by antonin
検索
最新の記事
記事ランキング
タグ
雑感(302)
雑談(151) 妄想(126) ニュース(96) 散財(77) web(65) おバカ(59) 検索(54) 親バカ(45) 日本語(41) PC(40) 季節(39) 昔話(35) 信仰(31) 政治経済(29) イベント(27) 言語(25) 音楽(24) 言い訳(22) ビール(15) 以前の記事
最新のコメント
ライフログ
ブログパーツ
ブログジャンル
|
現在の日本では、人件費が高すぎる。 引き下げるべきである。 では、どうやって。 いくつかの段階を経て、経済界では既に人件費の引き下げを実施している。工場の機械化、工場の海外移転。正社員の削減と契約社員、派遣社員、パートタイム労働者比率の拡大。こうした施策により、企業はなんとか黒字を確保し、労働者は弱い立場の人々から徐々に貧困層へと転落している。現在は既得権者に位置している企業の正社員や公務員も、今後の法規改正で徐々に人件費の切り下げの方向へ移っている。残るのは、一部の富裕層だけとなる。 そもそも、なぜこのような状況に陥ってしまったのか。日本人の給料が上がりすぎてしまったから、適正レベルまで補正しているのが現状なのか。私はそうは思わない。人件費は「相対的に」高いに過ぎないのであって、日本人の人件費を高く見せてしまう、「安くて良いもの」の存在にそもそもの矛盾の原因がある。それは、ひとつに輸入品の安さであり、ひとつに海外労働力の安さである。それらは、質が日本国内のものに大きく劣らないのに対し、価格は非常に安い。ここに国内の劣悪な労働環境の遠因があると、私は見ている。 現状、日本では海外労働力の国内への流入に様々な障害を設けて、これを阻止している。これはまた別の論になるのでここで理由は述べないが、正しい政策だと見ている。この労働力流入制限のために、国内で確保できる労働力の大半は日本人労働者ということになる。そのコストは、従来年功序列制で、比較的狭い範囲に保たれてきた。 一方、海外の労働力は安く、その安さの理由は為替レートによるものであり、同じ国内購買力であっても、彼らが生み出す生産品が私たちにとって価値が低いということを合理的理由として、そのような為替レートを認めてきた。 海外から輸入される物品も、ヨーロッパの高級品であれば非常に高価で、産業が未発達な国の軽工業品であれば非常に安価であった。その理由もまた為替レートであり、その合理的根拠は彼らが産出する製品の品質にあった。 翻って今日、日本人が日本国内で産出する製品の品質は、向上こそすれ、低下していることはない。ならば、円が他の通貨に対して高い為替レートを保っていることは合理的である。しかしながら、現在において、日本製品に匹敵する品質の製品を生産する国は多数に上り、それら高品質の製品を産出する国々の通貨に対しては、日本円のレートは低下するというのが合理的な経済的帰結である。 しかしながら、日米経済戦争、ジャパンバッシングと騒がしかった1990年前後に極端な円ドルレートで国内産業に打撃を与え、100~140円/ドルのレートに揺り戻してから、米国産業が品質問題をほぼ解決して盛り返し、ジャパンパッシングと揶揄されるような中国中心の量産産業構造に変化した今日も、日本円の対ドルレートは変わっていない。 一方の主役である中国は、米国政府からの人民元切り上げ圧力に対し、形ばかりのわずかな切り上げこそ実施したものの、依然として発展途上国としての通貨バスケットによる為替レート管理を国家戦略に基づき継続している。米国にしても、中国の下請工場が米国産業に与える利益も無視できないため、それほど声を高めることなく良好な関係を維持している。 一方の日本は、産業界が雇用者の非難の声にも負けず、自社工場や部品調達先の海外移転を行い、国内の従業員については解雇や給与据え置きなどの策により生産コストを圧縮してきた。しかし、ここに来て限界が近づいている。日本の経済構造が破綻に近づいている。 その真の原因は何か。 為替レートは、一般に自由な通貨交換によって決定されているように思われているが、国の財政状況に直接間接影響する為替レートは、中央銀行の介入により厳しく管理されている。そして、その管理方針を決めるのは、一般にその国家政府である。 かつて日本政府は対米黒字を大幅に拡大し、「偉大なる」アメリカ合衆国の敵とされてしまった。それを解決したのがプラザ合意に基づく円高基調の為替レート管理である。これは短期的には国内固定資産の形式的高騰によるバブル景気、長期的には中国での近代的産業立ち上がりに伴うデフレを生み出した。 しかしながら、太平洋戦争の敗戦で三流国に落ちた日本が、少なくとも経済のレベルにおいては大国アメリカに対抗しうる大国に回復した結果、それまでの低い円レートによる経済的庇護を離れるという意味において、この合意は正しかったように思う。問題は、それを段階的におこなわず、破壊的に実施したと共に、期限を設けなかった点にある。現在の「いざなぎ超え」かつ「実感なき」好景気の正体は、既に役割を終えたプラザ合意の亡霊に悩まされる日本の姿に違いない。 高い円レートのもとでは、輸入品は安くなり、輸出品は高くなる。言い換えれば、今まで日本人が生産していた品物は、安い輸入品と競争するようになり、低価格化を求められる。日本に入ってくる安い品物に対し、われわれ日本人の給与は、相対的に高く感じられ、より一層の高い価値を求められ、日に日に高い目標を設定され続ける。そして、誰にも余裕がなくなり、自殺しか道は残されなくなる。 今まで輸出していた製品は、日本人が日本で作っていたのでは高くつくので、海外の工場で生産する。残された国内産業は、合理化によるコスト削減で安い輸入品に対抗してきたが、近年ついに合理化も限界に達し、人件費の全てにわたり削減を求め始めた。その結果が正規雇用比率の低下であり、ワーキングプアの誕生であり、ホワイトカラー・エグゼンプションの議論である。 今、本当に必要なのは、既に時代に見合わなくなったプラザ体制を見直し、中国や米国が台頭する世界情勢に見合った、日本製品の品質や売り上げに見合った、正しい為替レート管理の獲得である。このあたりを論じる経済学者がマスメディアに現れないのは大きな疑問である。日本国民が「我慢」や「改善」を「努力」する水準は、とうの昔に超えている。今なすべきことは、しっかりと外を見て、日本円の正しいレートを主張し、為替政策として速やかに実施することである。 その先には、日本国民の生活に余裕が戻り、人々の顔には笑顔が現れ、自分の国は愛すべき存在になり、美しい国になるだろう。人々が苦痛の中に自らの命を絶つ中で、教科書だけが「国を愛しましょう」と唱える姿は、単なるブラックジョークにしか思えない。 一会社員でありながら、こうした大所高所から国を考えるのは、あるいは理屈を弄ぶ悠長なのか。不安は日々募る。
by antonin
| 2006-12-20 01:16
|
Trackback
|
Comments(4)
Commented
by
oki_mo at 2006-12-21 23:52
はーい♪貧困層のひとりでーす♪(^^)/
0
Commented
by
antonin at 2006-12-22 00:15
おいっす♪
NHKで「ワーキングプアII~努力すれば抜け出せますか」なんて番組の再放送を見て、働く女性の苛酷な環境なんてテーマもあったので、「うわー、大変、これはイカンよー」と悲鳴を上げてしまいました。 どうしたもんですかね。
Commented
by
▽・(◎◎)・▽
at 2006-12-27 14:59
x
うちとこ でわ こんなん ↓
とーちゃん 「いつでも きんか の ちーさいの もっとくんやぞ」 みな 「なんでー」 とーちゃん 「わるい へーたいが きたら わいろ に やるんじゃ」 みな 「??」 とーちゃん 「あとわ、 すいす ぎんこー に あづけといて、 すいす に にげる」 みな 「わーい、 すきー が できる」 とーちゃん 「あほか、 とーぶん くろぱん と かちかち の ちーず で くらすんじゃ」 みな 「とりあえず、いちまい もろた」 とーちゃん 「こら、 こすったら あかん。 へるやろ」
Commented
by
antonin at 2007-01-05 18:57
スイス銀行・・・
この記事を思い出してしまいました。 @nifty:デイリーポータルZ:スイス銀行に口座をつくる方法 http://portal.nifty.com/koneta06/02/23/01/
|
ファン申請 |
||