by antonin
検索
最新の記事
記事ランキング
タグ
雑感(302)
雑談(151) 妄想(126) ニュース(96) 散財(77) web(65) おバカ(59) 検索(54) 親バカ(45) 日本語(41) PC(40) 季節(39) 昔話(35) 信仰(31) 政治経済(29) イベント(27) 言語(25) 音楽(24) 言い訳(22) ビール(15) 以前の記事
最新のコメント
ライフログ
ブログパーツ
ブログジャンル
|
「ローマ人の物語」、ついに読了。古代ローマ帝国について概略を知ると、アメリカという国がどういう姿を理想としていて、どういう変化を恐れているのか、そのあたりがなんとなく見えてきて面白かった。 アメリカの上院というのは元老院を手本としているが、世襲を認めつつも公選制のスタイルを導入している。大統領は基本的に皇帝を手本として、一人に軍と行政を任せる強権を与えているが、同時に執政官の性質も併せ持っていて、上院議員か州知事の中から選挙で選ばれ、4年という固定した任期を定めている。 アメリカから見た近隣の大国は、かつてはソヴィエトと中国、今はイスラム諸国と中国で、どちらもアメリカとは文化圏の異なるパルティアのようなオリエントの王国に近い。そういう目で見ると、日本や韓国、台湾などは、文化圏としては中国に近いが、政権の中枢はアメリカに近い勢力で固めていて、これは古代アルメニア王国の位置付けと非常によく似ている。この3国と中国、あるいは3国間があまり強く結び付かないほうが「分割し、支配せよ」のセオリーに合致してアメリカの利益になることもわかる。ただし、だからといってアジアで連合してアメリカに立ち向かうべきかというと、アメリカがローマ帝国を目標とする大国であれば、むしろその枠内で自由にやったほうが利益が大きいということも、歴史を見るとわかってくる。 ローマ衰亡史の部分では、武官と文官の分離、市民権の取得権から既得権への移行、キリスト教の独占的優遇あたりが大きな原因として挙げられていた。その点は確かに認めるけれども、後期まで戦略戦術に長けた名将がいたのに、ローマ軍が蛮族に数で押され続けていくのが、いまひとつ納得できなかった。塩野さんが述べなかった、ローマ滅亡のもうひとつの原因は、ローマ帝国内の人口減少で、その理由は出生率の低下と、移民の減少の両面によったのだと思う。文明化が進んで出生率が下がるのは防ぎようがないとして、領土拡大を止めた時点で必要になる、周囲の蛮族を継続的に受け入れて文明化する体制を十分に拡大できなかったために、国内人口の減少と周辺人口の拡大を許してしまったのだろう。 移民の国アメリカ本国ではさすがに人口を維持しているが、自由主義圏にまで視野を広げると、先進国の多いヨーロッパや東アジアでは、人口の減少が続いている。それぞれイスラム圏や中国から徐々に移民を受け入れているが、移民の数のわりには異文化の衝突で難しい状況になりつつある。中国やインドではもう文明化による出生人口の減少が始まっているけれども、イスラム圏の一部やアフリカなどでは、紛争終結後の人口爆発はこれからという感じもある。 日本もどこかで移民を受け入れるしかないのだろうけれども、日本語を話す日本人として受け入れる教育体制を作れるのか、それとも外国人と共存する形をとるしかないのか、そのあたりで国の形は大きく変わってくる気がする。
by antonin
| 2012-02-08 01:51
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||