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ある日キツネが歩いていると、丘の上の木にぶら下がったブドウが見えました。ブドウというのはあんまり高くなる木じゃないんですが、どうしたことか、このブドウの木は、枯れた大木に巻きついて、高く高く伸びて日の光を浴びています。ああ、きっとあのブドウは甘いんだろうな、そんなことをキツネは思いました。 どう見てもあんなに高いところになったブドウに届くわけがありません。しばらく木の根元から日に照らされて光るブドウの房を眺めていましたが、とうとう我慢できなくなって、キツネはブドウに向かって高く跳び上がりました。なんどもなんども跳び上がりました。それでも、ブドウの房にはまったく届きません。最初から、それはわかっていたことなのです。 キツネは少しがっかりしましたが、すぐに元気になりました。きっとあのぶどうの実はすっぱくて、まずいに決まってると、そう思うようにしたからです。そうしてキツネが帰ろうとすると、それをさっきから見ていたカラスが言いました。「おいキツネ君、なんだかさっきから必死にブドウの実をとろうとしていたね。せっかくだからひと房とってあげようか。」 キツネはゴクリとつばを飲み込みました。あきらめかけていたブドウの実を食べられるかもしれません。「いいのかい、おねがいするよ。ありがとう。」 そうキツネが言うと、カラスはいちばん見ばえのいい房をくちばしでつまんで、下に落としてやりました。「それじゃ、また。」 そういうとカラスは山へ飛んでいきました。 キツネはよろこんでブドウをくわえ、それを森まで持って帰りました。そして日が暮れる頃、キツネはブドウの実を一粒食べてみました。するとどうしたことでしょう。ブドウは本当にすっぱかったのです。この実の出来が悪かっただけかもしれないと思って、キツネはもう一粒ブドウを食べてみました。するとどうしたことでしょう。こんどの実はもっとすっぱかったのです。念のためもう一粒だけ食べてみましたが、同じでした。それどころか、だんだん口の中が渋くなってきました。 キツネは悲しくなりました。でも、すぐに元気になりました。キツネはネズミを食べるもの。ブドウなんかに手を出そうとしたのが間違いだったんだ。もうブドウを食べたいなどと思わないようになりました。次の日、森に落ちていた柿の実を拾って、カラスのところへ遊びに行きました。「どうも、ぼくの口にブドウは合わないみたいだ。」 キツネがそう言うのを聞いて、カラスは笑いながら柿の実を食べていました。
by antonin
| 2009-11-14 00:40
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Comments(4)
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fazero at 2009-11-15 11:57
からす さん わ、 きつね さん の、 よい おともだち ある
どちら も ひとくせ あるのが おもろい ^^
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antonin at 2009-11-15 18:20
言い訳も才能のうち、ということで。
この歳になって思うことは、「一皮むけば一癖ないやつなんていない」というあたりですかねぇ。
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ふぁぜろ
at 2009-11-16 14:59
x
な、なるほどー。
らっきおー わ くせだらけ と いうか なんと いうましおーか、 こまる あるよね そーいう ひと
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antonin at 2009-11-18 03:31
んー、一番困った奴は自分自身なんで、ひと様についてはよういいません。
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