安敦誌


つまらない話など
by antonin
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そういや

7月29日になってますね、日付が。

あれから1年経ちました。
exblogの記事には全て通し番号がついていて、それはexblog全体の記事数を表しているようなのだけれど、さっきの記事が3,208,102番目なのに対して、最初の記事は19,925となっていて、ずいぶんと若い数字に見えます。

もうどうでもいいような気分でもあるのですが、一応1年の総括ということで統計データを出しておきましょうか。

集計開始日:2004年 07月 29日
訪問者数  3066人
148件の記事 | 201件のコメント | 20件のトラックバック

結構がんばったんじゃねぇの、という塩梅でございます。
特にアクセスアップを狙ったりということは考えておりませんので、あまたのBLOGの中から安敦誌に辿り着いてしまった酔狂な皆様、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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by antonin | 2005-07-29 04:23 | Trackback | Comments(0)

ソニーショック

<ソニー>3月期連結業績を大幅下方修正 テレビ販売不振で | Excite エキサイト : ニュース

ソニーは世界に冠たるエレクトロニクスの巨人で、日本の宝だそうな。なんでも「神通力」とやらがあったらしく、それが弱ったと世間は騒ぎ立てる。電子産業関係の雑誌を個人的に購読しているのだけれど、こちらの編集部がまたずいぶんとソニーのシンパで、どうしたらソニーが復活できるのか、なんて肩入れ記事をしばしば掲載している。郵便局なら国民の共有財産ですが、ソニーは一私企業ですから、なぜそんなにご執心なのか理解しかねます。

中学生くらいの頃に「ウォークマン」のブームがあり、ちょっとミテクレにうるさい奴らはソニーのウォークマンをかばんに潜ませたりしていた。私はカタログを見て、取り立てて面白い機能もないし、同スペックの他社製品に比べてだいたい2割増しくらいの値段で売られていたソニーのウォークマンが嫌いで、そしてそういう商売をするソニーが嫌いだった。「ウォークマン」は単なる商品名だから、ヘッドフォンステレオ、あるいはその頭文字を取ってHPSと呼ぶべきだなんて声に同調していた。当然自分で購入したのもソニー製ではないそれだった。

まぁそれは、「流行は気になるけど流行に乗るのは嫌い」というアマノジャクな性格が出ていただけと言ったらそれまでかもしれない。確かにゲームウォッチブームのときも任天堂のには手を出さなかったし、ファミコンだってプログラムを入力できないものはコンピューターとは言わないという思い込みで軽蔑していた。自分でプログラムが組めたわけでもないのに。(ファミリー・ベーシックという商品は当時知らなかった)

また話が逸れましたが、そんなブランドプレミアムがあったソニーが最近どうも業績が芳しくなく、特に「本業」であるエレクトロニクス分野で分が悪いようです。トリニトロン管を使ったテレビやMDウォークマンなど従来強みを発揮していた分野が、液晶テレビやMP3プレーヤーなどの新技術に押され、あわててその分野に追いつこうと大出血価格で商品を大量出荷した挙句の赤字転落とのことらしいです。

過去のソニーブランドを愛した方々であれば、何やってるんだ幻滅だぞソニーという感じなのでしょうが、アンチ・ソニーの過去を持つ身としては、やーいざまぁみろ、というでもなく、ようやく我々の目線へ降りていらっしゃいましたね、という感じであります。もうちょっと産みの苦しみを味わって、変なプレミアムを振りかざす企業を脱皮し、ちゃんと良い品を妥当な価格で世に送り出す会社に生まれ変わっていただければと思います。それじゃぁ所有する愉悦が味わえないと、ファンの方々は残念がるのでしょうが。

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昨日まとめ買いをした杉浦日向子さんの本のうち、マンガ本を会社へ持っていくのは少々憚られるので、「もっとソバ屋で憩う」というのを持ち歩いて読んでみた。まだ拾い読みの段階なのだが、冒頭に次のような一節を発見した。
昼と夕の間に、並木で(註:そば屋の「並木藪蕎麦」のこと)、焼き海苔を、蚕のようにはじからみみっちく食みつつ、徳利の冷やを、ちびちびやる。外はまだ明るい。ほの暗い店内では、おとなたちが、てんでに手酌で、つかのまのバカンスを紡いでいる。年を重ねるのも悪くはない。人生まんざら捨てたもんじゃない。ドンマイ、大丈夫。

そう言って人生を悟った人が、わずかに46年でこの世を去るのは本当に惜しい。まぁ、あんまり惜しい惜しいって言うと亡き人が成仏できないと仏法は説くから、もうこの辺にするけれども、こういう人に30代で隠居宣言させた声は、46才で冥府へ呼んだのと同じところから発したのだろうか。なんというか。

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もうひとつ別のニュースを引いてみる。

男性人口が初の減少=全国1億2686万人 | Excite エキサイト : ニュース

日本では、人口減少社会がそろそろ始まる。一方で、いわゆる団塊の世代を向かえ入れる高齢者人口は、しばらく増加する。新しい世紀の幕開けにふさわしい転換点を、いま静かに迎えている。団塊ジュニアとか呼ばれる私たちの世代がすっかり棺桶に入ってしまうまでは、しばらく人口ピラミッドではなく人口茶壷というような、安定の悪い世代分布を持つ社会になるだろう。政府の借金も減らず、今後の政治は難しい舵取りが必要になってくる。

まぁ、あんなにひどい戦争があったって、この島国から人がいなくなることはなかったわけで、それほど期待せずに生きていれば、案外未来は悪くないのかもしれない。ドンマイ、大丈夫。
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by antonin | 2005-07-29 03:08 | Trackback | Comments(0)

追悼と散財

杉浦日向子さんの悲報に接し、しばし凹んでおりましたが、ようやく回復してまいりました。まだ初七日も経ないうちですから、平常に戻るには早いのかもしれませんが、そこは他人の情の薄さかもしれません。

本日、そこそこの残業が済んでから、いつものショッピングモールへ行ってまいりました。大きな書店であれば杉浦さんの特集コーナーでもできているかな、との算段だったのですが、店内を巡るもそのようなものは見当たらず、結局文庫のコーナーに通常通りの在庫があるのみでした。あの知らせを受けたあと、「江戸アルキ帖」でも読み返したかったのですが、トルコから企業研修に来ている学生に貸してしまっており読めなかったので、他の作品を探そうと思い立ったわけです。

新潮文庫から発行されている5冊が棚に並んでいて、すでに手にしている「江戸アルキ帖」を除く4冊を購入してきました。タイトルは以下の通り。

百物語」  ¥860(税込)
大江戸美味草紙」 ¥420(税込)
もっとソバ屋で憩う -きっと満足123店-」 ¥660(税込)
一日江戸人」 ¥460(税込)

このうち、「百物語」だけがマンガの体裁をしていました。普通に新潮文庫の装丁をして、それとわからずに棚に混じっているマンガが他にもあるのでしょうか。今リンクを張るために検索なんぞしてみると、ちくま文庫からも主要作品が出ているようですね。今度見てみよう。しかし、著者ご本人が亡くなられてから著作に気付くという悲しさ。情けなさ。世代的に一回りしか違わないので、なおさら思いを深くします。

本屋を出ると、もうお茶を一服という時間でもなかったので、これも行きつけのコーヒーショップ(豆と粉を売るほうの)に立ち寄り、食品数点を購入。ひとつは、職場で飲むためのティーバッグ。いろいろあって迷ったが、またTwiningsのPrince of Wales Teaにしてしまった。菓子や砂糖を合わせずにそのまま飲むなら、これが一番うまいような気がします。次は、およそ半額で売られていたマカダミアナッツ・チョコを衝動買い。この時期、部屋で融けてしまいそうではありますが。

あと、店先で安売りされていたスペインかどこかの炭酸水のビン。しばらく前に母がカプリ島の土産に買ってきたレモンリキュールが、どうにも日本の水に合わないので、やむなく購入。帰宅後、食後酒としてリキュール1に炭酸水3くらいで薄く割ってみたのだが、けっこううまかった。それはレモンサワーとどう違うのかと言われると困りますが。

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花火の季節。地下で火薬をドカンとやるよりは、こうして空にぶち上げてみませんか。
ちなみに毎年こちらを見物させて頂いております。地域の皆様ありがとうございます。

エキサイティング花火2005 第30回江戸川区花火大会
第21回市川市民納涼花火大会

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by antonin | 2005-07-28 01:53 | Trackback(1) | Comments(0)

杉浦日向子さん

杉浦日向子さん急死46歳、下咽頭がん | Excite エキサイト : ニュース

帰宅前、職場でYahoo! Japanのトップページをチラッと見ると杉浦さんの名前があったので、久しぶりにお目に掛かりますとばかりに喜んだのですが、直後にそれはひどい困惑に変わってしまいました。

上記ニュースタイトルには「杉浦日向子さん急死」とあって、確かに感覚的にはその通りなのですが、別のニュースソースによれば「1年8カ月前から闘病生活を続けていた」との情報もあり、若年性の癌としては長い闘病の末の訃報とも言えます。

文筆家の杉浦日向子さん死去 江戸風俗研究・漫画で活躍 (朝日新聞) - goo ニュース

この情報が確かであれば、文庫で杉浦さんの「江戸アルキ帖」を購入したと報告した記事を書いた時点で、杉浦さんはすでに病魔に冒されていたことになります。そんな事とは露知らず、これからの「隠居生活」に期待していましたが、こんなに早い幕切れを知らされ非常に残念です。

過去幾多の有名人の訃報というものに接してきましたが、今回ほど大きな衝撃を受けた記憶はありません。NHKの「お江戸でござる」で穏やかな語り口を聞かせてくれたのを昨日の事のように覚えています。

末筆になりましたが、杉浦日向子さんのご冥福を心からお祈り申し上げます。
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by antonin | 2005-07-25 19:27 | Trackback(1) | Comments(0)

地震列島に住む

厄介事が来月初頭でついに最後の山場を迎える。
しかし、全てにケリが付くのは、おそらく16年後。

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関東地方で強い地震、27人負傷 | Excite エキサイト : ニュース

蓮田市のスーパー店内で例の地震を迎えたが、意外に都心で被害が大きかったらしい。しかし、久喜、伊奈、岩槻で震度4だったのに蓮田だけ震度3というのは何事か。まぁ、体感的にも3か4か迷う程度ではあった。(ローカルな地理がわからなくても無理はないので、スカッと無視してください。)

今世紀前半に東海道エリアで大きな地震があるということはほとんどはっきりしているので、書棚、食器棚、テレビの3点だけは転倒対策を打っておくことにした。この3つだけは命にかかわる。タンスはどうした、という気もするかもしれないが、我が家に箪笥はない。衣装掛けとプラケースがいくつかあるだけなので、命には影響しない。落ちてきても命に影響しないくらい軽いテレビの購入を提案してもいいのだが、たぶん却下される。

こういう地震があると、非常食としてカンパンとか長期保存水とかいう、いかにも防災用という食品が売れるようだが、ああいうメンテナンスの難しいものは買わないことにしている。長期保存に耐えるといってもせいぜい1年から5年程度であるし、いくら被災時だからと言って、普段食べ慣れないものはなかなか食べる気にはなれない。古いものならなおさらだろう。被災時のストレスというのはそういうところからじわじわと蓄積していく。

それより、ペットボトルの飲み物を少し余計に買ってあるとか、安売りで買ってしまったレトルト食品の買い置きが台所に眠っているとか、カセットコンロのボンベを買いだめしてあるとか、そういう少々貧乏臭い対策の方が実際には役に立つのではないかと思っている。災害がないまま保存期限を迎えても、日常の食卓にこっそり上げてしまえばそれまでなのだから、特別な出費とはならない。趣味がアウトドア・キャンプという人は、野外で3日暮らせる装備を自宅に置いて、半年ごとに実際キャンプをすれば、趣味が防災訓練になるのだからとてもいいんじゃないかと思う。

実際3日分では足りないという状況はあるかもしれないが、そこはいくらまでの保険に加入するべきかというのと似たところであって、安心とコスト(金銭的なものに限らず)のバランスということになる。個人的には、家族が3日以上生きていけるだけの物資を置くほど家は広くないし、それまでには被害の及ばない地域へ逃げることができると思っている。

ムスメの通う保育園の隣にある居酒屋がつぶれ、債権として不動産を物納したのかどうか事情がわからないが、先日公園に生まれ変わった。その一角に、子供の水遊び用の井戸がある。関東平野の地下水のうち、最も表層に近いところを流れている水は飲用としての安全性に問題がある場合が多く、ここの井戸水も日常的に飲むことはできない。お役所的に「飲めます」と宣言するにはそれなりの対策を打つ必要があるから、ことなかれ主義的に「飲めません」と書いておく、という事情もあるのだろうが。

話が逸れたが、その井戸は災害時に飲用以外で自由に利用できることを目的としている。以前も書いたが、水道水は飲用に堪えうる品質を求められる一方で、量的にはほとんど飲用以外に利用されているので、その部分の代用を担うことになる。それを水遊び用に開放する意味は、日常的に使っていればポンプが故障したときにすぐにそれを見つけることができるとか、そういう水源がそこにあるということを住民が覚えているとかいうところにあるのだと思う。人間、特別なことというのは長続きしない。こういうアイデアは非常に優れていると思う。

百年に何度あるかわからない地震に対して災害時専用の物資倉庫などを置くのも国家レベルではいいかもしれないが、もっと零細な自治体などであれば、上に述べたのと似たようなことをすればいいと思う。日常用品を提供しているスーパーやそこへ卸す流通業者が倉庫の耐震・防火対策をするのに補助金を出せば、新鮮かつ消費者のニーズに沿った物資が災害時に確保できる。また、災害時に需要が急増する電池やサニタリー用品などの在庫を、販売に必要な適正在庫よりいくらか余計に置いておくのに伴うコストへの課税を減免するなどすれば、それほどの出費無しに、しかも住民に一番近いところに非常物資が確保できる。

なんというか、「いかにもやってますよ」という態度を見せずに物事に対処できるというのは、センスがいいと思う。なかなか難しいんですけどねぇ。
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by antonin | 2005-07-25 03:01 | Trackback | Comments(9)

今月の漂着地

またロンドンで爆発。
明日は我が身。

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1ヶ月以上もひとつのテーマを考えて、いくらかすっきりしました。まだときどき考えたりはしているのですが。まぁ、当分理屈っぽいことは置いておこう。その間に検索で行き着いた漂着地だけ列挙しておきます。

シャノンさんは偉かったというテーマで大学教授の先生方による座談会の記事があったので記録。たぶん、シャノンさんが亡くなられた頃の記事。

●「電子情報通信学会誌」より「シャノン理論の遺産と今後の展開

その他のキーワードと漂着地。

●「三井生命保険」より「長寿社会レポート

少子化」関係を検索していて漂着したのだけれど、単独キーワードではなかったはず。記録していなかった。
第19号に「パラサイト・シングルの時代」の山田さんが寄稿しています。

●「青髯館」より「備忘録

斜に構える」を検索していて漂着。
辞書によると、古い意味は「物事に対して十分に身構える。改まった態度をとる。」だそうで。知りませんでした。確かに、時代劇なんかで曲者を目の前にしたお侍が、腰に帯びた太刀に手をかけて片足引いて、相手に対して半身(はんみ)になってますね。刀を抜く前に。ああいうイメージでしょうか。

●「衒学ラボラトリー」より「禅問答

これはずばり「禅問答」を検索していて漂着。
一見不条理な問いの答えを考え抜くことで悟りに至るのですね。論理的な帰結に満足しているようではまだまだです。
しかし、「衒学」という言葉を知りませんでしたが、いい言葉ですね。覚えたての浅はかな知識をひけらかすことを心の糧に30余年生きてきました。衒学的な半生。

●「思想の世界」より「現代の世界観(3)

プラグマティズム」を検索していて漂着。
別に「実用主義」の信奉者ではないのですが、学生時代の英語のテキストがウィリアム・ジェームズの「プラグマティズム」という本だったので、なんとなく、思い出し検索。この人は実験心理学(というか前半は神経生理学)のも書いていて、そちらの方が面白かった記憶があります。

●「京都大学霊長類研究所」より「脳の世界

中枢神経 情報 流れ」を検索していて漂着。
「哲学的な問題について考えてしまうのは、仕事をバンバンさばいていないからだ」という仮説の予備調査のために。

●"Taro's Home Page"より「11月9日

ほふり 屠」を検索していて漂着。
「今日の探し物」というのがいい感じです。サーチストリームを思い出します。
「ほふり」については「証券替機構」をご覧下さい。
一応、辞書のほうも。

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スターウォーズの話はまたいずれ時間のあるときに。
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by antonin | 2005-07-22 03:11 | Trackback | Comments(0)

エピローグ

産業としてのディジタル化の利点は、2値化した信号だけを扱うことによって素子を単純化・規格化し、機器の信頼性を上げたり、コストを下げたり、小型化したりすることが容易になったというところにあると思います。その一方で、なぜディジタル回路で回路規模を増やすのが有利で、アナログ回路で線形性を上げるのが不利なのかという問題は、なぜ哺乳類が地上を支配する動物になったかというのと同じく、実は進化の偶然から生じた必然というような気がしています。

歴史にifは無しと言いますが、もしディジタル処理に有利なCMOS素子が発明されていなかったら、代わりに線形性を簡単に保証できる素子が発明されていたら、理論的研究も技術開発もアナログ回路向けに発展し、今頃はアナログデバイス全盛の世の中になっていたかもしれません。

最初にネタを振っておいて拾い忘れましたが、銀塩カメラとディジタルカメラの違いのうち、アナログとディジタルの本質とは関係がない違いが、いくつもあります。1)受像器が化学メディア(フィルム)か電子メディア(CCD)か。現像が入らないというのはディジタルの利点ではありません。また、CCD自体はアナログデバイスです。デジカメではCCDが吐き出した電荷によるアナログ信号をディジタル信号に変換しています。

2)受像メディア(CCD)と記録メディア(メモリーカード)の分離。これはあまりメリットがないかもしれません。3)消去・再利用可能な記録メディア。これは便利かもしれませんが、アナログだって可能です。4)シーケンシャル・アクセス・メディアとランダム・アクセス・メディア。フィルムはテープと同じく頭から順番にしか使えませんが、モメリカードは任意の順番で記録・再生ができます。5)その場で確認できる液晶ディスプレイの搭載。消去可能なメディアが生きるにはこれが欠かせませんが、これもアナログだってできます。8mmビデオカメラでは実際やっていました。

800万画素CCD(あるいはCMOSセンサーでもいいですが)搭載、液晶でその場で確認でき、書き換え型光ディスクにパルス幅変調かパルス位相変調で記録するけど、一切ディジタル技術を使わない完全電子武装のアナログカメラとかがあったらかっこいいかもしれません。値段が思いきり高そうですが。あと見てみたいのは、銀塩フィルムにレーザーでディジタル記録するカメラ。ウェットプロセスで定着・現像しないと読み出せません。意味ないですか。

「ディジタルとアナログってなんだろう」の(3)と(4)を公開する間に「スターウォーズ シスの復讐」を見てきました。ディジタルの本質はともかく、現在のディジタル技術がもてはやされる理由は、今回あまり述べなかった「計算可能性」に尽きるような感じですね。撮影した映像の編集だけでなく、計算で映像を作り出すCG合成も一大産業になりました。MPEGなどの圧縮技術は計算によって人間が捕らえやすい情報を抽出することで、情報源エントロピーの限界を超える圧縮を実現して、2時間ほどの映画を容量10GBに満たないDVDサイズに収めています。

マイクロプロセッサの動作周波数など、従来のディジタル半導体技術がそろそろ限界を迎えつつありますが、それは同時に新たなブレークスルーが起こる前兆とも考えられ、先の展開が楽しみです。現在の電子回路は電子の統計的な性質を利用したものがほとんどですが、量子力学の世界に住む粒子そのものの性質を使って物理的にディジタル処理を行う量子情報処理の研究なども、少しずつ成果が見え始めてきました。

最近あまり聞かなくなった高温超伝導ですが、こつこつと研究は進められていて、実は高温超伝導材料が特性的にもコスト的にも実用に一歩ずつ近づいているそうです。現在は船舶モーターなどの大型構造物に適用されているようですが、半導体プロセスに使えるような高温超伝導素子が実現すれば、IBMが開発を放棄したジョセフソン素子や、電子などフェルミ粒子の量子効果を使った演算・記憶素子が、あらためて実現するかもしれません。今後の研究に期待します。

駄文に長らくお付き合い頂きありがとうございました。

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ディジタルとアナログってなんだろう(1)
ディジタルとアナログってなんだろう(2)
ディジタルとアナログってなんだろう(3)
ディジタルとアナログってなんだろう(4)
エピローグ
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by antonin | 2005-07-20 00:28 | Trackback | Comments(0)

ディジタルとアナログってなんだろう(4)

アナログ信号を飛び飛びの標本値に変換しても元の連続値が完全に復元できる根拠が標本化定理という数学的な定理にあるという説明を前回しました。この定理は1920年代にAT&T(アメリカ電話電信会社)のベル研究所に在籍していた研究者ハリー・ナイキストにより提案され、1949年に同研究所のクロード・シャノンにより証明されました。

標本化定理と並んで、現在のディジタル機器を支えている理論が、標本化定理の証明と同時期にシャノンが発表した二つの数学的な定理です。ひとつは「情報源符号化定理」あるいは「シャノンの第一基本定理」と呼ばれるもので、もうひとつは「通信路符号化定理」あるいは「シャノンの第二基本定理」と呼ばれるものです。

参考:「情報通信メモ」より「平均情報量 エントロピー

参考:"Bell Labs"より"A Mathematical Theory of Communication"(英文・PDF)
(クロード・シャノンが1948年に発表した論文。「通信の数学的理論」)

情報源符号化定理のほうは、ある情報源が持つ情報量を「ビット(bit)」という単位で定義し、この別名「情報源エントロピー」という情報量の大きさまで通信符号の大きさ(単位はビット)を小さくできる可能性があるという定理です。

一方の通信路符号化定理は、通信路の容量(単位はビット/毎秒)を周波数帯域(Band Width)と信号対雑音比(Singal/Noise Ratio)から定義し、この通信路容量までは、誤りなく通信をおこなう方法が存在する可能性があるという定理です。

どちらも、取り扱う信号に有限の情報量を、言い換えると有限個の記号を使うことを前提としています。つまり、解釈上は無限の可能性を扱っているアナログ方式では、この二つの定理の強力なメリットを享受できません。一方で、有限の数値(または記号)を扱うディジタル方式ではこのメリットを享受できます。これが、現在ディジタル信号処理が非常に活躍している背景になっていると考えられます。

このディジタル信号処理のメリットのうち、「誤差訂正可能性」、つまり誤りなく通信をおこなう方法の具体的な例をいくつか見てみます。

まずは、閾値(「いきち」または「しきいち」,"Threshold")を使ったノイズの除去です。音楽CD(CD-DA)の符号化方式では音声信号を65536段階に量子化しますが、これを2進数に変換すると16桁になります。つまり、0と1の2段階しかとらない信号(ビット)が16個集まった信号に変換できます。現在ほとんどのディジタル回路はこのような2値信号を使用しています。この2値信号を回路電圧で表すとすると、0と1を表す2種類の電圧の区別さえ付けばよいことになります。実際の回路上の電圧は外部からの電磁場などによって信号波形が乱れます。このとき2種類の電圧さえ区別が付けばよいことを利用して、0と1を現す電圧の中間に、0と1を分ける境界線を引きます。これを閾値と呼びます。

具体的には、0が0V(ボルト)、1が1Vとすると、その中間の0.5Vを閾値にすることができます。信号が崩れると、0Vまたは1Vの信号に誤差が加わります。誤差が乗った信号の受信側では、信号が0か1かを読み取るタイミングで回路電圧が0.5V以上であれば1と解釈し、0.5V未満であれば0とすることで、多少信号が崩れていてもビットで表された情報は復元できます。この情報の復元は、信号を2個の記号と割り切って解釈することで初めてできることです。

上の例では、誤差が0.5V以上加わった場合は回路電圧が閾値を超えてしまい、間違ったビットが復元されてしまいます。最初の「誤差訂正可能性」の説明でも例を出しましたが、記号的解釈をするディジタル信号では、閾値を使って数値に変換した後でも誤差を修復する方法が知られています。実際には、先に例に挙げたような多数決式の誤差訂正はほとんど用いられず、パリティ・ビットや畳み込み符号といった手法を応用した符号化技術が一般的です。しかし基本的には、どれも元の情報を伝えるのに最低限必要な記号より多くの記号を用意して情報を伝える、「冗長符号」と呼ばれるものの一種です。

参考:「実体験から始める情報講座」より「誤り制御(パリティチェック)

こうした誤差訂正可能性は、現在わかっている理論の範囲ではディジタル信号に特有の性質だと考えられます。音や光などの原情報をいったん電気的なアナログ信号に変換したあとに、わざわざ量子化誤差を発生させてまでディジタル化する理由のひとつは、この性質にあります。

現在、映画などで多量のディジタル処理が行われていて、これをはじめに定義した5つの分類に当てはめれば、ディジタルの「計算可能性」が利用されていることになります。しかし、アナログで同等の変換を行うと、数回の変換でみるみる原情報が劣化してしまいます。これには原理的な要因だけではなく現在の技術的な制約も含まれますが、最小限の情報劣化で信号処理を繰り返すことができる背景には、やはりこの誤差訂正可能性が含まれているように思います。


まだ迷いは残りますが、ふたつの符号化定理の強力な背景を利用できるか否かという点がディジタルとアナログを峻別する本質であると、ひとまず結論付けることにして、この項を終わります。

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ディジタルとアナログってなんだろう(1)
ディジタルとアナログってなんだろう(2)
ディジタルとアナログってなんだろう(3)
ディジタルとアナログってなんだろう(4)
エピローグ
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by antonin | 2005-07-20 00:01 | Trackback | Comments(0)

ディジタルとアナログってなんだろう(3)

よく、アナログ信号を連続した曲線で描き、それに対応するディジタル信号を、格子目の上の点で表した説明図をよく見かけます。

b0004933_2229554.gif


このとき、格子目の縦軸と横軸はどちらも同じような気がしますが、横軸(たとえば時間軸)と縦軸(たとえば音圧)では、実は飛び飛びに値を取る意味が違ってきます。

横軸方向で、ある一定の間隔で連続信号の値をそのまま取り出すことを「標本化(Sampling)」と言います。標本化により、横軸は飛び飛びの値になってしまいましたが、縦軸方向では自由な値を取ることができます。こうした数値を扱う数学に、「標本化定理」というものがあります。時間領域の関数をフーリエ変換すると周波数領域の関数、いわゆる「スペクトル」が得られますが、関数のスペクトルが周波数W以下の成分しか持たないとき、その2倍の周波数2Wを超える頻度(の等間隔)で標本化をおこなうと、そこで得られた標本値から元の関数を完全に復元できるというものです。スペクトルの限定はありますが、標本化で得られた数値は、まだ元の連続値と数学的に等価であるといえます。

これに対し、縦軸(振幅)方向でも飛び飛びになった値を「離散値」と呼びます。連続値を離散値にすることを「量子化(Quantization)」と呼びます。この段階で、量子化された値は元の値と等価ではなくなります。標本化された標本値と量子化された離散値の差を、「量子化誤差(Quantization Error)」あるいは「量子化雑音(Quantization Noise)」と呼びます。

最後に、量子化する数値の範囲に下限と上限を設けます。すると、標本点で取りうる数値は、ある有限の個数しか取り得ないことになります。また、標本化周波数が有限であれば、単位時間当たりに現れる数字の個数も有限になります。つまり、標本化され、量子化され、範囲を持った数値は、単位時間当たりに現れる数値の組み合わせが有限の個数に収まってしまいます。

この、有限個の数値をそれぞれ区別できる形で、つまり記号的に解釈するという点が、ディジタルをアナログと切り分ける本質ではないかと考えました。文字盤に数字を振った針式時計の例では、針の角度という量を読み取ればアナログ式といえますし、角度ではなく決まった個数の数字の中からひとつを選ぶということをすればディジタル式といえるでしょう。必ずしも数字が振られていなくても、目盛りを目安に何時何分と数字として読み取ればディジタル式ということになります。

実生活では、同じ針式の時計でも時間の目安を付けたいときはアナログ式に、正確な時間が知りたいときはデジタル式にと、ふたつの方式を使い分けてはいないでしょうか。送られた信号が同じものであっても、解釈によってディジタルであったりアナログであったりすることになります。

では、なぜ今の世の中がどんどんディジタルへと流れようとしているのでしょうか。それを、信号が有限個の記号の集まりであると解釈すると何が起きるのか、というところから次回考えてみます。

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ディジタルとアナログってなんだろう(1)
ディジタルとアナログってなんだろう(2)
ディジタルとアナログってなんだろう(3)
ディジタルとアナログってなんだろう(4)
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by antonin | 2005-07-12 22:38 | Trackback | Comments(8)

ディジタルとアナログってなんだろう(2)

現在「ディジタル機器」と呼んでいるものの多くは、外部表現がディジタル、つまり値を数字で人間に示しているという意味でのディジタル機器ではありません。ディジタル携帯電話も、ディジタルカメラも、出入りするのは音声や画像などのアナログ信号です。また、アナログ時計にも日付を数字で表示するものがあり、これなどは部分的なディジタル表示といえます。このように、「外部表現」のディジタル・アナログと「内部表現」のディジタル・アナログは必ずしも一致していないことがわかります。

時計の文字盤に数字が全て書かれていたら、針は単に数字を指しているのでディジタルと呼べるでしょうか。ガリレオ温度計などはアナログでしょうか、ディジタルでしょうか。

参考:"ONSEN KiDS"より「ガリレオ温度計

また、ディジタル時計はに1秒ごとに時間を示すので、とびとびに時間を示しているように思えます。一方で、機械式の腕時計などを良く見るとわかるとおり、秒針は1/5~1/10秒程度(時計の設計により異なる)の周期で「チッチッチッチッ」という音とともに、動いたり止まったりを繰り返しています。その動きは決して連続的ではありません。ディジタル時計でも、通常の時刻表示は1秒単位ですが、ストップウォッチなどでわかるとおり、1/100秒や1/1000秒の単位で時刻を表示することも可能です。技術的には、もっと細かく分割することも可能です。内部表現がディジタルのクォーツ時計でも、外部表現に使う秒針の動きをなめらかで連続的なものにした製品もあります。

どこまで細かくしてみても数字を使っている限りディジタル表現は厳密な連続にはなりえませんが、アナログ表現がいつも連続とは限りません。また、数学的な連続はどこまで細かく分割しても連続に変わりがありませんが、現実の世界では電荷も、質量も、長さや時間さえも、細かく分けていくと、それ以上分けることのできない限界にぶつかります。

もちろん、CD-DAの音声データがサンプリング周期である22.7マイクロ秒の積み重ねでできているのと同じような意味で、実時間もその限界小であるプランク時間の積み重ねからできているのかというと、そうとは言えません。時間の尺度でもCD-DAのサンプリング周期とプランク時間では10の38乗も値が違うので比較にはならないのですが、十分精度の高いディジタルとアナログは似通ったところがあるとは言えないでしょうか。サンプリングしたデータをディジタル値に変換することを「量子化」と呼びますが、「量子」は現実世界の物理学で生まれた用語です。

参考:"Takahiko MATSUBARA Home Page"より「プランク時間

また計算可能性についても、計算尺を考えてみればわかるとおりアナログ情報でも演算ができないわけではありません。電子回路で非常に大きい増幅係数を持つ増幅器をオペアンプと言いますが、これはOperational Amplifier(演算増幅器)というところから来ていて、このオペアンプを周辺回路と組み合わせることで、電圧で表されたアナログ情報に対して四則演算や微積分演算をおこなうことができます。自然界の物理法則を使って計算ができるため、高速に演算がおこなえます。しかし精度を出すには非常に苦労するため、あまり段数の多い演算には不向きです。

参考:
よっち@ほ~む」より「素人による計算尺入門講座

大阪大学 宮崎研究室」より「オペアンプを用いたアナログ回路

さて、ここへきてディジタルとアナログの区別は非常にあいまいになってしまいました。では、ディジタルとアナログに本質的な違いはないのでしょうか。しばしばディジタルとアナログの違いと言われる連続性の違いについて、次回詳細に見てみます。

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ディジタルとアナログってなんだろう(1)
ディジタルとアナログってなんだろう(2)
ディジタルとアナログってなんだろう(3)
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by antonin | 2005-07-11 01:04 | Trackback | Comments(4)


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