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今度の職場での仕事はコーディングが中心で、前の仕事のようにデータをまとめてグラフを書いてプレゼン資料作って報告書と特許を書いて、なんて事務仕事が激減した。というわけなので、1年と少しの期間にわたってOOoを使っていた。機能的には十分に実用水準に達していて、操作感の違いも慣れると問題がないという評判だったので1年間頑張ってみたが、正直言って業務に使える水準ではなかった。 言うまでもなく、Office Suitesというのは道具である。便利になるから使えるのであって、それを使うことによって不便になるようでは仕方がない。しかしOOoというものは、機能はMS Office95並みに豊富でいいのだが、性能のほうが全くよろしくない。処理速度云々というPC側の性能ではなく、使う人間に要らん手間を要求するという意味で、全く性能が悪い。1年ぶりにExcelをインストールして、その操作の自然さにほっとしているのが正直なところだ。 それでも2.0くらいの段階では、使い物にならない機能こそ大量にあるものの、基本機能はそれなりにシンプルで、Office95の頃を思い出すようなシンプルさがあってまだ良かった。もちろん、私は20代の数千時間をExcelと共に過ごしてきたので、Ctrl-1をはじめとして、多くのショートカットを指が覚えてしまっているという具合で、ごくわずかな操作方法の違いにいらついているという事情もあった。 それが3.0にアップデートしてみると、その質はあらゆる意味でMS Officeに近づいていた。かつてCalcで使えなかったセル設定のショートカットがCtrl-1に設定されていた。これはうれしい。しかし、グラフデータをImpressに貼り付けると、Impressは無情にもクラッシュして、Sunへのクラッシュレポートを書かされる羽目に何度も陥った。バイナリは巨大化した。各種機能の挙動がだんだん複雑で理解しにくいものになってきた。不要な自動機能が増えてきた。 そして、Calcのソートはあいも変わらずunstableなquick-sortのままだった。stableソートだからこそ、ダイアログのソート項目はたった3つで済む。まず優先順位の低いキーでソートを掛けておき、徐々に優先順位の高いキーを使って順にソートを繰り返せばいいからだ。しかしCalcのソートはunstableなので、再度ソートをすると同値レコード間の順列は不規則に乱れる。だから、ソート前の序列をソートに知らせるためのダミー項目を作り、そこに整数を並べる。これをソートダイアログの第3項目に入れれば、とりあえず目的は達成できる。 だが、それでは1回のソートにつきたった2項目しか処理できず、しかも次のステップに入るたびに自分で項目の数字を振りなおさなくてはならない。一応Issue trackerに数年前から投入されているこの項目は、「そのうちやるよ」から「3.1を目標に対応します」に変わっているので、ひょっとすると3.1では修正されているかもしれない。それまでは、Calcはろくにソートもできない表計算ソフトでしかない。 OOo 3.0のインストーラの発行元が、Sun Microsystems GmbHとなっていた。開発にはドイツ人が活躍しているらしい。何を思ってSunはOOoを開発しているのか。 先月で仕事に一区切りが付き、新しい仕事に入った。今度の仕事は、ドイツ人が書いたアプリケーションに機能を足していくというもので、ドイツ人がこねくり回したコードを読んだりしている。だが、10年以上前に書かれたコードを元にしていたりして、かなり具合の悪い構造をしている。システム全体の設計をおこなった技術者はなかなかセンスが良いようで、資料などを読んでもモジュール構成はかなり合理的にできている。 しかし、今手を入れているコードは、昔懐かしいスパゲッティ・ナポリタンの味がする。プログラミングを覚えたての人間が書けば必ずこうなるという、思考の過程をそのまま書き下したコードになっている。しかも、C++ではないCなのにも関わらず、極度にgotoを嫌った構造化の呪縛にとらわれているから、過剰な条件ブロックによって本来の制御構造が見えにくくなっている。これはこれで草稿としては良いものなのだけれども、その後数年にわたって機能拡張される際にも、ついにリファクタリングされずに今日まで伝わってきたようだ。 そして、ドイツから遠く離れた極東の地で、去年からプログラマに転向した新人中年がそれにコメントを付け足し、リファクタリングしようとしている。ひょっとするとこれは、今から10年前に大学を卒業したばかりの新人が書いたコードなのかもしれない。するとその新人は実は私と同世代の人間で、いまでもその仕事を続けているとしたら、業界10年選手の立派な中堅技術者に育っているなんていうこともあるのかもしれない。 コメントは英語に書き直してもらったのだが、本来はドイツ語だったらしく、単語の選定がどことなくおかしかったり、ときどきandがundになっていたりforがfuerになっていたりする。まぁ、なんだか楽しいじゃないか。
by antonin
| 2008-11-14 22:15
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