪法もまた法なりと言って死ぬ。仁義の体系である漢文化の影響を色濃く残す日本の風土には合わない。

告訴も弁護もともに、真実を語るプロセスと考えられている。現実というのは常に複雑なもので、見る角度によって複雑にその姿を変える。一点からのみ真実を眺めると判断を誤るので、二者の争いでは常に二者の意見を聞く。これにより真実はいくらか観察しやすくなる。これが裁判と弁護の基本原理である。人間の顔に目が二つ付いているのと同じような理由である。

これもまたギリシアの昔から起こっていたことではあるが、異なる視点から真実を照らし出すのではなく、黒と知るものを敢えて白と言う詭弁術が育ってしまった。これにより審判人は、右目と左目に全く違う絵を見せられたときのように混乱してしまう。コントラストの強い絵を交互に見せられたときのように、錯乱してしまう。裁判現場の錯乱は、たいていこうした事情によって引き起こされる。

少年犯罪者を保護する法文も、精神障害犯罪者を保護する法文も、その起源においてはどれも正しい価値を持っていた。しかしそれが濫用されることで批判されるに至った。そういう話。

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『工学としての経済学』

エンジニアが経済学を勉強すると、結構面白い。そこには初等的な数式やグラフを使って、経済的な現象が大雑把に説明されている。もちろんそこには文系学問に特有の不思議な術語が多用されているので面食らうが、理系学問に特有の術語と互換性が低いという程度であって、慣れると大したことはない。数学に慣れない学生は経済理論に現れる積分記号などを見て泡を吹くが、理工系で言う「高等数学」はほとんど使用されていない。大学受験程度でだいたい用が足りる。

経済学の世界的最先端ではもちろん高度な議論が行われているに違いないが、そこにはどれだけ工学の基礎知識が行き渡っているのだろうか。経済というマクロで複雑な現象に対して、勝馬の尻馬に乗るだけが目的の博打打ちには理論より勘と度胸が重要だが、これを統制して経済システムを安定的に運用しようとするならば、そこには制御工学の考えが必須であるはずだ。

大学時代に授業で指定された教科書の大半は結婚の際に捨てられてしまったが、どうしても残しておきたいと頼み込んで捨てずに取っておいた本がいくつかある。その少ない生き残りの中に「制御工学基礎論」という本があって、その序を読むと「『学んで時に之を習う、またよろこばしからずや』ということばがある。電気技術者は大学を卒業した後にもたえず勉強を続けることが特に要請される。本講座がその際のよき伴侶としてお役に立てれば二重の幸いである」とあって涙が出そうになる。この本にある制御工学理論は、経済学の理解にあっても必ず役に立つだろう。そういう話。

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これらの話を通常の力の入れ具合で書こうとすると、おそらく平均で上記の5倍くらいの分量になると思うが、上記くらいの分量がむしろ適切なのかもしれない。上の話はどれも水面に顔を出した孤島であって連携していないが、水面下に広い裾野を広げていて、水の底で一枚のプレートを形成している。水深が30mを超えてくると説明が難しくなる。水深が500mくらいになると1年では書ききれない程度の内容になってしまう。水深が10000m程になって、別のプレートが潜り込んでいたりする場所だと、自分でもよくわからない現象が起こっている。
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by antonin | 2008-08-31 22:21 | Trackback | Comments(0)
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