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マッハ数というのは、流体の流速を流体中の音速で割った無次元数。 マッハ数 - Wikipedia つまり、マッハ数というのは固定的な速度値ではなくて、その場の流体の温度であるとか密度であるとか、そういう流体の条件によって変動する。逆に考えると、例えば大気よりもめちゃくちゃ音速が遅い流体があったりした場合、そこにパンチを繰り込むとスーパーソニック(超音速)パンチが打てるのか、なんてことを考えていた。 で、「音速 遅い」なんてあたりを検索していると、けっこう多数のページがヒットして驚く。なんだ、ということで調べてみると、とあるギャルゲーでそういうセリフが出てくるのだそうだ。詳細はわからないが、会話のレスポンスが遅いとか、そんなような意味らしい。 会話に音速があるとして、マッハ数は1を超えることができるのだろうか。友人の持っている音声読み上げソフトが電子的文書を読み上げるときの発話が、人間離れした滑舌の良さでもって結構な高速で読み上げていたのに驚いたことがある。まあ視覚的に文章を読むときの「流速」に比べると、そうおかしくない速度でもあった。 そういう技術を駆使して、喉と舌を使って発話するという生理的制約を解除し、中枢神経系のレスポンス能力の限界のみに依存した速度で会話を繰り返すという近未来SF的な状況において、機器の取扱について充分な経験を積んだ人間が一対一で会話するとき、果たしてどれくらいの会話速度が得られるのだろうか。 すでに、筆記具を用いた手書き文字よりキータイプによる入力の方が早い人は多いと思うし、かな漢字変換などは除外してキーボードからのローマ字入力速度だけで見ると音声会話の速度を超過しているような人もいくらかいるだろう。そういう場合、多少の打ち間違いは辞書が吸収して音声発話してやれば、発話の限界速度は相当高くなるに違いない。ジャズピアニストが即興演奏する指さばきなどを見ると、その点に疑いはない。 受話速度の方も訓練によって相当上げることができるだろう。読み上げ装置の音声はすでにその傾向を示しているし、英会話の聞取りやアマチュア無線の免許試験でモールス信号の受信練習をした経験から考えても、機械音声の聞取りに慣れない人と慣れた人、さらに特別に習熟した専門家との受話速度を考えると、その比はかなり大きなものになるような気がしてならない。スラングやQ符号のような符丁の使用を認めた場合には、その差はより拡大するに違いない。 様々な技術や訓練を経ると、最終的には通信路のS/N比で決まる通信容量という理論限界が見えてくる。意識レベルで思い浮かんだことが、思い浮かんだそのままの速度で他者と会話できるとする。理論限界に近い発話能力を持った話者が発した「言語」が、一般人レベルのまどろっこしい受話者に向けられたとき、そこで「超音速」現象が発生するだろう。 発話のマッハ数が1を超えると何が起こるかということについては、私たちはよく知っている。つまり、早口言葉の速度を上げていくと、ある時点で「舌が回らない」という現象が発生する。脳からの発話命令を咽頭口腔が処理しきれなくなり、「衝撃波」が発生して言葉が乱れる。 これが受話サイドになるとどういう感じなのだろう。耳という装置自体は相当能力が高いし、訓練によってあまり性能が上がるとも思えない。どちらかというと言語野の復号化回路のほうが律速になっているだろうから、「言語」が単なる「音」になってしまい、意味を聞き取れなくなる。 ただ、マッハ数が1前後の状態でどんな現象が起こるのか、ということには興味が引かれる。発話速度が「音速」付近になると、「言い間違い」とか「舌を噛む」ということになる。受話速度が亜音速の場合は、「聞き漏らし」とか「聞き違い」というようになるだろう。だが、大きく破綻していなければ、冗長性を持った自然言語で会話しているうちは、多少の誤解の危険性をはらみながらも、会話は続行できる。 機械発話の「声質が一定」で「滑舌が超いい」という特徴を持つ音声を、若い頃から繰り返し聴いて訓練した受話者がいるとする。その人が限界速度付近で受話し続けた場合、言語野よりもバックエンド側にある統合関係の部位の処理速度が律速になってくるかもしれない。そういう状況で受話速度が「音速」に達すると、意味の統合レベルで「処理落ち」が発生してくる。そういう場合、やはり一時的にしても「統合失調」的な、トランス状態のような精神状態に陥るのだろうか。 ネットなどで雑多な文字情報を意味統合の限界能力に近い速度で摂取するとき、摂取情報が一部崩れて統合された妄想状態が発生するなどということは、日常茶飯事とまでは言わないまでも、個人的には過去に繰り返し経験してきたことでもある。こういう現象が、前頭前野の処理が入力に負けて「衝撃波」を発生しているという事なのかもしれない。 普通の精神はこの衝撃波に負けて、それを壁として正常側にフォールダウンされるわけだが、中には特別強靭な思考力で「超音速」状態に深く突入する「統合失調」タイプの人や、あるいは大脳辺縁系を突破して延髄の方にまで衝撃波が到達し、身体症状を発生する「てんかん」タイプの人もあるのかもしれない。ニーチェなどはひょっとすると亜音速で巡航し続けていたのかもしれない。 音速の他に粘度というアナロジーを持ち込んで、レイノルズ数が関与してきて乱流が発生すると話題が錯綜する「ADHD」タイプであるとか、いろいろ論を重ねたいところではあるが、ネットで拾った比喩に乗っかってここまで変な論を進めてしまうのも恐らく「亜音速飛行」の一種であって、今日のところは「妄想」タグを打ってこの項を終わりとしたい。
by antonin
| 2010-01-24 00:43
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