安敦誌


つまらない話など
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真秋の夜の夢

この世には二種類の人間がいる。Aとnot Aだ。

困った人がやってくる。not Aは言う。
「お前のような身も心も貧しい人間に施しなどするとこちらまで貧しくなる。二度と顔を見せるな」

困った人がやってくる。Aは言う。
「あなたのような貧しい人が声を懸けてくださったおかげで、私は自分の心の貧しさに気が付きました。これはわずかばかりのお礼です。どうぞお受け取りください」

なんていう短い物語は星の数ほどあって、Aもnot Aも、その表現は海に住む魚の数ほどある。どれもこれもそれなりの教訓を含んでいてありがたいのだけれども、詰め将棋の問題のようでもある。よく工夫されていて、いろいろと考えさせられるのだが、どれもこれも似たり寄ったりにも見える。

詰め将棋に喩えるような小話も、それこそ砂漠の砂の数ほどあって退屈なのだが、ときどき手詰まりになるような怪しい問題が紛れ込んでいる。ルールを変えなくては、その問題は解けない。そういう罠がまれに仕掛けられていて、砂漠というのは油断がならない場所である。

ルールを変えなくては解くことができないと長く信じられてきた問題があったのに、千年に一人の知恵者がやってきて、一夜にして問題を解いて去っていくことさえある。世の中というのは実に油断がならない。そして、世の中は深遠で人知の及ばないものであるという警句もまた樹林の松葉の本数ほどもある。

松葉の中を顕微鏡で覗くと多数の細胞があって、それぞれの細胞核の中にはDNA鎖が泳いでいる。その細胞を液体窒素温度で瞬時に冷凍して細胞をスライスし、電子顕微鏡を高めの加速電圧にして透過像を観察すると、二重膜構造をとったリン脂質による球状組織を見つけることができる。細胞核に寄り添って漂うその矮小な組織を拡大して観察すると、そこに私の顔が映っている。おお、そんなところにいたのか私は。

こうなるとだいたい世の中に飽き飽きしていて、生まれたばかりの子供を抱いた重みが腕に掛かるのが心安らぐ。徳光和夫さんみたいな顔をしたこの赤ん坊が、ときどき顔を真っ赤にしながらも平然と腕の中で目をつぶってうにゃうにゃと動いているのを見ると、結局はこういうことなのだろうな、となる。

こういう着地点もまた港の数ほどにあって、港に停泊中の船乗りたちは束の間の休息を最大限に楽しむのだという。秋の夜の夢にしては少々暑苦しいように思う。
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by antonin | 2008-09-28 23:30 | Trackback | Comments(0)
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