安敦誌


つまらない話など
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浮世離れ補正

かねてより「耳が悪くなった」と嘆いていたのだが、単にスピーカーやイヤフォンなどの再生デバイスが劣化していたからという可能性が濃厚になってきたので、そのあたりを少し。

しばらく前からSONYのイヤフォンを使っているのだけれど、これを使うようになってから結構自然に音楽が聞けるようになった。

SONY 密閉型インナーイヤーレシーバー XB90EX ブラック MDR-XB90EX/B

ソニー

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それで最近になってCDのロスレスエンコードをえっちらおっちらやっているのだが、それでもONKYOのPCスピーカーや、近所のスーパーで買ってきたJVCの廉価版ヘッドフォンだと、相変わらず音がくぐもって聞こえる。ただ、古いCDをエンコードしたクラシックなどではそういうことになるのだが、比較的最近のポップスなどを聴くと、そういう再生装置でも自然に響く。どうやら最近の再生装置はポップスの音源をリファレンスとして設計されているから、クラシックやジャズをリファレンスとして設計された古い装置と違って、オーケストラ演奏などを鳴らすと音がくぐもって聞こえてしまうものらしい。

ONKYO WAVIO アンプ内蔵スピーカー 15W+15W ブラック GX-D90(B)

オンキヨー

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JVC HA-S200-B 密閉型ヘッドホン 折りたたみ式 DJユースモデル ブラック

JVCケンウッド

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スピーカーなどは装置のつまみで低音と高音の比率が調整できるのだが、その程度だとあまり改善しない。今のPCで使っているマザーボードにはRealTekのHD音源が載っているので、その設定アプリのイコライザ機能を使って、プリセットのイコライジングカーブではなく、耳で聴きながら一番よく聞こえるレベルを探ってみた。そうすると、ONKYOスピーカーでもJVCのヘッドフォンでも、ちゃんとクラシックを鳴らすことができる。ロスレス音源の細かい音場まで拾えている。そして、そういう補正を掛けると、今度はポップスがうるさくて耳障りな音になってしまう。

ヘッドフォンのイコライジングカーブはこんな感じ。

b0004933_23315245.png
中低音が若干盛り上がっているのは、このあたりがズシズシ鳴っていると楽しいので趣味的な補正という感じだが、高音を引っ張り上げているのはポップス向きにアレンジされた再生装置の逆補正成分ということになるんだろう。8kHバンドを中心とした高音域を引っ張り上げると、音が非常にクリアになった。ピアノの高音でもヴァイオリンの高音域合奏部分でもスネアドラムのアタックでもしっかり聞こえるようになった。500Hzバンドをつぶすだけでもかなり音が明確になったので、ポップスではこのあたりを強調するとバランス良く鳴るのだろう。

一方、SONYのXB90EXを接続すると、中低音の補強を少し入れたほうが音がリッチに感じる以外は、特に補正なしでクラシックが聴けた。この場合も、逆にポップスのほうで補正を入れたほうが聴きやすかった。RealTekのプリセットにある「ポップス」は、このフラット特性の装置でポップスを聞く場合の補正になっているようだった。逆に、廉価版の装置はこのあたりの補正が、電子的あるいはアコースティックな特性を使って、デフォルトで掛けてあるのだろう。

ところで、私があまりCDを買わなくなった00年代、CD業界にはちょっとした異常な現象が見られたのだという。CDショップの試聴コーナーでの印象を優先した、音圧競争というのが起こっていたらしい。

Bostonの名曲「More Than A Feeling」に見るラウドネス(音圧)競争の現実 | 山崎潤一郎の「また買ってしまった。」

ブログ 懐かしいCDの美しい波形を偲ぶ会

試聴機を使った店頭販売で売れるための味付けが暴走した結果だということらしい。そういえば、以前のテレビ販売でも似たようなことが起こっていた。最近は通販が強くなってきたが、量販店全盛の時代には店頭で見栄えのする、とにかく明るくてとにかく色の鮮やかなモードを持った機種が売れるので、リビングで見ていると目が痛くなるくらいのチューニングをデフォルト設定に据えるメーカーが増えて、描写力の高い領域を中心に据えたような画質重視の機種が売れなくなっていた。プラズマディスプレイが滅びたのも、まあ電力消費の問題もあるけれども、この店頭画質で液晶に比べて劣ったというのが主要因だったらしい。

一方で、10年代に入るとこの傾向には一定の落ち着きが見られるようになったらしい。その理由はよくわからないけれども、iTunesが普及した影響ではないかという気はしている。ダウンロード販売では試聴用に独自のフォーマットを使えるので、販売音源そのものを歪ませて店頭アピールする必要がないということもあるが、それよりも影響が大きいのはiTunesのランダム再生だろう。

あれはどういうアルゴリズムで選曲をしているのか知らないが、少なくとも単純な乱択ではなくて、再生回数や再生時間帯などを考慮しているらしい。しかしそうは言ってもミュージックライブラリ全体から曲を拾ってくるので、曲から曲に移った時にいきなり音量が変化すると困る。ということで、iTunesはCDからトラックをリッピングする際に平均音圧レベルを記録しており、ランダム再生時はこの音圧が均等になるように補正を掛けて再生している。

この音量補正のために、CD音源で音圧競争をしてもポータブルデバイスでのランダム再生時にはiTunes様によって自動キャンセルされてしまう。そうなると、残るのは一定音圧レベルでの音質ということになるので、あまりに音圧上限に張り付いた曲というのは印象が良くなくなってしまうのだろう。個人的にそういう曲をあまり聞かないのでよくわからないが。

--

最後に。イコライジング調整用音源の紹介のためにスターウォーズ Episode V 「帝国の逆襲」の finale を調べていたら、面白いものを見つけた。

『スターウォーズ/帝国の逆襲』(Ending) by Moment String Quartet (弦楽四重奏ver) - YouTube

スターウォーズの音楽はそもそも管弦楽組曲みたいなものなのでクラシックに親和性があるのだが、これは弦楽四重奏に編曲されている。そして動画を見ると演奏しているのは若い女性たちで、こんな昔の男の子仕様の曲を何でまた、と思ったら、ちゃんと黒幕(失礼)が存在していた。

_... m o m e n t ...._

びよら弾きの備忘録

どおりで愛情あふれる編曲なわけだ。これは男の子だった経験がある人間にしかできない編曲だろう。「ベイマックス」にしてもそうだけれども、性差別とかそういう話は抜きにして、趣味における男女差というのはどうしても存在するものなのだ。

ちなみに原曲はこう。

the empire strikes back finale music - YouTube

あのクソ派手な管弦楽を室内楽でよくまああれだけ再現したもんだ。素晴らしい。

そういえば調整用音源の紹介を忘れていた。上に挙げたヘッドフォン用イコライジングカーブの作成にはデュトワ/MSOでラヴェルのボレロ後半を繰り返し鳴らしていた。まあ、有名だから張らなくてもいいか。

ポップス評価用の曲はこれ。

Avril Lavigne-Take Me Away Music Video - YouTube

PV初めて見た。女の子は大変ですな。しかし、これでも10年以上前になるのか。

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by antonin | 2015-01-25 01:21 | Trackback | Comments(0)

1+1は2か3か

「イチたすイチは~ ニかサンか~」とか歌っているCMが昔にあったような記憶がある。子供向けの文具か教材か、そんなようなCMだったと思うが、どんな内容なのかはすっかり忘れてしまった。それなのに、この「1+1は2か3か」という文句だけが記憶に残っている。

ブール代数を初めて知ったとき、1+1が2ではなく1になるという演算があるのを知って楽しかった覚えがある。そういう流れで、この「1+1は2か3か」という冗談のような歌が妙に気になっていたのだろう。1+1が2というのはごく普通の算術演算だとして、1+1が3というのは、いったいどんな演算がありうるんだろうと気になっていた。

それから長い年月が流れたが、去年のあるあたりに、ふとひらめいたことがあって、なんとか1+1が3になる演算を考えついた。そのあたりをダラダラと書いていこうと思う。

1+1=1 というブール演算は、そもそも数値として0と1しか存在しない。自然数の集合がアレフゼロという無限の個数なのに対して、ブール束の元は2個しかない。1+1=3となる代数系に似たような制限を掛けるとしても、0,1,2,3と最低でも4個の数値は必要になりそうで、これは面倒だった。しかし、よく考えてみると、今は足し算だけで掛け算は必要ないわけだし、乗算の零元である0というのは必要ないかもしれない。「1+1は2か3か」という歌にも1と2と3しか出てこないのだから、今考えようとしている代数系の元は3個で十分なのかもしれない。

というところまで考えて、ブール代数のようなロジックにトライステート ロジックというのがあったな、ということを思い出した。通常のロジック(論理)が「真」と「偽」だけを使うのに対し、トライステート ロジックというのは、第三の状態である「どっちでもいい」という状態を持った論理回路のことを指す。

デジタル回路 #スリーステート・バッファ - Wikipedia

学生時代には確かに「トライステート」と習った覚えがあるのだが、上記ページによると、その呼び方はナショセミの登録商標だったらしく、知財フリーな辞書表現だと「スリーステート」となるようだ。ジェットエンジンの「アフターバーナー」がGEの登録商標だと知ったときと似たような、微妙な感じがして面白い。

ともかく、トライステートというのには、真か偽かはっきり決まる状態以外にも「ハイインピーダンス」という状態があって、真か偽かの決定は接続先かデフォルト設定に任せるという、独特の出力状態のある論理回路になっている。委任票というのか、結論を相手に任せるモードを取りうるロジックということで考え方として面白いのだが、この3状態論理というのが今考えようとしている演算に使えそうだった。

トライステートのハイインピーダンス状態というのは、プルアップするのかプルダウンするのか、あるいは別のロジック出力に合わせるのかというあたりは、そのロジックを使って回路を組む設計者に任されている。ところが代数系を考えるときはそういう自由度は面倒なことになるので、ハイインピーダンスではなく「真偽不定」という状態と考えることにしてみる。

A+Bというブール演算は、A or Bという論理演算に相当するので、たとえばA=1、つまり「Aは真である」というのが確定した場合には、Bが0だろうと1だろうと結果は1になる。なので、真偽不定の状態をXと置くと、1+X=1となる。Aが0の場合にはこうはならなくて、結果はBの値に等しくなるから、Bが定まらないうちは結果も定まらない。なので、0+X=Xとなる。A・Bの場合、つまりA and Bの場合には、逆にA=0のときに結果が0に定まって0・X=0となり、A=1のときに結果が不定になって1・X=Xとなる。

この不定値を含んだ3状態論理を使いたいのだが、and にしても or にしても、1+1=3のように、同値の組み合わせから別の状態が出てくる演算にはならない。そこで、ブール代数上で0と0から1が出てくる演算として、「同値」"equivalent" というのを使ってみることにする。この同値というのは、昔の Microsoft 系 BASIC 言語には論理演算子 "EQV" として組み込まれていたのだが、最近はあまり見ない。C言語的に書くと、!(a ^ b) のことで、「排他的論理和」"exclusive or" の否定を取ったものになる。

排他的論理和というのには論理学的な意味があって、「田中さんは家にいますか、それとも会社にいますか」と聞いたときに「会社にいます」と答えた場合、普通は「じゃあ田中さんは家にはいないんだな」と考えるのだが、実は田中さんは町工場の経営者で、自宅兼会社に住んでいるというケースもありうる。この場合、「家にもいるし、会社にもいる」というのを、普通の論理和(or)は許容する。けれどもそれだと自然言語の「または」の意味を正確に記述できない場合があるということで、この排他的論理和というやつが生まれた。

排他的論理和を演算として見ると、結果が1になるのはA=0でB=1の場合と、A=1でB=0の場合だけということになり、「AとBは異なる」という意味にもなっている。同値演算というのはこの逆で、A=0でB=0の場合と、A=1でB=1の場合にだけ、結果が1となる。これに排他的論理和のような古典論理学的な意味付けができるという話は聞いたことがないが、何かあるのだろうか。

話が逸れたが、この同値演算は0+0=1という性質を持っているから、これを3状態論理に持ち込めば、1+1=1の呪縛から逃れることができる。ということで、まず真をT、偽をF、不定をXとして真理値表を作ってみる。

b0004933_00234760.png

「AとBが同じかどうか」なので、片方でも不定になると結果は自動的に不定になる。それで上の図のようになる。

そしていよいよ、このFを1に、Xを2に、Tを3にそれぞれ読み替える。最後に、この同値演算の演算子として無理やり「+」記号を当てはめてみる。すると、こうなる。

1+1=3
1+2=2
1+3=1
2+1=2
2+2=2
2+3=2
3+1=1
3+2=2
3+3=3

なかなか謎めいた、良い演算になった。というわけで、1+1=3という演算は存在する(いま作ったから)。

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by antonin | 2015-01-24 00:02 | Trackback | Comments(0)


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