安敦誌


つまらない話など
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見えない敵との戦い方

私は基本的に、裏を読むとかそうしたことが苦手だ。先を読むのも苦手だ。常に目の前のエサに向かって全力疾走だ。そういう間抜け加減が人から馬鹿にされるのだが、馬鹿というものは案外に馬力が強く、その馬力がものをいう場面というものも結構あって、馬鹿力というものもなかなか馬鹿にできない。表というものは、時として裏の裏でもあるのだ。

Google street viewがプライバシーの侵害だという話があったが、Googleはとっくの昔にプライバシーを侵害しまくっている。今回はそのプライバシー情報をちょこっと一般向けにおすそ分けしたために大騒ぎになっているが、現在の技術力でこの程度の事は簡単に実行できてしまうのですよ、ということを我々に教えてくれるGoogleというのは、どちらかというとアメリカ的な鷹揚さを示しているようで、個人的には好ましく思っている。

Google MapやGoogle Earthにしても、アメリカの軍事衛星は「最低でも」これくらいの情報を日々集めているのですよ、ということを我々にえらく具体的な形で教えてくれたわけだし、2001年のweb検索を再現というネタにしても、一度webに流した情報はなかなか消えないものであるのだとか、かといって永久に消えないというものでもないという現実の加減を、私たちに教えてくれるGoogle的な啓蒙活動の一環であるようにも見える。基本は楽しんでやっているのだろうが。

メディア・リテラシーというものが、メディアが連日垂れ流す情報を頭から信じてはいけないが、頭から否定するのもまたいけないのだということを指しているのだと、私は最近になって学んだ。その厄介な教訓の出所は文藝春秋社だったりtel君だったりしたわけだが、かといって日常的に裏の裏を読み続ける生活は体に合わないので、そういう裏側の存在は押さえた上で、基本的には表向きの情報を信用する方向で生きていこうと思った。

そういう大前提がある上で、自分なりの裏の読み方を考えてみようと思う。

まず、情報を隠して送るための古典的手法といえば暗号だが、暗号論というのは通信論の派生理論でもある。通信のうち、ある情報を持っている場合と持っていない場合で、復号に要する計算量が桁違いに異なるような符号化技術に関する理論が暗号論である。

これはこれで重要な理論ではあるが、現代のような情報通信が膨大な量になっている現代では、もっと素朴な情報理論であっても情報の秘匿に役立つ。というのも、1940年代にクロード・シャノンさんが情報理論を確立したときから、情報には確率論的な情報量というものがあることが明らかになっている。簡単に言うと、珍しい情報ほど情報論的な価値が高いのである。

これほど情報セキュリティが騒がれている現代でも、電子メールの通信文というのはほとんど暗号化されていない。にもかかわらず、大きな問題は発生していない。というのも、通信路を傍受すれば情報を取得することは確かに可能だが、現在は通信量が膨大であるために、重要でない情報から重要な情報を選び取る作業のほうがはるかに手間がかかり、それに比べれば暗号を解読する手間などたいしたことはないという現実がある。

逆に言えば、暗号化されている情報というのは通信量全体に占める割合はわずかであり、したがってそれは珍しい。先に書いたように、珍しい情報というのは情報論的な価値が高いのである。暗号化されている情報というものはそれだけで、解読する価値がある情報がまぎれている可能性が高いという目印でもあるのだ。

だから、いわゆる暗号理論で研究され尽くしたようなDESだのRSAだのという古典的な暗号化で情報を送れば、封筒に(秘)マークが丸見えの状態で秘密文書を送るようなものに違いない。もちろんこれは警備会社の警備員によって護送される現金輸送と同じようなもので、素人からの略奪には有効であるが、大きな組織が本気を出すような事態になれば、むしろ標的になりやすいのだともいえる。暗号を解読するとついでに暗号化鍵が手に入る場合もあるが、そうなると芋づる的に秘密情報が手に入って、一粒で二度おいしい。

世間にはフリーソフトウェアによる暗号化ソフトというものもあるが、あれはどうなんだろう。日本人には善良な人が多いので、本当に有用なソフトを本当の善意で作ってくれるということもあるだろうが、海外のソフトにもこれを当てはめるという気にはあまりならない。

つまり、フリーの暗号化ソフトを配れば、それを利用する人の高度に重要な情報を選択的に扱うことができるようになる。そこで得た情報を、さりげなくソフトの製作者に送信するような細工も可能になる。100%もれなくイタズラをすればたちまち見つかってしまうだろうから、安全を確保できた環境のみこれを実行すればいい。ブラウザがIEしかなく、しかもIEがパスワードを記憶するように設定している環境など、これは実に良いカモだ。

まぁ、長期的に実利を得ようとするなら、サラミ・スライシングくらいは使うだろうから、よほどのことがなければ平凡な個人に深刻な害は無いし、そもそも大半は信用できるソフトウェアだろうから、まずはツールを信用してみるのがいいだろう。ただ、疑う態度くらいは必要なのだろう。

こういうわけで、だいたいにおいてGoogleは信用できるツールだと思っている。けれども、これは決して敵に回してはならない勢力であるようにも見える。強力な道具というものは、えてして凶器としても強力なのだ。それを使うのをやめるか使いこなすか、結局はどちらかを選ばなくてはならない。

日本が国家としての独立を叫ぶのは構わないが、結局のところアメリカ傘下の「自由主義共栄圏」あるいは「米帝」の一員に過ぎないのであって、その一員であることを嫌うよりは、その一員である立場を最大限に利用するほうが賢いように思う。Googleもまたサイバー世界における帝国を形成しているわけだが、これもまた上手に利用すれば良いのだと思う。

で、この記事もGoogleやYahooの検索システムによって瞬時に解析され、ランキングされるわけだが、それはそれで構わないと思う。良い道具というのは、権力の末端にある我々にとっても、権力の頂点にある勢力にとっても、等しく諸刃の剣になっているはずである。

ただ、こうした権力に一矢報いる風刺精神が残っているのも、それはそれで健全な状態だろう。木を隠すには森なのであって、たとえば昔のジョークソフトのように、一見エロSPAMのような文面に重要情報を秘匿する暗号化ソフトを公開してみるだとか、あるいは国家機密級に厳密な暗号化を施した情報に子供の入浴風景を撮影した写真を入れて.go.jpなアドレスに送信してみるだとか、そんな「ささやかな抵抗」をしてみてもいいだろう。

来年の4月1日に向けて、こういう「サイバーテロ」を仕組んでみても面白いかもしれない。でも、できれば見せしめ逮捕とかはしないで欲しい。笑って許して。

参考:
カルチャー・ジャミング

中間者攻撃 - Wikipedia
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by antonin | 2008-10-14 23:40 | Trackback | Comments(0)
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